さざなみ寮。
 僕の友人、槙原耕介が管理人を務める女子用の寮であり、なんか知らんけどちょっと変わった(穏やかな表現)人物が集う海鳴屈指の不思議ゾーンである。

 ところで、寮というからには、毎年毎年そこそこ人の入れ替わりがある。
 男の耕介が管理人、ということで最初は警戒する子も結構いるのだが、

「……また、マスターキー全部ゲットしたのか、お前」
「ああ、うん。今年は、ちょっと早かったかな」

 入寮して、ニ週間。その短い間に、新入居者の信頼を勝ち得た耕介は、彼女たちの部屋のマスターキーを預けられるまでになっていた。

 さざなみ寮のリビングで、耕介と世間話をしていると、そんな話になり、僕は呆れつつも感心する。
 ……本当、なんなんだろう、この男。妙なフェロモンでも出しているんじゃなかろうな。

「まあ、おめっとさん」
「おう、サンキュ」

 昼間とあって、僕も耕介も飲んでいるのは紅茶だ。ちょっとだけ垂らしたブランデーの匂いが、なんとも芳しい……が、ブランデーはそのまま呑みたいな。

「しかし、耕介も大変だよなあ。寮の管理人って、殆ど年中無休なのに、退魔師も続けてるんだろ」
「いや、寮の仕事は慣れたし、たまに手伝ってくれる子もいるから大丈夫さ。退魔師も……まあ、俺は結構好きでやってるし」
「へえ」

 神咲さんが大学を卒業し、海鳴近辺のオカルト騒ぎは、耕介が担当することになったらしい。
 つっても、依頼なんて、せいぜい週に一件あればいい方だそうだが。

「それに、最近はオカルト関係は那美に任せてるからなあ。修行にもなるとかで」
「へ〜」

 神咲さんの妹であり、子供の頃から長期休みなんかでこっちに来ることがあった那美ちゃんは、僕も結構昔から知っている子だ。
 去年、晴れて高校生になった彼女は、このさざなみ寮に入寮している。

 神咲一灯流を修めている那美ちゃんは、耕介の代わりを務めている、という話だが、

「って、大丈夫なのか? 那美ちゃん。あの子、そんなに荒事、得意そうに見えないんだけど」

 うん、全然見えない。
 いつもぽや〜っとしてて、のんびりした感じの女の子だ。

 個人的には好ましいけれども、凛々しいという言葉が似合いすぎている神咲さんや、二メートルに届こうかという巨漢の耕介に比べると、頼りない印象は拭えない。

「いや、良也……? 勘違いしているみたいだけど、那美は別に、俺や薫みたいに、刀持って切った張ったしてるわけじゃないぞ?」
「え、そうなん?」
「ああ。霊の話を聞いて、成仏するように説得して……そういうのが、那美の得意技だ」

 ぅぉう、ちょっと感動した。
 そうだよなあ。普通、お経とか上げたりするのが、除霊の本道だ。なんだろ、こっちの世界に足を踏み入れてからこっち、除霊(物理)しかやらない連中ばかりだったから……

「それにいざって時は……」
「くぅん」

 耕介の台詞の途中で、なんか鳴き声が聞こえた。

 器用にドアを開けて入ってきたのは、見覚えのある狐。

「お、久遠。クッキーあるぞ、クッキー。食うかー?」
「くぅーーん!」

 お茶菓子を一個手に取ってひらひらさせると、久遠は猛ダッシュで僕の膝に飛び乗った。
 僕の手からクッキーをひったくり、熱心に頬張る様子に、ほっこりする。毛並みを撫でると、嬉しそうに尻尾を振る。

