「フレイ」

「あ?」

毎日の日課である剣の鍛錬をしていると、どこからか俺を呼ぶ声がした。

「げ」

「げ、はないんじゃない?」

見ると、アクアリアスが、微笑みながらこっちにやって来る。

俺は、なんとなく剣を振るのを止めて、そいつを迎える。

「あれ? やめるの?」

「今は、次にルーファスの野郎にかます新技の訓練中なんだ。お前が、アイツに教えたりしないようにな」

悔しいことだが、俺は剣に関しては悲しいほどに凡才だ。何百年とやっているのに、その十分の一も生きていない天才のガキにノされるほど。俺にできるのは、たゆまぬ努力による実力差の穴埋めと、敵の情報収集、新技による不意打ちくらいなのだ。

「あ、ひどい」

くすくすと上品に笑うアクアリアスを直視できず、俺は目を逸らした。

昔っからこうだ。コイツのことは好きなんだが、どうしても照れが先行してしまう。……小学生か、俺は。

「でも、頑張るわね」

「そりゃそうだ。いつか、アイツに勝たないと気がすまないからな」

「そうじゃなくて、昔は剣なんて使ってなかったじゃない。あの時は聞けなかったけど、どうして剣を使うようになったのか、聞いてもいい?」

俺は顔を身体ごとそらした。

「教えてくれないの?」

「知るかっ」

あんな恥ずかしいこと、今更語れやしない。

そう、あの頃の、馬鹿で、ガキで、コイツのことが大嫌いだった俺の思ったことなんて。

 

焔の王―king of flame―

 

俺は、フレイ・サンブレスト。……つい最近まではただのフレイだった。つい先日、先代精霊王の糞ジジィどもが逝去して、火の精霊王の証たるサンブレストの名を冠することになってしまった。

……まぁ、それはいい。

糞めんどくせぇ管理職の仕事も、それ以上に舞い込んでくるでかい仕事の面白さを考えれば、我慢できる。

俺ら精霊王に回ってくる仕事ってのは、自然界のデカイ歪みとか、生態系を壊すほどの魔物の異常繁殖とか、魔精霊の駆逐とかだ。どれもこれも、存分に力が振るえる面白い仕事である。

特に魔物をぶっ殺すことは、俺にとって一番楽しい仕事だ。そして、奇しくも先代精霊王が封じた魔王が残した魔物どもが今の人間界には腐るほど存在し、この手の仕事は毎日のように舞い込んでくる。

魔物退治は、本来は適正な規模にまで数を減らすくらいでいいのだが、そんなのは面倒くさいので、まとめて焼くという手段を俺はよく取る。森とか、草原とか、荒れ野とか。俺の炎で燃やせない地形などなく、まとめて焼いちまえば後顧の憂いもない、というわけだ。

ただ、今日は……どうにも、勝手が違った。

「……てめぇ、なにしやがる」

俺が放った炎弾を、水膜で防いだやつを睨みつける。

「それは、こちらの台詞です。今のはなんですか。まさか、この辺り一体を焼け野原にする気ですか」

「そうだよ。いいじゃねぇか、後腐れなくて。魔物なんざ、俺ら精霊にとって害悪にしかならねぇ。俺らだけじゃなく、人間にとっても、その他の生物にとってもだ。いいことじゃねぇか」

「でも、明らかにやりすぎです。数を減らすだけで充分なのに……。それに、この森を焼いたら、再生するのにどれほどかかると思っているんですか」

「大事の前の小事だろ。森一つ焼け落ちるのと、魔物が繁殖しすぎて近隣の人間ども全部が殺されるの、どっちがいい? まぁ、俺は人間なんかが死んだって、どーだっていいが、精霊は人間の消極的味方、ってスタンスじゃなかったっけか」

