フィーに俺の作戦を説明すると阿呆ですかと句読点すら入れずに一蹴された。

「なんでだ。この俺の素晴らしい作戦を偉そうにも却下する理由が聞きたい」

「あのですね……」

 頭が痛いです、とジェスチャーで示しながら、フィーが指を立てた。

「あのでかいのに近づいて、三連射……」

「正確には裏に回って、だな。人間で言う膝の裏側狙って至近から三連発。多分、それで足は一本潰せるはずだ」

「あのですね。そろそろわたしも限界なんで、ゼータさんを守ることは殆ど出来ないんですよ?」

 言う割には、余裕っぽく見えるんだが。

 しかし、多分本当のことなんだろう。

 ちらり、と見たくもない後ろを見てみると、フィーがブロンテスを縛っている鎖は両手足それぞれ一本ずつ計四本。最初は二十本はあったはずなので、既に五分の一。表情だけはいつもの小憎らしいフィーのままだが、全身から気力が失せている感がある。

「さっきだって、近付く前に追い払われたじゃないですか。どうやって裏に回るんです?」

「うーん」

 迂回する、という案もあるにはあるが、ブロンテスの銃の射程外となると、かなりの大回りが必要だ。それでは間に合わないし、第一離れすぎたらフィーの僅かなフォローさえ期待できなくなってしまう。

「大体……あ」

 なにが、あ、だ、と突っ込む前に猛烈に嫌な予感が背筋を駆け抜ける。

 何事か、と確認する前に、俺はフィーを抱えて横っ飛び。

 一瞬前、俺達が立っていた辺りに、ブロンテスの右拳が突き刺さった。

「フィーーーーーーー! 解けるなら、解けるって言え!」

「わ、わたしのせいじゃなくて、いきなり出力上がったんですっ」

 こっちの気が緩むのを待っていたのか? ええい、小癪な。

 しかし、マズイ。流石に、アレだけの質量の前では、フィーの防御魔術も期待できない。

「フィー、一時撤退だ! オリヴィアさんが起きててくれる事を祈ろう!」

 アルの手腕では望み薄だし、起きたとしてもオリヴィアさんが本当にコレを止められるのかは未知数だ。しかし、ここでむざむざ潰されるのは御免被る。

 俺の足じゃあ逃げ切れないだろうが、フィーの飛行魔術ならなんとか……

「……めです」

「は?」

「駄目ですよ。ここで引いちゃあ」

「おまっ」

 二度目のブロンテスのパンチを、今度はフィーの作り出した土の盾が真正面から受け止めた。流石に、耐え切れないのか、盾にはすぐさま亀裂が入る。

 と、同時に、ブロンテスを縛っていた残り三本の鎖が砕け散った。

「ええいっ! 聞き分けのないこというな!」

「縛れっ!」

 致し方ない。とりあえず、距離を取らなくては、とフィーの手を取るが、フィーは頑として動こうとしない。再び、鎖を作り出してブロンテスを拘束しようとした。

 しかし、もう魔力が残っていないらしい。今度の鎖は、いかにもか弱く、今にも引き千切れてしまいそうだ。

「このっ、いい加減に……」

 多少強引にでも、連れて行くしかない。しかし、女とは思えない力で抵抗された。

「もう王都に帰っちゃうゼータさんにはわかりませんよっ。一人で勝手に逃げてくださいっ」

「んなっ!?」

「炎よぉ」

 フィーの右掌に真火の輝きが宿る。

 だが、無駄だ。それ単発では、到底ブロンテスを倒すことは出来ない。しかも、それを作ったお陰で、ブロンテスを辛うじて押し留めている鎖にピキピキと亀裂が入る。

「無駄な力使うな!」

「無駄じゃないです。少しでも、時間が稼げますっ」

 稼ぐ、と言っても一秒、二秒の単位。しかも、ここで攻撃しては、続くブロンテスの攻撃を防ぐ手立てがない。俺も、フィーもぺちゃんこになってしまう。

 フィーが力を溜めている間に、高速で考える。

 俺がなにを言おうと、フィーは頑として動かない。そりゃ、生まれ故郷が蹂躙されるのは辛いだろうが、命には変えられない……はずなのに、フィーはギリギリまで守ろうとしている。故郷にあまりいい思い出のない俺には考えられないことだ。

