「麻帆良大学工学部?」
「ああ」
「お二人はこちらの研究室を借りて研究をしております」

 エヴァ邸に一泊した次の日、僕が連れてこられた場所。
 さすが天下の麻帆良学園、こんなビルみたいな施設があるなんて。


 コンコン


「ハカセ、失礼します」
「入るぞ」
「おじゃまします」
 エヴァに次いでドアをくぐると、そこにはいかにも研究室って感じの部屋だった。

「はにゃ?」

 おでこのひろい三つ編みの女の子が白衣を着て何かしらの作業をしている。

「ん、皆さんいらっしゃいませー」
「葉加瀬、こいつが昨日言ったいた良也だ」
 
 そういって僕を指差すエヴァ。

「ほう、この人が。初めまして葉加瀬 聡美ですよー」
「えーと、土樹良也です。よろしく葉加瀬ちゃん」
 そういって、差し出された手を握り返しながら挨拶をかわしす。 

「ところで、たしかもう一人居るんじゃなかってけ?」
「超なら今ちょっと外に出てまして、たぶんもう少しすれば帰って来ると思いますよー」


























「ふ〜」
 研究室前の廊下で、一人息をつく。

 因みに追い出されたのではないぞ、葉加瀬ちゃんが茶々丸の検査をしたいと言って服を脱がせようとしたので
 あわてて外に出たのだ、ロボットとわかっていても女の子を男の居る前で脱がせるのはどうかと思うが。

 まあ、そう言いつつ部屋の様子が気になって仕方がないんだが。

「男のサガだな」
「それはどうかネ」
「へ?」
 ふいに、僕の独り言に返す声がして振り返ると………チャイナさんがいた。

「ニーツァオ」
「に……ニーハオ」
「肉まん一ついかがか」
「あ、どうも」
 すこし気おされながらも肉まんを受け取る。コンビニで買うのより大きな、そう思いながら一口頬張る。
 あむ……もぐもぐ……む!

「うまい!」
「それはよかたヨ」

 コンビニの肉まんもうまいが、これは別格だな。中の具もジューシーで包む皮もほっこりとしている。

「もう一個いい?」
「どぞどぞいっぱい食べてネ」
 そういって彼女は蒸籠を差し出してきた。












「ふぃー」
 食べた食べた、結局五つも食べてしまった。

「いい食べぷりだたよ」
「いやいや、この肉まんがうまいからだよ」
「謝謝。そういてもらえると作たかいあたネ」
「手作りなんだ」
「そうよ、私料理研究会所属してるネ」
「へ〜」
 女の子の手作りか……思わず口元が緩んでしまう。

「顔がニヤケてるヨ」
 はっ……いかんいかん、何をやってるんだ僕は。初対面の女の子の前で。

「くす」

 わ…笑われた、キモイ奴って思われた。
 
 ガチャ

「良也さん、検査終りまし………どうかなさったのですか?」
「……なんでもないよ」
 部屋から出てきた茶々丸がうなだれている僕に声をかける。


「茶々丸いらしゃいネ」
「はい。超、こちらにいらしたんですか」
「ん、超?」
 僕はチャイナさんに目を向ける。

「あいや、そういえば自己紹介がまだだたネ」
 そういって僕に体を向き直し、手を差し出してくる。

「超 鈴音ネ“初めまして、土樹良也さん”」

「あ、はい…はじめまして」
 そういって僕らは握手を交わした。











「さて、二人そろったところで早速本題に入るぞ」

 ついにきた!?…これで僕も念願のメイドロボが!

「こいつの能力の科学的検証についてだ」
 そうそう、僕の能力について……って。

 え!?

「おい!」
「なんだ、うるさいぞ」
「僕の能力の検証ってなんだよ!」
「言葉どうりの意味だ、お前の能力を科学的に解明する」
「だから、何でそんなこと!?」
 
「いいか、私は一刻も早くこの呪いを解きたい。だがお前の力では完全に解くことはできない。確かに能力封印ならば解除されるが
いかんせん範囲が狭すぎる。だが魔術的に検証しようにも解析系の魔法は弾かれる。こうなれば現代科学に頼るしかあるまい」

 いやいや、だからって……

 って!

「いつの間に、僕を解析しようとした!」
「ケケケ、オ前ガ昨日酔ッ払ッテ寝テルトキイロイロトナ」
「はっ! 朝起きたら妙に体がだるくて痛かったのは」
「ケケケ、ソレニシテモオ前ホントニ死ナネーンダナ。バラバラニシテヤッタノニ直クッツキヤガッタ」
「おいぃーーー!!」
 何してくれてんじゃ、このスプラッタ人形は!!

「まあ、お前が本当に不死だという事が分かっただけでも昨日の検証は無意味ではなかったと言うことだ」
 
「もし死んでたらどうするきだ!!」
「そのときはそのときだ」
 
 この吸血鬼は〜〜〜〜
 
「大丈夫ですよ、土樹さん」
 憤ってる僕に、葉加瀬ちゃんが声を掛けてくる

「なにが……大丈夫なの?」
「この世のもはすべて科学で証明できる! いや、証明できなければならない。その魔法とは違う未知の力も科学で解き明かされるのが
 この世の真理なのです!!」
 
 葉加瀬ちゃんが握り拳を作りながら、力説してくる。

「とにかく、そういうわけですから」
「……どういうわけだよ」
「超、よろしくー」
「はいはい、わかたヨ。ぽちっとな」

  ……ウィーーーーーン

 超ちゃんがボタンを押すと奥の部屋から何かが出てくる。

「……おい」
「どうかしましたか?」
「なんだ…あれは?」
「なにって、私と超が昨日徹夜で作った、あなたを検査するための装置ですよ」
 うれしそうに説明してくる葉加瀬ちゃん
「検査だと……」
「そうヨ、何か問題あるカ」