付け加えると、このまま放っておくとこの森が食い尽くされるのも遠くないだろう。連中は、共食いを繰り返しながら膨れ上がり、やがてこの森から外に出て行く。

そんなことも分からないわけはなかろうに……。

「それは極論です。魔物の数さえ減らせば、そのようなことも起きず、並存することができます」

「だから、そもそもその魔物を生かしておく理由なんざねぇっつーのに」

「彼らも生きています。私たちにとっては敵対する存在でも、無益な殺生をする必要はありません」

「ああ、そーかよ」

議論するのも疲れて、俺はとっととそいつから目を逸らした。

「じゃあ、お前の好きにしろよ。お得意の、水で殺せばいいじゃねぇか」

「……ええ、そうします」

言うと、そいつは俺の炎を防いだ水膜をいくつもの小さな水球にして、眼下の森にうじゃうじゃと群がる魔物の群れに放った。

その水球は、魔物を一匹潰すと、すぐさまその形を鋭利な刃物に変え、周りの魔物を切り刻んでいく。全部で数十の水刃は、瞬く間に魔物の数を減らしていく。特筆すべきなのは、これだけ縦横無尽に走り回る刃が、森の木一本たりとも傷つけないことだ。こいつは、自分で言った事を忠実に守っている。

……変幻自在を旨とする、水精霊らしい戦闘法だ。俺の使う炎は、攻撃力はコイツより格段に上だが、こういう器用なことはできない。ただ、燃やし殺すだけだ。

「チッ」

なんで、コイツとペアを組ませたんだ。実力的にも、この程度の仕事、二人の精霊王が出張る必要など微塵もない。

この仕事を俺達二人に任せたガイアの野郎のニヤケ面を頭の中で数十回ぼこりながら、俺は悲痛な表情で魔物の殺戮を続ける女の横顔を盗み見る。

水色の髪、深い海の瞳。本来、癒しと生命を象徴する水の担い手にして、六柱の精霊王の一人。

その性格も、在り方も、能力も。……俺にとってこのアクアリアス・ウォーターハートという女は、不愉快な存在以外の何者でもなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁん? 知るか。お前とアクアリアスは対極の能力だからな。二人で組んでれば、色々応用範囲が広いんじゃないか、って思ったから組ませた。文句でもあんのか?」

帰って早々、抗議に来た俺を、ガイアは一蹴する。

その知能を買われ、発足してまだ間もない新精霊王のまとめ役をしている俺の幼馴染は、邪魔すんなとばかりに手を振った。

「……違うだろ。あんな仕事、お前の言う『応用範囲』なんて必要じゃなかった。テメェがろくでもないこと考えてることくらいわかるんだよ」

「およ。鈍感なフレイなら気付かないと思ったんだが」

あっけらかんと前言を翻すガイアだが、この程度で激昂していてはコイツとは付き合えない。

「舐めんな」

「あっそう。じゃあ、単刀直入に言うがな、お前らもっと仲良くしろ」

仲良くしろ、だぁ?

「っざけんな」

「ふざけてなんかいないよ。六人しかいない精霊界の最高権力者が不仲なままだと、色々面倒なんだよ。人間どもの国家じゃあるまいし。これから何百年って一緒にやっていくんだぞ? その辺わかってる?」

俺らには、基本的に寿命というものがない。死がないわけではないが、それは事故や他の神だか魔族だかに殺された場合に限る。

前任の精霊王の糞ジジィどもは、前の魔王を倒すために全員散った。そこで、新たに最も力を持った俺たちが、次の精霊王として即位したわけだ。ジジィどもは、千年以上一緒にやっていたらしい。

