暇だ、暇すぎる。 どれぐらい暇かと言うと暇で忙しくなるぐらい暇だ。 ここでの生活は面白くない。 朝起きて、メシ食って、訓練して、メシ食って、寝て、メシ食って、寝る。 毎日これの繰り返し。飽きる。 あーあ、なんか面白いことねぇかなー 「レイセン、なんか面白いことないか?」 ヤツキは同じ部屋の向かいのベッドににいるであろうレイセンに話しかける。が 「あら?いないのか」 ベッドには誰もいなかった。 レイセンが自由時間に居ないなんて珍しい。 なんて考えてたら部屋の外が騒がしくなってきた。 暇だし、様子を見てみることにした。 そばにいた兵士を捕まえて話を聞いてみると、なんでも綿月のペットが逃げ出したとか。特徴はたれみみに紫の髪、って 「おもいっきしレイセンじゃん」 あいつなんで逃げ出したりしたんだろう。確かに逃げ出す兎は少なくないがレイセンが逃げ出すとは考えづらい。暇だからか?いやいやあいつは暇だから逃げたりするやつじゃないし ・・・まぁいいか。そんなことよりレイセン探すか。面白そうだし レイセンが逃げ出してから三日がたった。ヤツキはまだ自分の部屋にいた。 あのあとすぐに綿月の妹の方に見つかってしまい、レイセンを探すことができなかった。 どうしようか。とりあえずレイセンが逃げ出した理由でも考えてみるか。暇だし。 ・・・ ・・・ ・・・なんだろうか はっきりいって見当もつかねー。あ、そういや兎どもが「地上の奴らが月に攻めてくる」とかいってたな まさかアイツ地上の奴らが怖くて逃げたのか?さすがにそれは無いn・・・・あるかも。でも月から逃げるとしたら地上だよな。でも地上の奴らが怖いから地上に逃げるっておかしくね? あーでもこーでもそーこーでもないと考えてるうちにひとつの結論に至った。 「よし。聞きに行こう」 誰に?レイセンに 何を?逃げた理由を よし!思い立ったら即行動!まずは地上に行くためにはどうするかだな。 確か月の羽衣とやらで行けたはず。俺はそんなの持ってないし、あるとしたら綿月のところか。 「だったら嫌でも綿月と戦うことになるな!」 俺の辞書に盗むなんて言葉はない!正当な報酬として頂くだけだ! じゃあ戦闘の準備が必要だな、と部屋のいたるところに掛けられてる武器を取る。背中にブロードソードと太刀を背負い、ダーツを20本ほど腰につけ、細剣を腰にさす。 「久しぶりだなこの格好は」 実はヤツキは玉兎ではない。もとはただ月の民だった。ただ強い奴と戦うのが好きで依姫に戦いを挑んだことがあった。結果は負けであったが、他の兵士や兎よりも強くただの月の民としておくのは勿体ないということでペットという扱いを受けてきたのである。何故ただの兵士ではなくペットという扱いを受けていたかというと、 「しかしブレザーにこの装備は合わないよな」 ヤツキは顔や声が女の子っぽく、それを見た豊姫が遊び半分で兎と同じ格好にしたところもうただの女の子にしか見えのなくなり、何故かそのまま兎と一緒に扱いをされるようになっていた。 ヤツキもそれはそれで面白いと思い、そのまま過ごしていた。三日ぐらいで「暇だ暇だ」と連呼するようになってしまったが 「よし、行くか」 おや、ヤツキの昔話をしているうちに準備が終わったようですね。 「で、そこで読者の皆様に昔話をしている兎は誰だ」 「おや?ばれてしまいましたか」 私は何の悪びれもなく出ていく。 申し遅れました。私、セイラと言うもので、綿月様のペットとして 「お前の自己紹介なんてどうでもういい。入り口にいられると迷惑だからどいてくれ」 「どけと言われてどけ兎はいませんよ」 私は銃剣を取り出しヤツキに向ける。 「ここから先へ進みたければ私を倒してみろ〜!」 なんて一回言ってみたかったんですよねー、ってあれ?ちょっとヤツキ?何剣なんか構えてるの? 「そーか、倒さなきゃ進めないなら倒して進むまで!」 え?いや?ちょっと?冗談ですよ冗談なんで大きく振り上げてんの?ぎゃー!!やめてお願い嘘です冗談ですから降ろして!降ろして下さい!! なんていってもヤツキが止まるはずもなく、私は尻餅をつき思わず頭を抱え目をつぶる、が 「あれ?」 いつまでたっても剣は降り下ろされない。不思議に思い顔をあげてみると、 剣を降ろし、にっこりと可愛い笑みを浮かべたヤツキが 「えい」 と私の額にキョーレツなデコピンをしてきた。私はとてつもない痛みの中、さっきの「えい」はめっちゃ可愛かった〜、ととても癒された気分になりながら意識を失った。 