 そう言ってくる超ちゃんに対して、僕は文句を言う。

「問題あるわ!! なんだあの改造人間でも作るような危なげな装置は!!」
「それは、失礼ヨ」
「そうですよ、これは検査装置であって人体改造機能は付いてません」

 文句を言う二人をしり目に僕はきっぱりと拒否。


「ともかく僕は絶対にいやだ!!」
 そういって一目散にドアへと向かう。


「往生際の悪い奴。茶々丸」
「はい」
 エヴァの呼びかけとともに僕の前に立ちはだかる茶々丸

「申し訳ありません、良也さん」
 そう言いいながら茶々丸は構えをとる。

 茶々丸が強いことはもう分かってる……なら。

 霊力による身体強化を施し、さらに領域内の時間加速を使う。スロー再生になった茶々丸の拳を紙一重で回避し、背後へと回りこむ
 そして膝の間接部を蹴る……要するに、膝かっくんだ。

「!!」

 体制を崩した茶々丸をしり目に全力ダッシュする。



「そうは行かないヨ」
 その言葉に振り返ると、超ちゃんが空中から襲い掛かってくる。

「っ!!」
 それを横っ飛びに回避したが、体制を整えるまもなく追撃がくる。
 その蹴りをなんとか回避し、距離をとり体制を整える。

「ほー、けっこうやるネ」
 そんなセリフを事もなしに言ってくる超ちゃん。

「中国拳法か?」
「そうネ」
 僕の問いに答える超ちゃん。……いくらチャイナ服きてるからってそんな。

「つーか、科学者がそんなもん覚えるな。科学者は普通インドア派だろうが!」


「そんなことないヨ、それにこれはある人から無理やり教わたヨ、もとも教わて一週間で追い抜いたどねネ」

 だれだ、そんないらん事してくれた奴は!! ……って、一週間で追い抜かれるって不憫すぎるだろそいつ!?。

「超」
 そうこうしている内に茶々丸も復活して来る。

「茶々丸は下がてるヨ、ここは私がやるネ」
「ですが……」
 ちらりとエヴァを見やる茶々丸。
「かまわん、好きにさせろ」

「判りました、お任せします」
 そう言って茶々丸は、スッと下がっていく。



「さて良也さん、私に勝たら逃がしてあげるネ」
「えらく自信満々だな……」

 でも強い……少し攻撃を受けただけだけどなんとなく分かる。
 美鈴ほどじゃないにせよ妹よりは確実に強い。
 妹に負け越してる僕じゃ話にならない。


「……来ないならこちからいくヨ」
 そういって構えてくる超ちゃん。

 ……あれを使うか、美鈴すら驚かせた攻撃だ。初見なら当てられるはず!!











「ごふっ!?」
















 だめでした………


 
「勝負ありだな」
「ケケケ、ナッテネーナ」
 傍観していたエヴァファミリーが口々言ってくる。

「ほいじゃ、茶々丸、土樹さんを検査台に乗せて」
「わかりました」
「……ごほ……やめ」
 だめだ、腹に力が入らない。

「大丈夫ですよ、土樹さん。科学の力を信じてください」

 徐々に回復してきた僕は必死に抵抗を試みるが、茶々丸にガッシリと押さえられて身動きが取れない。
 そして僕はそのまま検査台に磔にされる。

「では、いって見ましょうか」
「了解ネ」
 そういって超ちゃんがボタンを押すと

 キュウィィィィィィィィィ―――

 頭頂部についているドリルが回り始める。
 なにが科学を信じろじゃ、このままだと科学不信に陥るぞ。

「やめ…やめろ……ショッ○ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーー!!」

 そこで、僕の意識は途切れた。



























 意識が覚醒する………目が覚めてくる。
 あたりを見渡すと、そこがなれ親しんだ自分の部屋だときずいた。

 ……えっと。

「夢オチ……いやいや、そんなまさか」

 ピンポーン

 何が起きたのか考えをめぐらせていると、玄関の呼び鈴がなる。

「誰だ。っつかこのタイミングで」


 不安を抱きつつ玄関へ移動して外を覗くと、ドアの前には見慣れたネコマークの宅配屋さんが立っていた。
 よかったー……ほっと一息。安心してドアを開ける。 
 
「はーい」

「宅配便です。土樹良也さんのお宅でお間違いありませんか」

「はい、そうです」
 ドワ越しではきずかなかったが声からして女性のようだ、顔は帽子でよく分からんが、黒髪を後ろで束ねた
 褐色肌の人だ、外国の人かな?

「お荷物届いてますので、こちらにサインいただけますか」
「わかりました」

 カキカキ

「はい、ありがとうございます。お荷物はこちらになります」

 サインを書き終え、荷物を受け取るが。

 え、なにこれ……

「それでは、失礼します」
「はい……ありがとうございました」








 
 



「なにこれ……」
 受け取った荷物をしげしげ見つめるが、どお見てもスーツケースだ、しかも人が一人位入りそうな。
 
「差出人は、書いてないな。開けてみるしかないか」

 恐る恐る、ケースに手を掛け。

 ガチャ…… 鍵を外すと。

 ゴロン 

「え?」

 ケースの中から、見た目小学生くらいの女の子が転がり出てきた。

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 









 あとがき
 しばらくぶりの更新です。
 つたない文章ですが、読んでいただいてありがとうございました。
 もうすこししたら本編の方に入りたいと考えています。
 
 
 
  









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