「ご馳走様」
「おう、お粗末さん」

 霊夢が食べ終わり、手を合わせる。
 それに、今日の昼食を作った僕は合いの手を入れた。

 かちゃかちゃと、食器を纏める霊夢。……一応、僕に作らせた時は、洗い物くらいは(気が向いたら)やるんだよな。
 先に食べ終わった僕の分の食器を片し始める霊夢に、今日は片付けしてくれてラッキー、とか思う。

「霊夢、片付けの前に、お茶どうだ?」

 急須を向けると、『それもそうね』と霊夢は立ち上がるのをやめて、湯飲みを向けてくる。それに注いでやって……ありゃ、もうお茶なくなったか。
 霊夢の湯飲みの半分くらいまで満たしたところで、空になったらしい。

「良也さん、もう一回お茶淹れましょうか?」
「あー、ありがたいけど、別にいいや」

 さっき入れたばかりなので、お茶は半分ほど残っている。これだけで僕は十分だ。

「そうそう、午後から僕、地霊殿に行ってくるから」

 そういえば言っていなかった、と気付いて、霊夢に本日の予定を告げた。

 今日は……というか、今日も、だが。
朝の早いうちから幻想郷に入り、午前中に人里で菓子を売る。そして、午後は丸々地霊殿で過ごす……ってのが、最近の僕のお決まりのパターンだ。

 博麗神社には、昼ご飯を食べに来ただけだ。作りに来てやったとも言う。

「また? このところ、こっちに来る度に地底に行っているわね」
「あそこは居心地がいいからなあ」

 我ながら惚けた台詞だと思いながらも、そう言う。

 その、なんだ。やっぱ、さとりさんに会いたいしね。僕のこの気持ちは、僕自身と、後は心を読まれたさとりさんとこいししか知らないだろうけど。

「ふぅん。通い妻ならぬ、通い夫かしら?」
「ぶっ!?」

 茶を吹いた。ふ、布巾、布巾……

「なによ、汚いわねえ」
「う、うっさい。だ、誰が誰の夫なんだよ、ったく」

 ど、どうせ霊夢のことだ。適当なことを思いついたままに言っているに違いない。それで当たるのが霊夢だけど。

 動揺を表に出すな。変に勘ぐられたら、射命丸にスッパ抜かれて、次の日には幻想郷中に知られてしまう……

「誰の……って、さとりのじゃなかったっけ?」

 ふなっ!?

 動揺が、ちゃぶ台を拭く布巾に現れて、上に置いてあった食器を派手に吹き飛ばす。

「あっ!」
「や、やべ……。わ、割れてない、な」

 せ、セーフ。

 し、しかし……

「気をつけてよね、良也さん。そそっかしいんだから」

 霊夢は何事もなかったかのように、食器を拾い集め、ため息をつく。
 しかし、僕としては気が気でない。い、一体いつバレた? それとも、またただの勘で察したか? はたまた、ただ適当に言っただけか……

「れ、霊夢?」
「なによ」
「な、んで、僕がさとりさんと、なんだ?」
「……まさか、バレていないと思っていたの?」

 正直、思っていました! だ、だってさとりさんと会うのは地底だし。霊夢は、僕とさとりさんが一緒のところを見ているわけじゃないはずだ。
 う、うーむ、これが地霊殿のペット二人とかだったらまだわかる……いや、お燐は兎も角お空の方はないな。

 とにかく、見てもいないのにバレるとは、そりゃ思わないって。

「さとり、たまにうちに来ているわよ。こいしがよく来るから迎えにね。で、いつも『今日は良也さんは来ていないんでしょうか?』って聞くのよね。来てたら絶対にそっち行くから、って言っているんだけどねえ」
「ぐはっ!」

 さ、さとりさーん。き、気持ちは嬉しいというか、そんなに気にかけてくれるなんて意外以外のなんでもないんだけど……そ、そんな、飢えた猛獣の前に僕を放り投げるような真似……

「……ちなみに、それ誰かに話した?」
「私は別に」

 私『は』?