あ、あとさっきのヤツキの独り言は全て兎たちに聞かれていたのでしばらくしたら兵士たちがわんさか出てきますよ〜 ヤツキは屋敷の中を走り回っていた。何故なら、 「だぁぁぁぁ!!なんでこんなに兵士が追っかけて来るんだよ!」 月から逃げ出そうとしているヤツキを捕まえるために動いている兵士たちに追っかけられているからである。 「俺が相手したいのは綿月の妹であってお前ら雑魚じゃ「私がどうかしたの?」だーーーーーー!!!!!」 うわー!ひびったー!だっていきなり目の前に現れるんだもの。まぁいいや。 「妹!勝負しろ!」 ヤツキが背中からブロードソードを抜く。 「私にはちゃんと名前があるのだけれど。それよりも月から脱走しようとしているのは本当なのかしら?」 「ああ!本気だぜ!俺はレイセンを追っかけなくちゃいけないんだ!だから羽衣よこせ!」 「あなた、さっき『正当な報酬として頂く』とかいってなかった?」 あれ?何でさっきの独り言の内容知ってるんだ?別にいいや 「その通りだ!戦って俺が勝ってやるから羽衣をよこせってことだ!」 ヤツキがブロードソードを構え、地を蹴る。 「全く。私に勝つなんて無理だと思うけど」 依姫も武器を構える。 「うらぁ!」 ヤツキが依姫に斬りかかる。依姫はそれを難なくかわす。ヤツキが続けて斬り上げ、叩きつけ、水平斬りと繰り出すも全てかわされる。 「もう終わり?」 依姫が余裕の表情で聞いてくる。 「まだまだぁ!」 ヤツキは持っているダーツを全て投げ、それに続く。依姫はダーツを叩き落とし向かってくるヤツキに斬りかかろうとする、が 「あら?」 ヤツキの姿は何処にもなく、代わりに一枚の紙がヒラヒラと落ちてきた。その紙には 『妹へ 辞書にない言葉なら書き足せばいいのさ!つー訳でサラバ! ヤツキより ピーエス ダーツは俺の部屋に置いといてもらうと助かります』 「・・・まぁいいわ万が一のために羽衣の置いてある部屋にはお姉さまを残しておいた・・・し」 「あら〜終わっちゃったの?」 依姫の目の前には置いてきたはずの豊姫の姿が。 「お姉さま・・・羽衣は」 「羽衣ならさっきヤツキに渡して置いたわ」 「何故」 「だって・・・あんなうるうるした目で見られたら誰だって渡しちゃうわよ」 豊姫はとてもニコニコしながら答えた。この人は自分が何したかわかっているのだろうか? 「あの、一応お聞きしますけど羽衣を渡したらどうなるか分かっていますよね?」 「もちろん。地上に逃げられちゃう・・・あ」 あ、って。あ、って言ったよこの人! 「でもまぁ、大丈夫ねきっと」 この時依姫は本気でこの人が月のリーダーで大丈夫なのか?と思ったとかそうでないとか。 俺は今月の羽衣を持っているのだか、何故姉が羽衣を渡してくれたのだろうか?羽衣の前にいたのだがちょっと目をうるうるさせただけで貰えたぞ。 「ホントにあの人がリーダーで大丈夫なのか?」 でもまぁ貰えたから良しとしよう。 「さてとそれじゃあ」 俺は月の羽衣を羽織った。 ・・・・・・ 東方玉兎伝 一話 あとがき あとがきです。 初めましておはようこんにちこんばんわ。裏切りライオンです。 どうでしたか?ちょっと短いですかね? ・・・・・・・・ あとがきって何書けばいいんでしょう。 いつも困る。 書きたいことがあれば書けるけど そうだ、キャラクター紹介をしよう。 主人公 ヤツキ 性別 男 容姿 長めの黒髪 女顔 女声 うさ耳はない レイセンと同じブレザーにブロードソード、太刀、ダーツ、細剣装備 ちなみにブロードソードは両手剣 武器にはそれぞれ名前がついている。 レイセンと同じ部屋。男女一緒の部屋 なのにお互い特に何もない、らしい 強いやつとサシで戦うのが好き。 さらに武器マニアでもあり自分の部屋には大量の武器が飾られていてレイセンが迷惑していた。大体の武器は使いこなせる 少々抜けてる所がある ちなみに○○恐怖症(次の話で分かりますよ。多分) 桃はあまり好きじゃない 結構黒かったりする こんなものか。じゃあ次回予告でもしてサヨナラ〜ですね 次回予告 『無事に地上に到着したヤツキ。そこでヤツキは最大のピンチを迎える!? そして彼女との再開!』 次回! 東方玉兎伝 二話 ※いつも次回予告が正しいとは限りません。つまり何が言いたいかと言うと、そう言うことです |
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