東方紅鏡曲(こうきょうきょく)


               -第3章- 鏡の少女、図書館へゆく











「う〜ん私の能力か〜確かに昨日紫が言ってたように案外使い道って色々あるのね〜。」

部屋の中をふわふわと漂いながらそんなことをつぶやく。
咲夜さんに私が使う部屋へと案内された後から、色々と私なりに能力について考えてみた。
そして考えた結果、鏡で自分を持ち上げれば空を飛ぶことができることに気がついたのだ。
ふふふ、私が空を飛べるってわかったらレミリア達どんな顔するかしら?きっと驚くわね〜。

「失礼します。お紅茶が入ったのでお持ちいたしました。ってあら?」

ちょうどいいところに咲夜さんがきた。さぁどんな顔して驚くかしら〜わくわく

「鏡子様も空を飛べたんですね?外の世界からきたばかりだと聞いていましたからてっきり
まだ飛べないものだと思ってましたわ。」

・・・・・・あら?

「えっと・・・私もってもしかして咲夜さんも空飛べたりするの・・・・?」
「えぇもちろんですわ。幻想卿では空を飛ぶことはある程度力のあるもののステータスですから。」

そんな〜せっかく見返せると思ってたのに〜。

私がガッカリしているのに気づいたのか咲夜さんは

「まぁ鏡子様、空を飛ぶことができるなんて凄いですわ。びっくりです。」
「・・・・・・咲夜さん、お気遣いだけ受け取っておきます(泣」
「あら?そうですか?」

この人真面目にやってるのかわざとなのかどっちなんだろう・・・・・

「あっそうでしたわ。こちらお紅茶になります。」
「ありがとうございます・・・・・」
「そう拗ねないでくださいな(汗)お詫びといってはなんですがかわりにいいことを教えて差し上げます
から。能力についてお悩みでしたら図書館の方に行ってみてはいかがでしょうか?そこに住んでいる
うちの知識人にも手助けしてもらえるように頼んでおきますので。」
「図書館?そんなとこあるの?」
「えぇ、ではご案内しますわ。」

図書館か〜幻想卿の図書館ってどんななんだろう?ちょっと楽しみかも。







「ここですわ。ではここの主に話をしてまいりますので少々お待ちを。」
「あっはい。」

う〜ん結構外観は普通かな?とりあえず咲夜さんを待ってよっと。

「お待たせしました。一応話はつけておきましたので大丈夫だと思います。それでは私はお嬢様の
お世話がありますのでこれで。」
「あっはい、ありがとうございます。」

私がお辞儀すると咲夜さんはパッと消えてしまった。
よし、とりあえず中に入ろうかな。

中に入るとまさかの広さ、そしてその広さが埋まってしまうくらい大量の本棚と本が私を出迎えた。

「えぇ〜!?明らかに外観より広いじゃない、っていうか本多すぎだし。」
「咲夜の能力で広くしてもらっているのよ。あなたね?咲夜が言っていた新しい同居人は。」
「あっはい、私は紅野鏡子。あなたは?」
「私はパチュリー・ノーレッジよ。ヴワル魔法図書館へようこそ鏡子。なるほど、確かに聞いたとおり
面白い力を持っているみたいね。」
「わかるの?」
「あなたがどれだけの力を持っているのかくらいなら一目見ればすぐにわかるわよ。」

ほぇ〜なんか凄いプロって感じだな〜。

「全く・・・・最近こんなことばかりさせられてる気がするわね。私は静かに本を読んでいたいのに。」
「こんなことばかりって他にも誰かに何か教えているの?」
「えぇ弟子が一人いるわ。そういえば彼も外の世界から来てるわね。ここにいればそのうち会えるん
じゃないかしら?」
「えっ私以外にも外から来てる人がいるの?それはそのうち会ってみるしかないわね。」
「そんなことはまぁいいのよ。それよりあなたは確か自分の能力がわからなくて悩んでいるのよね?」
「えっ?あっそういえばそうだったわ。確かにまだ全然わからないのよね〜・・・・・」
「まずは自分の能力について知ることが大切ね。あなたの能力は鏡を操る能力らしいけどどんなことが
できるのかもう試してみたりしたのかしら?」
「一応鏡に乗って空を飛んだりできるわ。」
「・・・・・それって鏡として使ってないじゃない。」
「ハッ!!」

