しんしんと雪が降り続く真冬…
この寒さの中、僕は博麗神社の縁側で霊夢とお茶を啜っていた…

「ホント、快適ね」

「まあ便利な能力ではあるけどね…」

僕の能力は『自分だけの世界に引きこもる程度』の能力だ。
そして、今発動させているのは自分の『世界』内の気温を操作するエアコン能力。
正直、この能力のおかげで僕の部屋の夏と冬の電気代は非常に助かっている。
最近では、時間遅延や空間歪曲など能力のレパートリーも増えつつある。

「…しかし、相変わらず自衛と逃走に長けた能力だなぁ…」

『世界』の中でなら、空間歪曲を利用して物体の異相をずらし、転移させる事が出来るようになった。
わかりやすく言うと、鈴仙の技の上位互換。
自分・相手・弾。とりあえず『世界』の範囲内なら何でも瞬間移動・転移出来る。

「…攻撃に転用すれば良いじゃない」

「ああ、前に弾幕撃って余裕綽々の魔理沙と僕の位置を入れ換えたら普通に勝てたしね」

あの時の魔理沙の悔しそうな顔は忘れられない。
自分の弾幕でやられたのはそれほど屈辱なのだろう。
あれから一月は口を聞いてくれなかったが…

「強いじゃない…良也さんの能力」

「けどさ、相手が肉弾戦系(美鈴、妖夢)とか、問答無用で食べようとする奴ら(ルーミア、その怪)とかだったりしたら、避ける事は出来ても倒せないだろ?」

「…そうね。良也さんは気弾もスペルカードも弱いし、いまひとつ決定打に欠けるわね」

…はっきり言うなぁ………

「倒される事は無いけど時間の無駄だしね。だから逃げる」

「…何だかその方が良也さんらしいわ」

「なんだよそれ…」

こうして、いつも通りに霊夢と過ごす時間は過ぎて行く…

…余談だが、この転移能力のせいで幻想郷縁起の僕の項に、不名誉な一文が追加された。

『幻想郷最速の逃げ足』と…


あとがき
前作は酷い。酷すぎる。
不眠のテンションも手伝って、矛盾だらけの話になっていた…反省。

さて、今作のコンセプトは『力を手に入れた弱者』ですかね。
まあ何が言いたいかといいますと、『良也は結局、強くなっても良也のまま』って事です。

※能力に関しては適当の付け焼き刃ですので気にしないで下さい。

ケータイ小説(笑)
これからも精進していきます




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