だが。

「俺は、あの女が嫌いだ」

「うん、知ってる。そして、それはお前が一方的に嫌っているだけだってこともな」

「…………………」

事実だ。だが、仕方がないだろう。どうしても、あの女のことは受け入れることができない。

「俺が折角飲み会やらなにやら設定してやったのに」

「あんなもんで仲良くなんかなるか」

「というより、お前が仲良くしようとしないだけでしょ。アクアリアスだけじゃなくて、他の連中とも」

酒は嫌いじゃないが、俺は一人で煽っていた。

俺は、人付き合いは苦手なタチだ。アクアリアスが特に顕著なだけで、俺は他の精霊王とも一歩引いて付き合っていた。

「とにかく、俺はそれを見過ごせない。次の仕事も、アクアリアスと一緒だ。拒否は許さん。……あ、次はこれね」

「……わかったよ。だがな、んなことしても無駄だぞ」

なんだかんだ言っても、どうせ言い包められる。なら、一緒にされてもあいつのことは無視していればいいのだ。

仕事内容の書かれた紙を受け取りながら、俺はそう考えていた。

「どーかな。俺は案外、すぐに解決するんじゃないかって思ってるんだが」

「そいつは、お前にしては見込み違いも甚だしいな」

ガイアは肩をすくめて、俺を見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あいつ、なに考えてやがる」

とりあえず、今回も人間界での仕事。場所だけ確認して、内容は後で確認すりゃいいや、と思ったのが運の尽き。

やってきたのは、あたり一面の焼け野原。ここも、昔は結構でかい森だった。

……以前、俺が仕事で焼き尽くした場所だ。

「随分と広い範囲が焼け落ちていますからね。元に戻すために、多少は力添えをしなければいけないということでしょう」

「そりゃ分かる。だけど、なんで俺に回すんだよ。お前か、ガイアの野郎の仕事だろ」

「自分のしたことの後始末くらい、自分でしろ、とガイアさんは仰ってましたけど」

野郎。

しかし、自然の復興なんぞに俺を回してもできることなどない。光、闇、水、地、風。どれも植物や動物にとっては必要不可欠なものだが、火だけは違う。こいつを好き好んで利用するものなど、人間か亜人、一部の魔物くらいなものだ。基本的に、火というものは破壊しかもたらさない。動物の殆どが、本能的に火を恐れるのを見れば、そいつは一目瞭然だ。

「とりあえず……水を」

アクアリアスが地面に手を付いて集中すると、付近一帯の地下水が染み出し、乾いた大地に潤いが戻ってくる。

「すげぇな」

自然と口に出ていた。

こういう器用なことは、俺には到底できない。

「いえ、これくらい」

「まあ、お前はそれが本職だからな」

「ええ。そうです。……それに、ガイアさんがいれば、下の方の土に丸ごと入れ替えることもできたんですけど」

俺の炎は並ではない。地表の土は、まるで岩石のように乾き、地中の微生物は死滅している。いわば、土が死んでいるのだ。水分が戻ったところで、そう簡単には元に戻らない。

……別に、やったことを後悔するわけではないが、コイツの仕事を増やしたのは、少し悪い事をしたかな、とは思う。

「で、どうするんだ? ガイア連れてくるか? それでも、ここが元に戻るには、何十年、何百年かかかるだろうな。植樹でもするか?」

「いえ、そこまでは。あとは自然の回復力に任せることにしましょう。あまり、私たちが過剰な干渉をするのは好ましくないですし」

「あっそ」

なら帰るか、と踵を返そうとして、一箇所、水が染み出し続けているところがある事に気付く。

「おい、それどうなんだ」

「ここの地下、割と良質の水がかなりの量あったんです。泉でもあれば、と思って」

「……………」

きっと、ここは旅人や……将来、森が元に戻った時、動物たちの喉を潤すんだろう。

「くそ」

「どうかしましたか?」

「なんでもねぇ。行く……」

(フレイ?)

突然、頭の中にガイアの声が割って入ってきた。テレパシーだ。

(あんだ?)

