外の世界のお菓子は美味くて危険



 巷で有名な外の世界のお菓子売り、土樹良也さん(人間)に突撃取材をした。
 彼は外の世界の人間だが、幻想郷の人間ですらほとんどが出来ない『外の世界と幻想郷を自由に行き来できる』という特殊能力を持っている。
 その能力を活かし、外の世界の飲食物を売り歩いているのだ。

『いや、ほら。こっちで生活するにもお金が必要だろう? 霊夢の賽銭箱にも入れてやらにゃいかんし……。たまたま持ってきたお菓子をみんなが美味しいっていうもんだから、こりゃ商売になるなぁってね』

 と、土樹さん。
 実際、幻想郷には存在しない数々のお菓子は、人里で好評を博している。人間のみならず一部の妖怪にも好評だそうで、珍しいもの好きの妖怪などはちょくちょく人里で開かれる土樹さんの露店に顔を覗かせるそうだ。

 私自身も『うまい棒』というお菓子を一つ頂き食べてみた。
 サクサクとした食感と、どこか西洋の香りを感じさせる味は、非常に美味であった。土樹さんの言うところによると、このお菓子は外の世界で十円(幻想郷の価値に換算すると、子供の駄賃でも十本は買える)で売っているものだそうで、まさに外の世界は食の太平楽といえよう。

 ただし、食べ過ぎは禁物だ。
 栄養が極端に偏るし、中には身体にあまりよくないものが入っているものもあるらしい。
 食物で、身体に悪いというとピンとこないとは思うが、他でもない当の土樹さんが言うのだから従っておいたほうがいいだろう。
 あと、歯磨きは忘れないように。里の守護者に頭突きをされたくなければ。
 土樹さんはゴミの回収も行っている。土樹さんの露店で購入したお菓子の包装は、捨てたりせずに土樹さんに渡そう。幻想郷で処分するのは難しいそうだ。

 土樹良也さんの露店は週二、三回不定期に開かれる。
 早くに品切れしてしまうので、確実に手に入れたい人は、直接土樹さんに予約すると喜んで応じてくれる。
 飲食物に限らず、リクエスト等も随時募集中ということなので、興味のある人は声をかけてみよう。



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