東方奇縁譚と講談社刊ライバル掲載「ほんとにあった! 霊媒先生」のクロスです。
 絵は脳内で補完して下さい。台詞にも縛られない感じで。「っ!」とかは書き文字のドキーンとかに
置き換えちゃったりとか。「」を()に脳内補正してしまうとか。
 霊媒先生読んでなかったら面白くないかもしれない。
 それでもという方、どうぞー。

 ↓この先、三千里

















0 人脈豊富

○○中学校――――
この中学校の校長は、オカルトマニアで有名である。
ちなみに、教員の人手不足だったりもする。そんなわけで――――

校長「教頭先生、今学期から新しい英語教師が来ますから」
教頭「はあ」

校長「……」
教頭「……」

教頭「……またキバヤシ先生のようなオカルト先生じゃないでしょうね」
校長「ッ!!」




1 ホームルームだけの日とかあったよね by作者

土樹良也(下見中)「ここが僕の正式な赴任先かぁ」

土樹「実習生時代には英文学部とは名ばかりのオカルト部の顧問なんてやってたけど、
ここではもっと真っ当な――――」
校内から「「ギャー!!」」

校内から「先生の出した亡者火がカーテンに燃え移ったー!」
校内から「消せ消せー! バケツに水汲んでこーい!」
校内から「任せろ! こい、雪女――――」
校内から「今度は行き過ぎて凍りつくからだめですー!」
土樹「……」

土樹(……僕、明日からやっていけるかなぁ……)
冥界に来たばかりのとき以上の心細さを味わったと云う――――




2 授業初日

土樹「えーと、というわけで、今期から英語を担当することになった土樹です。よろしくお願いします」
生徒「せんせー、趣味とか特技とかって何ですかー?」
土樹「特技っ? ……うーん」

斉藤「(木林先生みたいに除霊と降霊だったりして)」
高橋「(ははっ、二度も三度もはねーって)」

斉藤「(だよなー)」
二人「(はははははっ)」

土樹(……僕は魔法使いなのだって言うのはだめだよなー……昨日あんなだったけど)




3 授業初日その2

 ゴロゴロッ ダダダダダッ
斉藤「ん?」

 どっごーん
斉藤「なんか燃えてるおっさんがきたー!」

木林「おーいっ、お前ら逃げろー! 輪入道がバナナで滑って暴走したー!」
生徒たち&土樹「「えええええええっ!?」」

土樹「――――水符『アクアウンディネ』ー!!」
生徒たち「「こっちもなんか出したー!!?」」




4 授業初日その3

 じゅわぁぁ
生徒たち「「火が消えた!」」

 ドガッ
土樹「あ」
生徒「でも止まんなかったー!」
斉藤「つーか土樹先生が撥ねられて窓から落ちたー!」

斉藤「先生、大丈夫ですか――――」
土樹(浮遊中)「――――あっ」

斉藤「――――飛んでるー!?」
結論:初日から散々でした。




5 授業初日その4

あらためて――――
土樹(なんかうなだれている)「……えー、改めまして、今期からの英語担当の土樹です」

土樹「特技は、……魔法です」
生徒たち「「おおー」」

斉藤「霊能先生の次は魔法先生かよ」
?「うむ――――しかしあの術は結構なものだった」

木林「お互いにうかうかしてはいられんな、斉藤」
斉藤「何でお互いなんですか。つーか英語の時間になんで木林先生がいるんすか」
斉藤――――一般人のはずなのに何故か木林呪理にライバル視される中学生。




6 ああ忌まわしきは名付け親

英語の授業中――――
木林(斉藤の回想)『土樹先生は常に己の周囲に結界を発生させている。
その所為でとても憑かれにくい体質になっているのだ』
斉藤「とか言ってたけど、マジかよー」

斉藤「きつねの窓でその結界って見えるのかな……うお、なんか見える」

斉藤「……」

授業終了後。
斉藤「先生……その……昔、外出したくなかった頃ってあった?」
土樹「ん? どうしたんだ斉藤、藪から棒に」
土樹良也――――自分の世界に“引きこもる”程度の能力の持ち主。




7 蓬莱先生と唯物論者

長良「土樹先生――――」
土樹「あ、(確か)長良先生」

長良「聞きましたよ、新任早々あの木林先生と一緒になって迷信じみた奇行を繰り広げているとか」
土樹(違うって言いたいんだけどなぁ、反論できないなぁ……)

土樹「……面目ありません」
長良「全く、教師たるものがみょうちくりんなものを生徒に吹き込んで」
長良のポケット「キュー」

土樹「……今長良先生のポケットの中から木林先生のクダギツネが」
長良(片方のポケット内に両手を突っ込みながら)「なっ、何のことでしょうか……っ?」




8 6の前日譚。

モブ生徒「せんせー、土樹先生は魔法使いって言ってたけど、憑かれやすいとは思いますかー?」
木林「うん? ……いや、土樹先生はそうそう憑かれないだろうな」

モブ生徒「えー、なんだかぱっとしない顔なのにー?」
木林「顔は関係ない。……あの人は常に己の周りに結界を張っている。あれだけのことをこなしているのだ、
相当な位階の術者なのだろう」

モブ生徒「へー、すごいんですねー」
木林「ああ、凄いんだ」

木林「……きっと五月病とも無縁なのだろうな」
モブ生徒(だから先生のあれは五月病じゃない!!)
『ほんとにあった! 霊媒先生』第一巻第三話参照。






あとがき

 ……とりあえずはここまで。
 あとがきということで、書くきっかけになったことなどを少し。
 自分は以前、霊媒先生を薦める旨の拍手を送ったことがあります。
 それで、どんなものになるだろうと自分で思い描いているうちに、キーボードを打っていた、
というのがきっかけです。
 とりあえずクロス先の霊媒先生が4コマなので、こちらも4コマ風に区切ってみましたが、
どうでしたか?
 それではこの辺で。
 次回はきっとありません。


ちなみに。
 作中で斉藤が言っていたように、最初に書いたときは題名を「魔法先生と霊媒先生」にしようと思ってました。
 ……マギステル・マギとかぶるのでやめた。

ついでに。
 温度調整中の良也をきつねの窓から覗いたならば、エアコンが見えるに違いないとか言ってみる。




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