「魔理沙だけだよ、な?」
「そうよ。今のところは。……良也さんが懸念してるのは、あのブン屋でしょ? 大丈夫よ。まだ遭遇してないから」

 そ、そうか。射命丸にバレていないなら、まだなんとかなる。

「時間の問題だと思うけどね。生活に困った魔理沙が、ネタを売りにいくかもしれないし」
「……それとなく、止めといてくれ。賽銭入れとくから」

 はいはい、と頷くのを確認して、僕は立ち上がる。
 さ、さて……地霊殿行こう。ついでに、僕のことを話さないよう、釘刺しておこう。

「きょ、今日は向こうで泊まるかもしれないから、晩は適当に食ってくれ」
「今日は、じゃなくて、今日も、でしょ。わかっているわよ」

 ……あれ? もしかして、僕のこういうところも、バレる要因だったか?








 でもなあ。実際のところ、僕とさとりさんは、まだそんな関係じゃなんだけどねえ。単なる僕の片思いってだけで……


























 地霊殿は、相変わらずひっそりと佇んでいた。
 妖精が暴れていなければ、ここはいつもそうだ。なにせ、さとりさんの能力を恐れて、近付く妖怪は滅多にいないためだ。

 ペットは多いのだが、しつけが行き届いていると言うか、ぶっちゃけ半分以上が妖怪のペットなので、騒がしくはない。人語を喋れるのは、僕の知る限り二人だけだから、話しかけられるということもないのだった。

「うーん」

 しかし、本当にペット多いな。見る限り、お燐と同じような猫やらお空と同類の地獄鴉が多めだ。鴉は置いといて、そのうち猫たちとは仲良くなっておこう。

 んで、地霊殿の主要メンバーがいつも集まっている居間に着く。
 近付いてみると、案の定その部屋だけは、楽しげな話し声が聞こえた。

 ……考えてみたら、呼び鈴とか鳴らしていないな、いつも。そういうのがないせいなんだけど……いきなり居間に突撃というのは、訪問の形式としてはマズいかもしれない。

「ま、いいか。こんにちはー」

 襖を開けると、いつもながらの、屋敷の広さの割りにこじんまりとした居間が広がっていた。

 真ん中の炬燵の上では、猫状態のお燐が丸くなっており、こいしはいることはいるもののぼけーっと中空を見上げてなにを考えているか分からない。お空はいないけど、多分核融合炉の方だろう。

 んで、さとりさんは……

「こんにちは」
「あ、こんにちは」

 丁度、お茶を淹れてきたところのようだった。

「良也さんも飲みます?」
「頂きます」

 ぱたぱたと、台所に向かうさとりさんの背中が、どうにもこうにも愛らしい。
 ……いかん、どうにも僕の脳内がピンク色だ。いちいち、さとりさんのことが気になって仕方ないと言うか……他の知り合い連中に対して『可愛い』とか思うことは滅多にないというのに(たまにはある)。