 ……や、とりあえずそれは置いといて。

 俺がなにが気に食わないって、俺がハーヴェスタが傷つくことをなんとも思っていないと思われていることだ。そんなん、俺だって嫌だっつーの。だけど、自分が死ぬのはもっと嫌だってだけで……

「くっそ」

 説得を放棄。大体、今から十秒に満たない間にフィーを説き伏せることが出来るほど俺は口は達者ではない。

 ここで、一人で逃げられたらどんだけ楽だろう、と思うが、どうもそれは体が言う事を聞いてくれない。ああ、もう、この小娘がいなけりゃ、とっとと尻尾巻いて逃げ出してるものをっ!

「フィー、さっきの作戦、一部変更! 俺が撃ったとこに向けて、そいつぶちかませ」

 フィーの真火砲とやらの威力が加われば、真正面からでも突破できる可能性はある。……やはり可能性高めるために、近付く必要はあるが。

「え? ゼータさん……」

「報酬として、あとで腹いっぱい飯を食わせろ」

 返事を聞く前に飛び出す。

 殆ど同時に、ブロンテスを縛っていた鎖がはじけ飛び、奴の四肢が自由を取り戻す。

「はっ! こいやデカブツ!」

 ここからは、一瞬の判断の迷いが致命傷になるデンジャラス・ゾーン。判断に迷わなくても、死ぬかもしれないけどなっ!

 まず一発目。ブロンテスが振り下ろした拳を直前まで引き付ける。

「っっっ!」

 回避が早すぎれば、軌道修正して襲い掛かってくる。早く飛び出したいのを堪え、拳がもう到達する、というところで右に飛んだ。

「っぶねぇなぁっ! コラッ!」

 誰に対しての悪態かは自分でも分からないが、勝手に口から飛び出てくる。気分はランナーズハイ。ちょっと違うが気にするなっ!

「ゼーーータさんっ!!」

「うるせぇ!」

 地面にめり込んだブロンテスの拳が、そのまま地上にいるアリ(注:俺)を払うように横になぎ払われる。俺は、必死に前に飛んで、ブロンテスの上腕部と地面の隙間に身体をもぐりこませた。

 うお、今後ろ髪ちりって言ったぞ。

 しかし、俺にとって幸運だったのは、ブロンテスが銃を使ってこないことだ。使えば、間違いなく俺を蜂の巣にできるだろうが、散々俺が銃口に弾をぶち込んでやったせいか、使ってこない。

