「うぅ。頭が、頭が割れる。」
ちょっとヤバそうな頭痛が来た。体の節々が痛み、ダルさも感じる。あの魔術、もう少し調整が必要か。
「霊夢ー来たぞ、お茶くれ。少し休む。」
「あら良也さん。用意するのはいいけど素敵なお賽銭箱はそこよ?早く入れてね。」
…この巫女、具合悪そうな人間に賽銭せびるとは、入れたってことにしてお茶だけもらうか。
「何回も調整したけどダメか。ん?待てよ。あの時魔方陣のどっかに触ったような?」
ダメだ。頭痛がぶり返してきて考えられない。霊夢のお茶がくるまで待つか。
足音が聞こえ、霊夢が盆にお茶を乗せてこっちに来た。
「良也さん。お茶持って来たわよ。あと境内の掃除お願いす……」
言葉を途中で切って霊夢はこっちを見た。
「な、何だよ霊夢?急にこっち見て、なんか付いてる?」
なんだろう。僕を見ているというよりは僕の後ろを見ているような?
「ねぇ良也さん、今日ここにどうやって来たの?」
「ああ言ってなかったっけか。聞いてくれよ。パチュリーの力を借りずに魔術で
こっちまで?跳んで?来たんだ☆すごいだろ。スキマにも許可は得られたから出来た
んだ。」
何も知らない目の前の巫女にどうやって来たかを教えてやった。良くはわかっていな
そうだったがこれで良しとする。
「それより、良也さんの後ろにいるのはお知り合い?随分変な格好ね。」
霊夢が僕の後ろを指さしながら言った。
「え?いや、この魔術は一人用で僕専用のはずだけど…ってんじゃこりゃ?」
驚くのも無理は無かった。なぜなら僕の数メートル後ろには

全身赤タイツで背中に刀二本差している、さらにそれ?は地面に向かって犬神家していた。(ここ重要。テストに出る。)」
地面に刺さったままのそれは僕たちに向かって言った。
「ああちょっと?誰か居るの?これ抜いてー、息が、息ができない。お助け?」
…なんだろう。助けてと言っている割には大丈夫そうに見える。さっきから
腰が踊っている。それが近寄りがたい空間を形成している。
「なぁ霊夢、あれ見なかったことにしていいか?」
「…そうね、そのとうりだわ。見なかったことにしましょ。」
そう言い合い、僕たちは母屋の中に入っていった。
…結局地面からそいつを引き抜くことになるのだが、僕たちが決心したのは
一時間後、この話の次、4話の話の序盤に続くのである。…なんちって。



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