メガネとノッポが早苗の見舞を終え、病院からJPI本部へ向かう途中。


「ん?」

この間云々組の毒ガス事件が発生したコンビニだ。

コンビニ前には数人の防護服姿の作業員達がいた。

日本放射能研究班の奴らだ。

事件の時は、放射能関係なくても気になればやってくる。

「今朝のニュースのあれだな。」

「ああ。」

このコンビニに撒かれた有毒ガスは厄介物で、完全に除去するのが難しい事が分かったため、コンビニはチェルノブイリ原子力発電所のように石棺化される事になったのだ。


JPI本部


「君たちに、知らせたい事が2件ある。」


JPI本部の一室で、警部が言った。

ザワザワ...

警官たちは騒然となった。メガネとノッポも。

「一つは、先日の云々組撲滅作戦の際、肝心の組長はビルからは発見されなかった事が分かった。」

「もう一つは、云々組撲滅作戦の際、行方不明となっていた警察の保有するとある機械なんだが、先日云々組のビルから見つかった。」

「ある機械?」

ノッポが尋ねた。



「ああ、信じられないだろうが、実はこれ.....テレポート装置なんだ。」


「ええええええええぇぇぇ!」


部屋全体が騒然となった。

「これは、数週間前、行方不明になっていた所、云々組撲滅作戦の際に発見された。まだ試作段階で、確率は低いが、他人を不意に転送してしまうエラーを起こす事もある。」


(はっ...!)

その話を聞いてノッポはある仮説が脳裏に浮かんだ。

(早苗ちゃんがこの世界に来たのは、この機械の影響なんじゃ...!?)


「警部!」

「ん?」

「お話があります!お時間をいただけないでしょうか?」

「別に構わんが...」







「...という訳なんです。」

「なるほど、つまりそのお嬢さんはこの機械の誤作動で転送されてしまったと...」

「はい...」

「だとすれば、市民を巻き込んでしまったという事か...一刻も早く彼女を故郷に帰してやらねば。」






病院




「よぉ、調子はどうだい?」

メガネが早苗に聞いた。

「ええ、すっかり元通りです!」

「良かった...あっ そう言えば、君がこの世界に転送された理由が分かったんだ!」

ノッポが慌てて言った。






「...なるほど、私はその機械の誤動作でこの世界に来てしまったという訳ですね...」

「あぁ。」

「その機械があれば、その幻想郷に帰れるぜ!良かったな、早苗ちゃん!」

「はい!」

「そうだ、今日退院できるし、良かったら、準備が整うまでうちに泊まらないか?」

「はい!喜んで。」





ノッポ宅


「うへぇ、〜ノッポと早苗ちゃんが一つ屋根の下で〜...」

「うちで悪酔いするのやめてくれよ...」

メガネはノッポ宅で家飲みしてすっかり出来上がっていた。













「早苗ちゃんはもう寝ちゃったか...」


「そういや、今日警部が云々組の組長が居なかったって話してたな。」

ノッポが思い出すように言った。

「そうだっけ。ま、もし組長が生きてたとしても一人じゃ何もできないさ。」

メガネは楽観的だった。

その時、丁度インターネット上で云々組のホームページが組長によって更新されたのを知らずに。


続く



戻る?