 リスクの高い行動はしない。至極単純な学習機能だが、それが今は助かる。

「よぉし、このまま」

 ……あ、死んだ。

 目の前に迫っている、ブロンテスの爪先。

 蹴りかぁ、ははは。こりゃ、よけらんねぇ……

「ぶおっ!?」

 いきなり、横殴りの突風に吹き飛ばされた。自然ではありえない風に、俺は軽く五メートルは転がり、蹴りをギリギリのところで躱した。

「フィーーーー! お前かぁ!」

 どうやら、フィーの魔術らしい。もう少し優しい助け方はできなかったものか。

「ゼータさんっ! とっとと戻ってきなさいっ!」

「断るっ!」

 半泣きになりながら怒鳴りつけてくるフィーだが、言う事を聞くわけには行かない。第一、ここまで来て背中見せたら、その時点で俺は死亡確定だ。

 大体、もうその必要もない。

「いいから、ちゃんと狙えよっ!」

 ブロンテスが蹴り足を踏み出したお陰で、俺のすぐ傍に奴の汚い足がある。当初の予定と少し違ったが、今が絶好のチャンス。

 早撃ちはそんなに得意な方じゃないが、そんなことも言ってられない。俺は慎重に、しかし今までで最高の速さで構え、狙い、

「死ねェ!」

 ……この掛け声は癖というわけじゃないぞ? 俺はそんな物騒な人間じゃない。

 とにかく、三連射。

 狙い違わず、ブロンテスの左膝に着弾。

「フィーっ!」

「もうっ!」

 最後はフィーはいつもどおりの呆れたような声を出して、炎弾を撃ちだす。

 それは、微妙なカーブを描き、俺が弾を当てたところに正確に飛び込み、

「おお!?」

 一瞬、ブロンテスの動きが止まったかと思うと、その左足が崩れる。秘術による素材強化が切れたせいで、左足が自重に耐え切れなくなったのだ。

 それは、左足の秘術式を見事削り取れたと言う事。いくら人体に近いとは言え、所詮はゴーレム。足一本なくなったら、もうバランスなど取れるわけが……

「って、フィーー! そっから逃げろおおっっっ!」

「はえ?」

 当然、踏み出していた足がなくなったわけだから、前方に倒れる。で、そっちにいるのはフィーで、ブロンテスの身長なら余裕で届くわけで、

 ズズン、とでかいものが倒れる音が、遠くに聞こえた。

「フィーー!」

 まだ、ブロンテスの両手と右足は生きている、という事実を、俺は一瞬忘れた。

 慌ててフィーのいるところに駆けて、

「やぁ、死ぬかと思いました」

「……お前、もうちょい緊迫感を味わわせてくれ、俺に」

 いや、んな緊迫感は味わわないに越したことはないが、思わず俺はそんなことを言ってしまった。

 ちょい半泣きになっていることの照れ隠しでは断じてない。

「いや、割と間一髪でしたよ? ゼータさんが声かけてくれなきゃ、逃げ切れなかったかもしれません」

「そっか。……って、とっとと離れるぞ。ハーヴェスタまでもう行けやしないだろうが、まだブロンテスは生きてんだ。暴れられて、巻き込まれたらかなわん」

「でも、動きませんよ?」

 はて、そういえばそうだ。こいつが駄々っ子のように暴れていれば、俺はとっくに潰されていたと思うのだが、どうして動かないんだろうコイツ。

 と、思っていたら、キィィィィ、という耳が痛くなるような高音が響き、

「……コレって」

「お、おいおい、マジ、か?」

 ブロンテスが背中に背負った大魔砲に、エネルギーが溜まり始めている。砲身は、当然のようにハーヴェスタの方向へ。

「この人、ハーヴェスタになにか恨みでもあるんですかっ!?」

「知るかっ! 多分、拠点殲滅用だから、人の多いとこ攻撃するように出来てんだろ!」

 そんな大雑把な目標設定、普通なら考えられないが、普通じゃないんだから仕方ない。

「こりゃもう無理だ。逃げ……」

 フィーの手を引こうとしたら、またしてもフィーは動かなかった。

「フィー!?」