そういわれてみればその通りね。

「はぁ・・・・・まぁいいわ。小悪魔?ちょっとこの子の研究を手伝ってあげなさい。」
「はいっわかりました、パチュリー様。」

奥から頭と背中にコウモリ羽をつけた女の子が飛んできた。

「あなたの場合本を読んで知識を得るのは苦手そうだからね。この子とちょっと戦ってみなさい。」
「えっ!?いやまぁ確かに私は本とか読むのは苦手だけどいきなり戦えっていうのは・・・・」
「大丈夫よ。ちょっとくらい当たっても死にはしないから。」

いや死にはしなくてもなるべくなら痛いのは勘弁して欲しいのだけども(汗

「さぁ、始めなさい。」
「はぁ・・・・・」

というわけで幻想卿に入って初の弾幕勝負をすることになったのでした。

「えっと〜お手柔らかにお願いします・・・・」
「あっこちらこそよろしくお願いします。」

小悪魔ちゃんがペコリとお辞儀する。

「ではいきますよ〜」
「にゃっ!?」

そういうと小悪魔ちゃんがさっそく弾幕を放つ・・・・・・ってこの量は冗談でしょ?

「ちょっちょっとタンマ〜」
「あら?そんなのダメに決まってるでしょう?ほら、あなたも能力を使わないと研究にならないわよ。」

そっそういえばこれって一応研究だったっけ?仕方ない、もうこうなったらやけくそよ。

「えぃっ」

とりあえず鏡を出してみる。
・・・・・・・・考えてみたらどうやって攻撃すればいいんだろう?
痛っイタタッ!!小さい弾幕が地味に痛い〜。

「ちょっ攻撃ってどうすればいいの〜!?」
「そんなことくらい自分で考えなさいよ。鏡の破片を飛ばしたりとかしてみればいいんじゃない?」

あっそうか、確かに鏡の破片とかってよく切れるよね。そうとわかれば鏡を刃物状にしてっと。

「いっけ〜」

とりあえず飛ばしてみたが簡単に避けられてしまった。
っと次の瞬間油断した私に小悪魔ちゃんの大玉の弾幕がクリーンヒット。
簡単に落とされちゃいました。

「・・・・・・まぁ初めてだしさすがに小悪魔相手はきつすぎたかしらね。紫が送ってきたって
聞いたからってちょっと期待しすぎたみたいね。」
「うぅ〜・・・・・・・」
「あっその・・・・大丈夫でしょうか?」

小悪魔ちゃんが心配して近づいてくる。

「なっなんとか〜」

あぅ〜悔しいよ〜、初めてとはいえもう少しくらい善戦できると思ってたのに〜

「まぁあなたの能力は攻撃にはあまり向いてないかも知れないわね。防御的な使い方を考えて
みたらどうかしら?」

防御的か〜そういえばレミリアの槍をはじきかえせたりとかしてたっけ?
あっそうだ!いいこと思いついたかも。






私がそんなことを考えているといきなり凄い音がして、ほうきに乗ったあからさまに魔女ってくらい
魔女の格好をした黒い女の子が飛び込んできた。

「おぅパチュリー、邪魔するのぜ。」
「できれば邪魔はしないでもらいたいわね魔理沙・・・・・」

あら?パチュリーの知り合いみたいね。魔理沙とかいうみたい。

「じゃあ邪魔しないようにこれとこれとこの本、百年後まで借りてくぜ〜。」
「あっちょっと待ちなさい!?」

げっ泥棒だったの!?凄いスピードで本を取るとこれまた凄いスピードで逃げていく。

「あぁ〜またうちの本が盗まれていく〜(泣」

痛い思いしただけだけど一応研究を手伝ってくれた恩もあることだし放っておくわけにはいかないわね。

「パチュリー、確かスペルカードって紙に名前を書くだけでもいいのよね?」
「えっ?まぁ確かに霊力をためておく必要がないのならばそれでも構わないけれど。」
「わかったわ。そこの泥棒、ちょっと待ちなさ〜い!!」