「……で、耕介。いざって時がなんだって?」
「いや、いざって時は、久遠がいるから大丈夫って言おうとしたんだ」

 那美ちゃんのペットである久遠。初めて会った頃から大きくなっていないこの狐は、実は妖狐なのだ。
 人型に変身することもでき、強力な雷を操ることができる。

「へえ〜。そうなのかー」

 まあ、僕的にはこのモフモフの方がよっぽど重要だけどな! 猫派なのに、狐派というマイナージャンルに転びそうになったくらい、この狐可愛いんだよ。
 いやはや、それにしても、最初会った時は撫でるどころかロクに視線も合わせられないほど警戒されていたのに、慣れたもんだ。

 まあ、会う事に餌付けしてきたのだから、なんとか苦労が報われたってところかな。

「……で、今日呼んだメインの用件は、その久遠について相談したいことがあったんだけど」

 と、耕介が言う。いつになく真剣な表情で、僕は戸惑った。
 久遠のこと……で、こんな真面目な話題となると、

「ええと、祟り狐だっけ」
「そう」

 話だけは聞いていた。
 久遠は元々、日本でも有数の大妖であり、
 神咲さんとこの一族が、決死で封印して、今はその能力と記憶の大部分が封印されているとかなんとか。

 ……流石に、上の空で聞いていい話じゃないか。

 名残惜しいが、久遠を撫でるのを止めて、耕介と真剣に向き合う。
 久遠も、空気を察したのか、ニ、三度僕と耕介を見比べて、リビングから去っていった。

「もうすぐ、久遠の封印が解ける。那美と久遠はもう随分仲が良いし、問題は起こらない……って信じたいけど」

 久遠のように封印されている妖怪は、その封印が解けると暴れまくる傾向があるらしい。

「俺や薫も、色々と準備はしているんだけど、昔の記録を見る限り結構厳しい。良也って、こっちじゃ失われた知識も持ってるし、なにか良い策がないかな、と思ってさ」
「あれ? 手伝ってくれって話じゃなくて?」

 途中まで、そんな気配がプンプンしてたんだけど。

「いや、いくらなんでも、命の危険があるようなことを頼めない」
「それはいいから」

 そりゃ痛いのはヤだけど。すっごい嫌だけど。
 こちとら死亡数はもう三桁に突入している身である。友達が命賭けてんのに、見て見ぬふりはちょっとアレだ。

「手伝うよ、うん」
「そりゃありがたいけど……。良也は空飛べるし。久遠は、空飛んでるって記録もあるから……」

 意外に飛べる退魔師ってのはあまりいないそうなのだ。

「まあ、なにが出来るってわけじゃないけど、壁とか囮くらいは出来るだろ。任せとけ」

 自信がないが、そう言う。

 そして、耕介から詳しい日程を聞いた。
 久遠の封印が解けるのは再来週の連休の最後くらい。

 連休初日に、神咲さんが。更に封印が解ける二日前に、別の神咲の流派の当主が二人来るとか。
 元々は、その三人と耕介。後は説得役の那美ちゃんの五人体制だったらしいが、参加させてもらうことになる。

 ……半端な実力の退魔師は、死人を増やすだけだから参加しないらしい。
 や、やっぱちょっと早まったかな? 話を聞くに、久遠の全盛期の力は、幻想郷最上位陣と比べても見劣りしない。雷を放って全国の神社仏閣を破壊しまくったとか、聞くだけで恐ろしい。

「で、参加してくれるのは嬉しいんだけど、それ以外になにかいい知恵ってないか」
「ち、知恵ねぇ?」

 う、うーむ、どうしたもんべや。

「そっちじゃどんなことやってんの?」
「神咲の方だと、対妖狐にご利益のある武器とか符とか準備してる。けど、正直焼け石に水かな。昔ほど効果の高いのが手に入らないらしくて。十六夜とか、御架月でぶった斬った方が早いみたいだ」
「ふーん……」

 ご利益、ねえ。
 こっちだと、信仰がかなり薄れているせいで、神様の力が大分落ちてるもんなぁ。

 ふぅむ、妖狐……藍さんは、確か九尾の狐だったよな。あの人に聞いてみれば……
 と、そこで僕はぽん、と手を叩いた。

「どうした?」
「いや、ちょっと思いついたことが。……うまくいくかどうかわからないけど」
「本当か!?」
「い、いや。あんまり期待し過ぎないでくれ。とりあえず、封印が解ける前に、一度打ち合わせよう」
「わかった」