「止めて……止めてみせますっ」

「お前いい加減にしろ!」

 どう考えても無理。秘跡の壁と、地上までの岩盤を纏めてぶち抜き、それでは飽き足らず雲に大穴まで明けたあの大砲を防ぐ魔力がフィーに残っているとは到底思えない。

 砲を破壊するのも無理。出来たとしても、そんなことしたら砲に溜まっている魔力が破裂して、俺達は確実にお陀仏。

「離してください、ゼータさんっ! ハーヴェスタが壊れちゃいますっ」

「ええい、お前が死ぬよりマシだ!」

 射線上に入らなければ大丈夫だろう。こうなったら意地でも止めてやる、とばかりに俺はフィーを羽交い絞めにした。

「うう〜〜」

 本当に魔力が残っていないのか、フィーが抵抗する力は普通の少女のそれと変わらなかった。

「あら、熱いわね」

「……え?」

 なんか遠くからそんな幻聴が聞こえた気がする。

 それらしき方向――ハーヴェスタの方向だ――を見ると、空中に浮かぶ小さな黒い影。

 俺がそれを確認するとすぐに、ブロンテスが断末魔のような発射音を轟かせ、砲をぶっ放した。それは、まさに破滅の閃光。俺は、その光が森を蹂躙する様を呆然と見送り……

 町に到達する直前、それは光の盾に受け止められた。

「は、は?」

 引き攣った笑いがこぼれる。

 光の盾は、巨大な魔法陣……らしい。

魔術に明るくない俺では到底理解できないが、秘術文字に似た、しかし決定的に違う文字と図形とで作られた円形の魔法陣が、大魔砲の一撃を完璧に受け止めていた。

「お母さん?」

「……あ、やっぱりオリヴィアさんなんだ、あれ」

「はい。あんな理不尽なことが出来るのは、お母さんくらいです」

 娘に、しかも同じ魔術師にそんなこと言われるなんて、オリヴィアさんどういう人なんだ。

 結局、ブロンテスはその最後の一滴までもを魔砲の放出に使い、そしてそれは完全に防がれてしまった。

 後に残ったのは、ただ魔力を失ったガラクタと、しっちゃかめっちゃかにされた森。そして、ギリギリで破壊を免れたハーヴェスタの町。

「はあ……フィー、俺は今から死ぬ」

「は? ……え?」

 んで、体力と火事場の馬鹿力と人生における全幸運を使い果たした俺は、その場でぶっ倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……結局、あんた達は何者なんですか」

 俺は約束どおり、フィーの奢りで腹いっぱいの飯を食べつつ、オリヴィアさんに尋ねた。

「あらあら。女は秘密が多いものよ」

「ああ、そうですか」

「というのは冗談で、強いて言うなら、この町が好きなただの魔術師よ。大昔のご先祖様は野望もあったらしいけど」

 最高位階の魔術師(未亡人)は、可愛くない仕草でそんなことを言って、ごゆっくり、と席を離れた。

 風月亭は相変わらず繁盛している。何時までも俺に構っている暇などないのだろう。

「フィー、お代わりだ」

 そして、俺も客らしくオーダーする。

「……人が珍しく気前よく奢ってあげれば、本当に遠慮しないんですね」

「ただ飯ほど美味いものはない、ってのがうちの家訓なんだ」

 嘘だけど。

「ゼータさんの家系潰したほうがいいですよ」

「それは俺も思う」

「まぁ、お嫁の貰い手がない時点で、なくなっちゃうのは確定ですけど」

「それはもしかしても俺がモテないつってんだよな」

「ええ。貧乏人に、女の子は振り向きません」

 いつもの俺なら、ここで凹むところだが、今はフン、と笑ってコーヒーを啜る余裕まである。アチチ。

「なんですか、変な笑顔浮かべて」

「ふん。ウチのノルマさえクリアしちまえば、俺はあとは好きな秘跡で好きに稼げるんだ。見てろよ、今にこのハーヴェスタ近隣の秘跡のお宝、全部発掘してやるからなっ。そのためには、とりあえず腹ごしらえだ。フィー、お代わり」