『罪罰「因果応報の檻」』

私はそう言うと即興で作ったスペルカードを出して、魔理沙とかいう子の周りを鏡で囲み檻を作った。

「なっなんだぜ?これは〜!?」
「これぞ私の初スペカ、鏡の檻よ!」
「よくやったわ鏡子。魔理沙、今日という今日はもう逃げられないわね♪」

パチュリーが嬉しそうに魔理沙を閉じ込めた檻に近づいていく。

「くっこんなもので私を閉じ込めようとは甘いんだぜ!!」
「あっそうそう、その檻だけど攻撃しない方が身のためよ〜?」
「そんな手に乗るか、こんな檻吹き飛ばしてやるんだぜ〜!!」

『恋符「マスタースパーク」!!』

檻で閉じ込めてるから中の様子がよくわからないけどなんか中で凄い音が。
・・・・・あっ音が止まった。

「・・・・・あなたの檻よく壊れなかったわね。魔理沙のマスタースパーク、幻想卿でもかなりの
破壊力のはずなのだけれど・・・・・。」

パチュリーが心配そうに檻を見てつぶやく。

「大丈夫よ、紫が言うに私の鏡は物理的なものから目に見えないものまで何でも反射するらしいし、
多分魔理沙って人が撃った攻撃も全部自分自身に返ってるわよ。」
「なるほど、でもそれって私の本は無事なのかしら・・・・?」
「あっ・・・・・。」

私が鏡に消えるよう念じると鏡が消える。すると中から何か落ちてきた。
・・・・・・炭?なんか黒こげなものが、ってあれ?魔理沙とかいう子は?

「うぅ・・・・・なっ何が起こったの・・・・ぜ・・・・ガクッ」

あっあの炭みたいなものが魔理沙だったみたい。まさかここまで黒こげになるとは・・・・・・
ちょっとやりすぎたかしら?まぁ私が攻撃したわけじゃないけど。

「・・・・・私の本・・・・・。」

あっあはは、見事に本は消し炭になっちゃったみたいね(汗

「そういえばあなた、さっきのスペルカードどうやって作ったのかしら?」
「えっ?そこに置いてあった本、特に何も書かれていなかったから少しちぎって使わせてもらった
んだけど?」
「なっ!?その本は魔力に反応して文字が浮かび上がる希少な魔法書なのよ!?」
「げっ・・・・・・。えっえっと〜ごめんなさ〜い!!」







この後、私と魔理沙って人はパチュリーによってこってりとしぼられたのでした。

うぅ〜せっかくスペルカードは成功したのに〜(泣






                      つづく






あとがき


どうも、ミラです。

今回鏡子は初めてスペルカードを使ってみるわけですが、実際一番ダメージを負ったのはパチュリー
ですね(汗

それでは鏡子が今回使ったスペカについての説明を



スペル名:罪罰「因果応報の檻」

効果:相手の四方八方全てを取り囲み、動けなくした上で相手の攻撃を檻の中で乱反射させる。

   なお防御に重点を置いているため自分から攻撃はせず、相手が何も動かなかった場合は
   
   ただの檻になってしまうので空間移動系の技を持つ(紫のスキマ移動など)相手にはほとんど

   効果がない。




要は初見殺しの技というわけですね(笑

それではまた次章でお会いいたしましょうm(_ _)mペコリ













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