「お兄さん、いらっしゃい」
「ああ、お燐。ほれ」

 リュックから煮干を出して放ると『あにゃー!』とお燐が飛びついた。
 うむ、と僕はその反応に満足して、炬燵に足を突っ込む。……こいしの足にぶつかった。

「こいし、もうちょいスペース空けて」
「えー?」

 呆けていた様に見えるこいしだけど、僕がお願いすると、嫌そうにしながらも少しだけ足をどかしてくれた。

「ふう。……まだまだ寒いな」
「そうだねー」

 社交辞令に、適当に返してくるこいし。

「にゃ」
「あ、お燐。お前また……」

 茶が来るのを待っていると、お燐が僕の足の上に乗ってくる。
 ……うう、動きにくくなるんだけどなあ。

「お待たせしました。……お燐。あまり良也さんに迷惑をかけないように」
「迷惑なんかじゃないですけど」

 戻ってきたさとりさんから、熱々の湯飲みを受け取る。

「……茶、零したら勘弁な」

 前、思い切り手を滑らせて、同じように膝に乗ってたお燐が思い切り熱湯を被ったのだ。流石火車というか、お燐はケロっとしていたんだけど、あれは申し訳なかった。

 そこからは、割と穏やかな時間が流れる。さとりさんとお喋りしたり、お燐と遊んだり、持ってきた本(魔導書)を読んだり。

 五分の一ほどしか残っていなかった本を読みきって、手持ち無沙汰になった僕は、そういえば、とこいしの方に顔を向ける。
 来た時からずっとほへー、と視線を泳がさせているこいしは、これで本当に楽しんだろうか? 無意識で行動するだけに、こういう意味のないことをしていることはよくあるが。

「こいし」
「ん? なに」

 ぼーっとしているようで、ちゃんと声は聞こえているらしかった。

「あのさ、博麗神社によく行っているんだって?」
「ん、そうよ。地上へは、たまに行っているの。あそこは、流れやすいところだし」

 流れやすい、との評価はいまいちわからんが、しかし、

「あんまりさとりさんに迷惑かけるなよ? 迎えに来させているみたいじゃないか」
「あ、なんで知ってるの? 良也が居る時には、お姉ちゃんは来ていなかったと思うけど」
「なんでって……霊夢から聞いた」

 そういうことか、とこいしは頷く。と、同時に嫌〜な笑顔を浮かべてきた。気のせいか、普段は閉じられている第三の瞳がぴくぴく動いているような。

「ああ、そうか、良也は知らないよね。貴方が来ていれば、お姉ちゃんは私を口実に、博麗神社に探しに行く必要はないもの」

 ――は? なん……か、予想外の方向から、攻められた?

 恐る恐るさとりさんを見てみると、虚を突かれたような表情。

「な、なにを言っているの? こいし」
「お姉ちゃんが、なんで地上に出た私を迎えに来るのか、ちょっと考えてみた」
「それは、あなたが地上に迷惑をかけないように……」

 さとりさんの言葉は尻すぼみだ。ふと、僕と目が合って、気まずそうに視線を逸らす。

 えっと、この反応は、どう解釈すればいいんだろう?
 単に、好意を持っている相手を気にしているだけなのか、もしかしてさとりさんも僕を……

 いかんいかん。ちょっと自分の都合のいいように考えすぎだ。

「こいし。さとりさんは、多分そういうことじゃなくて、純粋にお前を心配しているんだと僕は思うぞ」
「ふーん? そうなの、お姉ちゃん」
「そ、そうよ」

 さとりさんの肯定を受けて、こいしは『ふぅん』と頷いて、立ち上がる。

「お燐、遊びましょ」

 ひょい、と僕の膝の上で丸まって寝ていたお燐を連れて、外に出て行った。

「あ、お空とも遊んでくるから、しばらくは二人でゆっくりねー」

 そう告げてこいしは消える。
 後に残されたのは……僕とさとりさんだけ……なの、か? だ、誰かいるだろう! 好きな人と二人っきりなんて、そんな難度の高いクエストを僕にこなせと!?

「お茶、淹れて来ましょうか」
「い、いや。たまには僕が淹れます。こう見えても、霊夢に仕込まれたおかげで、けっこううまいんですよ」

 平然と、そう提案してきたさとりさんに、僕はそう答えた。
 と、とりあえず、お茶でも淹れて気を落ち着かせよう。そうしよう。僕だけ慌てているのもなんだし。

 うん。



















 台所で、薬缶に火をかけながら、居間で待っているさとりさんのことを思う。

 さとりさんは、僕の気持ちを心を読んで知っている……はずだ。こいしがそう言っていただけだから、本当かどうかは分からない。
 でも、前の『部屋を間違って夜這い扱いされちゃった』事件の後の反応を見るに、多分間違いないと思う。