 さてはて……うまいこと、説得できるだろうか。

































 んで、時間が過ぎるのは早いもので、もう久遠の封印が解けるという連休に入った。
 連休の最後くらいまでは大丈夫、とのことだったので、今日は打ち合わせだけだ。

 神咲さんがはるばる鹿児島からやって来たというので、挨拶と打ち合わせのため僕はさざなみ寮に向けて飛んでいた。

 はあ〜、しかし、上手くいってよかった。あの人の説得には手間取るかと思っていたが、嬉々として協力してくれたし。

 後は、幻想郷から持ちだした草薙の剣レプリカと、作り溜めたスペルカードが三十枚。
 ……話に聞く久遠の実力からするに、こっちは気休めにしかならないが、ないよりはマシだ。
 いっそのこと、森近さんに拝み倒してモノホンの草薙の剣――もとい、霧雨の剣も持ちだそうかと考えたが、こっちは力を引き出せるのが畏き辺りだけなので止めておいた。

「ふう……って、んん?」

 さざなみ寮に向かう途中、左手に見える神社の辺りで、ものすごい妖力が膨れ上がる。
 はて……確かあそこは、昔は神咲さん、今は那美ちゃんがバイトをしているはずの神社。そしてこの物騒な気配は……

 目を凝らして、じーっと見つめていると、なんとかピントが合って微かに様子が見え、

「く、久遠――か!?」

 僕は慌てて進路をその神社に変えて全速力で飛んだ。
 ちら、と見えた金髪に巫女服らしき白。僕の知ってる久遠の人形態より大分等身が高いその姿は、明らかに不吉なものを感じさせた。
 ていうか、この嵐のような物騒な霊力は、どう考えても尋常の出来事ではない。

 封印が解ける日に誤差は殆どないって話だったが……嘘じゃん!

 幸いにも、距離はそんなに離れていない。ここまで来ると人目もあるから目撃されるかもしれないが、四の五の言っていられる状況じゃない。

 んで、だんだんと様子が見えてきて、

「なんだありゃぁ!?」

 訳のわからん状況が見えた。

 ええと、まずはバリバリと雷をその身から放って、なにやら苦しそうにしている久遠。
 そして、久遠に向けて必死で言葉を紡いでいる那美ちゃん。
 既に久遠の攻撃を受けたのか、御架月を構えてはいるが、ふらふらな神咲さん。

 ……ここまでは、まあ分かるんだが。
 なんで恭也が?

 ってぇ、危ない!
 久遠が振り回した爪が、那美ちゃんを薙ぎ払う直前、恭也が彼女を抱えて後ろに飛んだ。

 い、一瞬遅れてたら、ずんばらりと行ってたな、あれ……

 その後も、那美ちゃんの訴えは続くが、久遠は苦しげにするだけ。
 久遠がもう一度手を振り上げ、ってところで僕到着!

「久遠! こっちだ!」

 弾幕を撃って、こっちに注意を惹きつける。
 ……うわ〜い、半ば予想していたけど、当たってもぜんっぜん効いてないでやんの。

 でも、一応注目を集めるのには成功したのか、久遠がこっちを見る。

「良也さん!?」
「恭也! 那美ちゃんを……」
「……ァァァァァア!」

 全部言う前に、久遠の咆哮に遮られた。
 僕の方へ一直線に放たれた雷。ギリギリで身を捻って躱した……と思いきや、すぐに来た二本目に僕は貫かれた。

「んがっ!?」

 激しい痛みが全身を駆け巡り、落ち――そうになるが、我慢!
 このまま落ちたら、気絶する。間違いない。その前に、痺れる手を無理矢理動かして、懐にしまってある『それ』を取り出した。

「く、久遠――!」

 お前、僕はともかく、僕の知り合いをナメんなよ!