(アクアリアスも、聞いてくれ。そっから南、三十キロくらいの街に魔精霊が現れやがった。割と強力な奴だ。退治してきてくれ)

魔精霊、といえば、魔界における精霊のことだ。一応、俺らと種族は同じだが、その属性は真逆……いや、魔逆だ。神話における、天使と堕天使のような関係にある。

上位は、魔界に引っ込んでて、滅多に出てこない連中だが――時折、人間界に姿を現すこともある。だが、魔族とは違い、連中がするのは下位精霊どもを狂わせ、自然災害を引き起こすことだ。直接、その力を振るって人里を襲うなど、滅多にしない。

どうやら、その滅多が起こってしまったらしい。

だが、

(ハァ!? んなの、人間たちにやらせりゃいいだろーが。なに好き好んで、俺らが連中に姿を現さなきゃならん!)

本来なら、魔精霊の相手は俺達精霊王がすべきものだが、人里が襲われているとなれば話は別だ。人間には、ああいった連中に対抗できる奴も存在する。抵抗することすらできない自然が狂わされているのとは話が違う。自分でなんとかできるなら自分でなんとかしろ、が俺たちの基本方針だ。

大体、直接戦闘をするとなると、人間から姿を隠したままではほぼ不可能。人前に姿を現すというのがどれほどの苦痛であり、恥辱かはガイアとてよく知っているだろうに。

(そりゃそうなんだが……そいつ、割と強力なやつでな。早めに対処しておきたい。その街の規模じゃ、対抗できるような人材もいないだろうからな)

(……わかりました。行ってきます)

「おいっ!?」

頷いたアクアリアスに、思わず声をかける。

「いえ、私一人で充分です。フレイさんは、このまま先に帰還してください。すぐ戻りますから」

言いたい事を一人で言うと、アクアリアスは南へ飛んでいった。

(……で、お前はどうするんだ?)

ガイアの、微妙に面白そうな声が癪に障った。

 

 

 

 

 

 

 

 

着いてみると、既にアクアリアスと魔精霊の戦いは始まっていた。

『王』たるアクアリアスは、本来ならば、強力とは言え一魔精霊に後れを取ることなどない。しかし、見ると劣勢に立たされているように見える。

理由は、一目見るだけでわかった。

よりにもよって、あの馬鹿は、人間どもを庇いながら戦っていたのだ。あいつとて、人前にその姿を晒すのはよほどの苦痛だろうに、よくよくお人好しだ。

「くっ!」

薄く広がった水膜が、魔精霊が放つ炎から街の住民を守る。

しかし、薄くしただけあって、それだけで防ぎきるには力の消耗が激しいようだった。

「チッ!」

苛立って、俺は炎弾をぶっ放す。

同属故に、その威力を一瞬で看破したのか、魔精霊は間一髪で身を翻す。……殆どケダモノのような姿のくせに、頭は回るようだ。

「てめぇ、何してる。とっとと、アイツを倒さねぇか」

人間の前に姿を現す恥辱に震えながら、俺はアクアリアスに文句をつけた。人間を守る、などという余分な事をしなければ、とっくに決着は付いていたに違いないのに。

「おい、何とか言え……」

パンッ! という音が、やけに遠く聞こえた。

「……痛ぇ」

「なにをしているんですかっ!」

頬を張られた、と気が付いたのは、少ししてからだった。

怒りより、疑問が先立った。いつも穏やかなコイツが、何に怒ってるんだろう、と。

既に魔精霊のほうに目を向けているアクアリアスの横顔を見て、ふと思い立った。

「……あ」

俺の放った炎弾は、民家に着弾して類焼を引き起こしていた。

仕方がない。あれは、魔精霊がいたその向こうのことなどまったく気にせず、かなり力を込めて放ったのだから。

幸い、住民はすでに避難していたようだが、放っておけばあれは更に燃え広がるだろう。俺の火を消すのは難しい。下手を打てば、町の半分くらいは焦げ落ちる。

「どうしろ、ってんだ」

アクアリアスが守っていた人間が、俺のことを悪魔を見るような目で見る。

……仕方ねぇだろう。そういう力なんだから。

火は、力が大きくなればなるほど大雑把になる。器用に目標だけを燃やす、なんて真似は、俺はできない。というより、やろうとしたことがない。いつだって俺は、その大きな力に任せて、周りごと焼き尽くしてきたんだから。