 ……さとりさんが、まさか男に襲われかけただけで、あんな動揺するはずもないし。

 んでだ。

 さとりさんの方は、僕の心を読んだ直後……ほんの少し動揺はしていたのだが、翌週からは普通に戻っていた。
 長年生きていた妖怪だからか、とも思ったけど……

「やっぱり、僕のことなんとも思っていないんだよなあ」

 口に出してから、誰かに聞かれやしなかっただろうな、と周りを見渡す。
 幸いにも、妖精すらもいなかったので、誰かに聞かれたということはなかった。

 はあ……。

 要するに、そういうことなのである。どうでもいい人間――いや、友人にくらいは思ってくれていると思うが――が、自分に好意を向けていたとて、態度を変える必要はない。
 あの、読んだ直後の動揺は、今まで人間が自分を好きになるなんてなかったから、驚いただけだろう。

 改めて頭の中で確認すると、その予想があまりにありえそうで、自然とため息が漏れる。

「……はあ」

 面と向かって、告白しようかとも思った。だけど、半ばまで明らかになっている事実――全く脈がない――が、さとりさんの口から断言されるのが怖くて、二の足を踏んでしまっている。

 ……よくないよなあ。好きな人に好きとも言えない。どこの中学生だろう、僕は。

「はふぅん」

 でも、仕方ないのだ。だって、せめてオーケーの確率が五分五分ならまだしも、九割方振られるのだから。
 あ〜〜、もう。さとりさんだって、分かっているんだから、向こうから『貴方と付き合うことは考えられないわ』とかなんとか、すっぱり振ってくれりゃ諦めもつくのにっ!

 ……うん、我ながらサイテーに男らしくない。

「あの?」

 自己嫌悪。でもなあ、そりゃ人並みに初恋くらいあったけど、ここまで思い詰めることは今までなかったわけで。
 恋愛というと、まずもって二次元のゲームやら何やらがまず思い浮かぶ僕に、うまいことやれという方が無茶なのだ。

 うんうん、無茶無茶。だから、長年生きてて、そういうことにも明るいであろうさとりさんから……

「良也さん?」
「あひ!?」

 へ、変な声が出た! い、いつの間にさとりさんが後ろに!?

「お湯、沸騰してるみたいですけど」
「おわっ!?」

 薬缶からすんげぇ勢いで湯気が噴き出していた。慌てて火を消し、薬缶を退避させ……って、あっちぃ! 取っ手のところが熱くなってる!

「ぐあ……」

 なんとか落とさないように我慢して、とりあえずじっと十秒。……よし。

「さ、さとりさん、どうも。ちょっとぼーっとしていたみたいです」
「はあ、そうですか……」

 やれやれ……失敗だ。日本茶を淹れるのに熱湯は向かないらしいけど。
 ……まあいいか。熱いほうが好きだし。

「ん〜、よし」

 それでも、微妙に冷ましてから、おもむろに用意していた急須にお湯を注ぐ。
 あとはしばらく蒸らして完了だ。

「んじゃ、持って行きますよ。ああ、お茶菓子とかあります?」
「それは私が持って行きます」

 そっか。
 うむ、とりあえず急須と湯飲みを二つ盆に乗せて……

「ん〜♪」

 ちょっと慌てたけど、考えてみれば、さとりさんと二人でお茶だ。『姉ちゃん茶ぁしばきにいかへんか』というように、正しい男女交際の第一歩は二人でお茶だ。
 ……正しい? いや、気にしないことにしよう。

 気負う必要はない。さとりさんの様子はいつもどおりなんだから、僕もいつもどおり楽しもう。

「良也さん、落雁とか好きですか?」
「甘いのは、まあ大抵」

 それはよかった、とさとりさんが皿に乗せた落雁を持ってきてくれる。
 うん、美味しそうだ。

 しばらく、お茶を啜る音だけが響く。

「…………………………」
「…………………………」

 ……なんだろう。別にさとりさんは口数が多いほうじゃないし、二人きりなら沈黙も珍しくないんだけど……妙に、居心地が悪いというか。

 具体的には、さとりさんの第三の瞳が、じ〜〜〜、とこちらを凝視しているような?
 二つの目の方は、お茶の方に視線を落としているんだけど……き、気のせい、か?