 取り出したのは、葉っぱの束。
 もちろん、ただの葉っぱではない。命蓮寺は、二ッ岩マミゾウさんの妖力がこれでもかと詰まった一品だ。

 佐渡ヶ島から狐という狐を全て叩き出したという二ツ岩大明神、マミゾウさんの力は、対妖狐に特攻となる。
 マミゾウさん自身も狐は個人的に大嫌いだそうで、妖狐退治をするかもと持ちかけたら『よし、儂が全面的に協力してやろう!』とノリノリでこの葉っぱの束を渡してくれた。

 僕が痺れる手でその葉っぱ投げると、勝手に久遠の方に向かい、

「キャイン!?」

 久遠に張り付いて、なんかその力を抑え込んだ。
 マミゾウさん本人がいるわけでもないので、数分も持てば上等だろうが、これで時間が稼げる。

 どべちゃ、と地面とキスし、僕はだんだんと意識が薄れていく。
 ……いや、普通人間は、数十メートルの位置から落下したら耐えられません。減速も殆ど出来んかったし。

 無くしそうになる意識で、那美ちゃんと久遠の声が聞こえた。

「なみ……とも、だち……」
「久遠!」

 ……んで、その辺で、僕の意識は完全に沈んだ。
 最後に聞こえた声に、多分大丈夫だろ、なんて楽観的な思いを抱いて。



























 結論から言おう。なんか、なんとかなったらしい。

 いや、うん。僕の知らないところで終わっちゃったから実感はないのだが、那美ちゃんの必死の説得により、『祟り』とか言う、久遠の衝動? 的なものが遊離して、それを斬って万々歳。
 ……らしい。

「ガジガジ」

 僕だけでなく、耕介や神咲さん、それにそもそも海鳴に来てすらいなかった当主二人の出る幕もなく、那美ちゃんと久遠の二人だけで全てが解決した。
 まあ当初予想された中で、最も良い結末だ。そこに文句はない、文句は全くないのだが、

「なあ、久遠。なんで僕、齧られてんだ?」

 そう。
 正気に戻った久遠は、なぜか僕を噛んでる。本気噛みではないが、甘噛みでもない。ちょっと痛い。

 さざなみ寮で開かれた『久遠&那美、祟り退治おめでとうパーティー』の席で、僕は腑に落ちず、久遠に聞いてみる。

 そうすると、久遠はポン、と光に包まれて人型になり、

「いた……かった」
「あー」

 喋れるようになったとは言え、まだたどたどしい言葉で僕を非難した。

 ……マミゾウさんのあの葉っぱ、よほど効いたらしい。
 封印開放直後、久遠自体に迷いがあった、対狐特攻のマミゾウさんの力、とこれだけ条件が揃っていたんだから仕方なかろう。

「わかったわかった。ほれ、このささ身のハーブ焼きやるから」

 僕の皿に乗ってた耕介作のつまみを差し出して、懐柔を図る。
 果たして、目を輝かせた久遠はささ身を口に入れ、ご満悦の様子。

「♪」
「おー、よしよし」

 よし、これで完全に誤魔化せた。所詮は獣よ、クックック。

「ああ、もう。久遠ったら。ごめんなさい、良也さん」

 今回のもう一人の主役である那美ちゃんが、そんな久遠を見て申し訳なさそうにする。

「いやいや、別にいいよ。それより、お疲れさん、那美ちゃん」
「そう言っていただけると……。あ、それと、今回はありがとうございました」

 丁寧にペコリと頭を下げてくる那美ちゃんに、僕は手を振る。

「いや、むしろ何のお役にも立てずに申し訳ないとしか」
「いえ。良也さんがああしてくれたから、久遠とちゃんと話せたんですから」
「それはどうだろう」

 別に僕がいなくても、久遠は多少暴れはしても那美ちゃんを傷つけたりはしなかったと思う。そう考えると、逆に久遠を刺激しただけ、余計なことをしたのかもしれん。

「まあ、それはいいとして。那美ちゃん、一つ聞きたいんだけど」

 これはしっかり確認しておかないと。

「はい?」
「……いや、なんで恭也といたわけ?」

 そう、気になっていたのだ。
 久遠とのことは、那美ちゃんにとってはとても大事なことのはずだ。いくら剣術の達人とは言え、オカルトに縁のない恭也がなぜ一緒にいたのか?