「フレイさん!」

はっ、と我に返る。

見ると、アクアリアスが放つ水の矢が、魔精霊の動きを開けた空に誘導していた。

……敵が空中にいるとなれば、遠慮をする必要はない。

俺が放った特大の火炎は、周囲の大気ごと魔精霊を燃やし尽くした。

「……終わりましたね」

「ああ。さっさと帰るぞ。これ以上、ここに長居したら虫唾が走る」

今も、背中に当たる人の視線に身震いしているのだ。こんなところからは、とっとと逃げ帰りたい。

「あ、待ってください」

ピッ、とアクアリアスが、先ほど俺が燃やした民家を指差す。通常の火とは違う、力強い火が隣の民家に燃え移ろうとしていた。

「放ってはおけないでしょう?」

「……好きにしろ」

「はい」

アクアリアスが腕を一振りすると、途端に雨が降ってくる。俺が起こした火事だけではなく、あの魔精霊が引き起こしたらしい火事も、その雨が消してしまう。

それだけではない。

……元来、水は癒しの象徴でもある。雨には、癒しの力が込められ、それを浴びた全ての人間の傷を癒す

「じゃ、行きましょうか」

かなわねぇな。と思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、俺は割と熱心に修行をした。

アクアリアスの奴に、敵わないままだったら悔しいので、ピンポイントで焼いたり燃やしたりできるようにだ。

だが、そう簡単にはそれはできない。

人間たちのように、キッチリとした術式を用いず、感覚で力を振るう俺達には、元々使っていたやり方を変えるのはえらく難しい。例えるなら、耳を動かせるようにするのと同じくらい難しい。決して不可能ではないが、天性とか努力とかが必要不可欠だ。

元々の属性の応用範囲が広いアクアリアスや、あれで器用なガイアやシルフィあたりなら楽なのだろうが、俺は不器用で、自分のやり方を変えるのはけっこうかかかりそうだった。

ならどうすりゃいいか、と悩んでいた俺に天啓のように下ったのが、武器を使うという選択肢だった。

剣でも使えれば、例え魔物を退治する時も炎で周囲を燃やしたりする心配はない。極めるには時間はかかるだろうが……地力では、その辺の魔物なんぞ、相手にはならない。適当に振っているだけでもなんとかなった。

時間はかかるようになったが、魔物退治で変に周りに被害を及ぼすようなことはなくなった。そうすると心が軽くなる。自分で気付いていないだけで、周囲に大きな被害を及ぼすことに、罪悪感を覚えていたらしい。

……まったく、笑えないというか、間抜けな話だ。

その頃になって、俺はなんとなくアクアリアスや他の連中に感じていた隔意の原因を悟った。

きっと、嫉妬していたのだ。あるいは、憧れていたのだ。壊すしか能がない自分に対し、なにかを生かすことのできる連中が。

認識してしまうと、割とすんなり受け入れられた。それからは、他の連中ともそれなりにうまくやれるようになった。

ただ、問題が一つ。

「フレイー」

「あ、アクアリアス、か?」

「ガイアが、ちょっと仕事頼むからって」

最近は、精霊王同士、けっこう打ち解け始め、お互い割と気安く話すようになっていた。そのせいだかなんだか知らないが、こう、コイツと接すると、どうにも動悸が激しくなる。

「あ、ああ」

顔が赤くなっているのを自覚して、そっぽを向く。

待て、俺。嫌っていたのは憧れの裏返しで、その憧れが恋にってどこの三文小説(フィクション)だ、ありえねぇええええええーーーーーー!!

「?」

悶絶する俺をアクアリアスが不思議そうに見つめていた。