「…………………………」
「…………………………」

 い、いや、気のせいじゃない。
 どうしよう。聞いてみた方が良いか?

『あの』

 ……わ〜お、期せずして、同時に声をかけてしまったよ。

「あ、なんですか?」
「良也さんこそ」

 …………え〜と。

「……さとりさんからどうぞ」
「いえ、良也さんから」
「僕のは別に、大したことじゃないですから」
「私のも別に大したことじゃ……」

 さとりさんは、途中で言葉を切って、首を振った。

「いえ、すみません。大したことです、多分」
「はあ……」

 大したこと? ……茶が不味い、とかじゃないのか。
 ふむ、そうすると、なんだろうな?

「えっと、一つお願いしたいことがあるんですよ」
「なんですか? さとりさんにはお世話になっていますから、大抵のことは任せてください」

 外の世界のお菓子を持ってくるのは勿論、こいしやお空の遊び相手。はたまた、博麗神社の賽銭を盗んで来いでも可だ。最後のは絶対失敗すると思うけど。というか、やったら命がないけど。

「いえ、その……もう一度、良也さんの心を、読ませて欲しいと思いまして」
「はっは、心をねえ」

 はい?

「え、えっと?」
「嫌でしたら構いません。ただの思いつき――すみません、これも嘘ですね。私にとっては重要なことですが、良也さんが嫌だと言うなら」
「あ、いや。はいっ、どうぞ」

 咄嗟に、自分の能力を解く。

 いきなり、居心地のいい部屋から、見知らぬ異国へと放り出されたような違和感。……一度死ぬ前は、これが普通だったつーのに、なんという箱入り男になったんだ、僕は。

 あまりにあっさりとしていたせいか、さとりさんは少し驚いた様子だったものの……じっと、第三の瞳で、僕を見つめた。

 うん、口に出して言うのが恥ずかしければ、心を読んでもらえばいいのだ。なんという、優しい解決法。
 僕の心の中の天使が『男らしくねーぞ』とか言っている気がするが、無視だ。

 しばらく……と、言っても十数秒ほどか。そのくらいしてから、さとりさんは『ふう』とため息をついた。

「もういいですよ」
「はあ」

 言葉と共に、自分の世界を纏う。そこで、少しほっとした。
 ……この能力、常時発動なんだけど、出していない方がストレスになりつつある。

「あの、さとりさん? 一体、どうして……」
「いえ、気にしないで下さい」

 そ、それは無理っぽいんですが。

「それより、こいしたちはしばらく帰ってこないそうですから、私の部屋に来ますか?」
「……えっ!?」

 し、しまった。凄く嬉しそうな声をあげてしまった。
 で、でもなんでいきなり!?

「あそこなら、お布団もありますし」
「ええっ!?」

 し、しまった。更に嬉しそうな声を上げてしまった。
 って、いうか、誘ってる? そうなの? ねえ? いや、待て。さとりさんのことだ。もしかしたら、こういうのに慣れてて、本当にただの暇潰しとか?
 な、なら望みはある……!?

 いかん、僕。慌てるな。これはきっと、孔明の罠……

「そういえば、お空のおかげで二十四時間お風呂に入れるようになっているんですよ。先に入ります?」
「は、はい〜」

 でも、喜んでその罠にかかってやる!
 ……その後に、なにか予想外の展開が待ち受けていても! っていうか、絶対なにかの間違いだけど!


















 ……ちなみに、予想通りの展開でした。
 流石妖怪で、年上。こういうのは、凄く慣れているんデスね。きっと、僕とのこともなんでもないんデスね。いや、個人的には嬉しいけど、それ以上に寂しかったというか。
 ――すみません、最中には、そんなことまったく気になりませんでした。
























 ――ちなみに、さとりさんがそれほど慣れていたわけでも、なんでもなかったわけでもない、と知ったのは、告白した後の話である。



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