「え?」

「なに驚いているんだ。それより、お代わりだよ。お・代・わ・り」

 かんかん、と開いた皿を叩く。

「いえ、それより、王都の実家に帰るんじゃないんですか」

「なんで俺があんな火薬臭い家に帰らんといかんのだ。それより、お代わりだ、お代わり」

「そう、なんですか」

「ああ。この辺には、ちょい足を伸ばせばいい秘跡もあるしな。それより、お代わり……」

「なぁ〜んだ」

「おい、フィー。お代わ……」

「ちょっと黙ってください」

 お盆で叩かれた。

 しかし、なぜかいつもより感触が柔らかい。ぽふ、とお盆を頭に乗せられた程度。

 釈然としないものを感じたが、皿を持って厨房に引っ込んだってことは、ちゃんとお代わりを持ってきてくれるんだろう。やれやれ。

「……ゼータさん」

「ん? おお、アル、ご苦労さん」

 フィーを見送ると、死にそうな顔をしたアルが帰ってきた。

「どうだ、首尾は」

「……ええ、幸いにも、直接目撃した人は多くはなかったですから、なんとか収まりそうではあります」

「そりゃあ、何より。お前もなんか食うか? 俺のはやれんが」

「結構です」

「ほーか」

 デカイ肉を口に入れて、返事をした。

 ちなみに、アルは現在、ブロンテスに関する風聞をもみ消しに動いている。悪戯に世間を混乱させるわけにはいかない、というのがアルの言い分だ。

「第一、    証拠となるブロンテスどころか、ブロンテスが暴れた痕跡すら全部なくなってしまったんですからね。あとはどうとでもなります」

「そらそうだ」

 ちなみに、気絶していた俺は直接見てはいないのだが、そこら辺を処理したのは全部オリヴィアさんらしい。ゴーレムは、ネジ一本残さず破壊した上で土に帰し、ブロンテスが暴れた痕については森を再生させて誤魔化したとのこと。さらにはハーヴェスタの秘跡の隠し区画については物騒なので潰した、とのこと。

 一体、いかなる魔力と魔術の腕があればそんなことが出来るのかは知らないが、とりあえず俺は一生オリヴィアさんには逆らわないことを誓った。

「ったく。あの人が最初から出張ってれば、俺らがあんなに苦労することはなかったんだ」

「まあまあ。しかし、オリヴィアさんがやったのは、あくまで後始末。あの時点までハーヴェスタが無事だったのは貴方とフェアリィさんの功績ですよ」

「そーだな。ついては、俺や俺の実家に対する報告は控えてもらえるとありがたい」

「流石にそれは無理です。今回のことは、王室に洗いざらい報告して、ゼータさんの実家が保有している情報はすべて提供してもらいます」

 ……さて、どうやってアルの口を封じようか。やはり寝込みを襲うのが妥当か。いやそれよりもこの優男の恥部を掴んで脅迫する方がいいか。

「と言いたい所ですが、命の恩人に恨まれるのもなんですので今回はやめておきます……ゼータさん?」

「なぁ、アル、お前の弱みってなんだ? やっぱり、その甘いフェイスとトークで、回った町の女全部食ってるとか、そーゆーのか?」

「ゼータさん。私、今すぐ早馬使って王都に手紙送りたくなってきました」

「冗談だ」

 コーヒーを飲み干す。

「フィー? お代わりまだかー」

「はいはい。今持ってきましたよ」

 どん、とテーブルの中央に料理が置かれる。はて、なんでこんな特盛りなんだ。

「今日はちょっと気分が良いのでサービスです」

「はぁ? いや、まあありがたいが」

「食べて、傷治して、早く秘跡言ってくださいね。ウチの借金、これだけになってますから」

 フィーが空中に書いた数字が絶望を告げる。

「……なぁ、俺、今回一生懸命頑張ったからチャラに」

「阿呆ですか」

「だよなぁ」

 どうやら、少なくとも借金を返すまではこの風月亭に留まることになりそうだった。

 さて、何ヶ月……年? かかることやら。

 ま、いいけどさ。

「フィー? 俺、まだしばらくはあの屋根裏の部屋使うんで、よろしくなー」

「はい。手のかかる客で面倒くさいですが、まあ仕方ありません。屋根に上るときは、ちゃんと部屋通してくださいね?」

「了解」

 さて、とりあえずは、元気な明日のために、目の前の料理を片付けるとしますか〜。