 その恭也は、今は真雪さんと――最近とみに真雪さんに似てきたリスティに絡まれまくっている。美少年で、生真面目な性格だから、あの二人も楽しいんだろう。

「ええと、高町先輩とは、久遠となのはちゃんが仲良くなった縁で、この春から仲良くさせてもらって。今回は、たまたま神社に来ている時に巻き込んでしまって……」
「……昔会ったことあるの、覚えてる?」
「あ、はい。最初は思い出せませんでしたけど」

 じ、と観察してみるが、別に普通だ。惚れた腫れたの関係では無さそう。
 よかった。忍に加えて那美ちゃんまでたらし込んでいたら、どげんかせんといかんところだった。

 具体的には、三十路超えても彼女いない歴イコール年齢な僕の嫉妬の一撃を加える必要があった。カウンターで沈められそうだけど。

「成る程ねえ」

 うんうんと頷いていると、真雪さんとリスティが『那美ー!』と呼ぶ声。
 あんまろくな事では無さそうだが、『あ、失礼します』とお辞儀して、那美ちゃんは二人のオッサン風女子の方に向かう。

 ささみを食べ終わった久遠も、それに付いていった。

 ……まあ、よかったよかった。

「よっ、良也。おつかれ」
「お疲れ様です」

 と、入れ替わりでやってきたのは耕介と神咲さんだった。

「耕介」
「ほれ、グラス空いてるじゃないか」

 耕介の酌を受けて乾杯する。昔はあまり酒も呑めなかった神咲さんも、今では立派に飲酒していた。

「今回は、ありがとうな。俺もすぐ気付いて急いだんだけど、間に合わなくて」
「いやー、たまたまだ。たまたま」

 うん、確かに我ながら絶妙なタイミングではあったけれど。

「うちからもお礼を」

 て、照れるなあ。いや、ホント、マミゾウさんのアレを投げつけただけで、後はなんもしてないんだけど。

 まあ、こっちの退魔師としてはプロの二人だ。その二人が礼を言ってくれているんだから、役には立てたんだろう。
 あまり固辞するのもなんなので、『どういたしまして』と返しておいた。

 その後、しばらく酒を酌み交わしていると、神咲さんがふと顔を上げて聞いてきた。

「そういえば良也さん。あの時投げつけた葉っぱは一体? 久遠にかなり効いていたようですが」
「あ、それは俺も気になる。あれが良也の言ってた『思いついたこと』か?」

 あー、どうしたもんかね。言ってもいいのかな?
 ……まあ、いっか。

「うん、まあ。あれは佐渡の二ツ岩大明神のご利益がある葉っぱ」
「団三郎狸ですか?」
「そう、それ」
「確かに狐退治の逸話はありますけど……正直、それ以上の神格の寺社はいくらでもあるんじゃ」

 あー、そうかも。マミゾウさんは、元妖怪とあってあんまり神としての側面は強くない。佐渡ヶ島の外ではあんまり信仰されてないマイナーな神様だ。
 ただまあ、本人に直接もらったもんだからなあ。

「ちょっと個人的に知り合いで、狐退治するって相談したらくれたんだよ。神格は低くても、本人から直接だから」
「へえ……って、え!?」

 うむ、しかし、神咲さんの鹿児島土産の焼酎は美味いな。ビールからこっちに切り替えよう。

 では、久遠と那美ちゃんの未来に乾杯、っと。












 追伸。
 次の日、大人組は全員二日酔いで過ごすことになったとか。



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