―――ピピピピピ…―――

目覚ましの音が聞こえる…起きなければ…

「ってあれ?」

 体が思い…頭が痛い…


「ッ!ゴッホゴホッ…」


咳も出てくる…


「ゴホ…はっくしゅん!」


 くしゃみも出てきた…
 風邪引いたのかな?
 とりあえず、病院に行こう…








 薬もらって、飲んで、良く寝て、三日たっているのに風邪が治らない…
 不老不死になったせいか普通の薬では効かないのかな、そもそも不老不死って風邪をひくものなのか、それとも治るのにただ時間がかかるものなのか。
 けど、病院の先生は普通の風邪ですって言っていたしなぁ。
 きついけど永琳さんのとこに言ってきたほうが良さそうだ。


青年(?)移動中…


 気合いで結界越えて永遠亭
 うう…体が重くてだるい…落ちそうだ……いや、頑張れ僕!後少しで着くさっ!ここで落ちたらどうなるか分かったものでは無いだろうが!リーミアとかに食べられたりしたらどうする!…いや、ルーミアがここにくるかどうかは知らないけどさ。どうでもいいから早く着け!
 そんな僕の祈りが通じたのかは分からないけど、立派な日本屋敷が見えてきた、よくがんばった僕!
 さて…着いたのはいいがどうやって中に声をかけようか、この間は偶然てゐが来たから良かったけれど…こないだ見たく誰かこないかな?ちょっと待ってみるか。


30分経過…


 誰も来ない…ヤバイまだ暖かいはずなのに体が震えてきた…
 今からでも大声出して呼んでみるか…
 ってある?目の前が…霞んで…

――バタッ――

え?倒れた?なんで……どうでもいいか…考えるだけでも憂鬱になってくる……このまま体に身を任せるか……


「ん?…あれは…!?ちょ……た!?だ……なの?」


最後に見えたものは焦った顔をした鈴仙が見えたような気がした。









「何…ってい…です…輝夜」
「見て…から…の?…よb…よ、よば…」
「ね…る相手に何をし…としているのですか」
「な…って…ニよ、永琳あなたもま…る?」
「けっ…です」
「そんなこと言ってー、あなたも…くらっちゃったでしょ、襲い…て良也を…て堪らないでしょう?」
「だからといって姫様、寝ている相手をおそ…のはどうかと思いますが」

う…ン?…話し声が聞こえる…騒がしいな…

「あら?起きたの?」


この声は輝夜かな。


「永琳、良也起きたいしもう構わないでしょう?」
「…そうですね、ヤっちゃいましょうか」


あれ?なんか可笑しい方向に話が!?


「ちょっと待ってくれ、僕は倒れたあたりから何が起きたのかが分からないんだ、説明してくれないか」
「本当は待ちたくないんだけど、まぁいいかしら。貴方は永遠亭の門の目の前で倒れ
ているところをイナバが見つけてここまで運んできたのよ」
「鈴仙が!?」


鈴仙が助けてくれるなんて、嫌われると思っていたから意外だ。


「それですぐに永琳が診察、原因は蓬莱の薬を飲むと起こる体の反応ということが分かってね、薬を対処したのよ」


なるほど…そういえばあの時と同じ症状が出ていたしな。
…あれ?


「けど蓬莱の薬を飲んですぐに高熱が出たけど、あれとは違うの?」


飲んですぐに熱が出たけどな。
それじゃないのか。


「それとは違うのが出るの、大体飲んでか100年ぐらいだったかしら」


さっきまで答えていた輝夜に代わり、永琳さんが答えてくれた。
だけど、それでは辻褄が合わない…まだ半年ちょっとしかたっていない。


「おかしいな…まだ半年しかたっていないけど…」
「さぁ、個人差じゃない?」
「さぁって…」
「もう疑問は無いのね」
「無いな、助けてくれてありがとうと」
「まぁ助けたのはイナバだけどね」


後で鈴仙にお礼を言っておかないとな。
ダメだ…さっきまで我慢していたけど、もう限界だ。


「いい加減その格好やめてくれないか!?」


 肌を肌蹴て、とても扇情的な格好をしている輝夜を見ていると目に毒だ。


「何?欲情したのかしら?それならいいのだけど」
「してない!してないからその格好を何とかしてくれ!」


何か大変なことを言っているような気がするけど気にしない!


「そろそろ我慢の限界だわ…永琳いいわよね」


 我慢って何さ、こっちの方が色々と不味いよ。


「そぉですねぇ、起きてますし問題はないかと」
「それじゃぁ早速…」


 いきなり僕のことを置いて話が進んでいる。
 このままでは嫌なことがおきそうな予感が!


「ちょ、ちょっと待て!」
「もーなによう…もう聞きたい事は無いんでしょう?ならいいじゃない」
「一体今からなにをする気だ!」


 そんなはしたない格好をして!なんては口に出来ない、恥ずかしくて。


「何って…ナニよ」
「はっ?」


 いま、この、女は、なんて、言いやがった?


「だ・か・ら、夜這いよ夜這い」
「何でいきなり!?」
「何でって…どうでもいいでしょう?」


 いいものか?いやよくないだろ!


「冷静になって考えてみろ!いいか僕は冴えないそこらへんに居る一般男性だ」
「不老不死が一般男性な訳ないですけどね」


 そこ!うっさい!


「てか、止めてくださいよ!永琳さん!」
「止める必要?ないじゃない」
「無い訳ないですよ!」


 ダメだ…永琳さんまでぶっ壊れた…


「なんでいきなりこんなことに…」
「ねぇ?もういいでしょ、そろそろ我慢の限界になってきたから…」


 って、何時の間に僕の上に輝夜が!?
 ちょっとまて!顔を近づけるな…ア…アッー!
 ゆっくりと輝夜の顔が近付いてくる…
 

――ガラッ!ピシャ!――

  
 ふすまが開く音が!救世主か!?
 後数ミリに迫っていた輝夜の顔が離れていく…


「そこまでです!!!」


 そこには鈴仙がいた。


「こんないい時に…だれよ?」


 ふすまを開けた者に輝夜の意識はいっているみたいだ…!今なら逃げれるかも…僕の能力をフル活用して…


「イナバね。いきなり何よ?」
「何よって…いま何をしようとしていたんですか!」
「何だっていいじゃない。…それとも何?あなたもこいつに惚れちゃったのかしら」
「!…どうだっていいじゃないですか!あいつは病人なんです、安静にしてなきゃいけないんで姫様は出て行ってください」


 嗚呼今日の鈴仙は女神に見える。女神よ、そのまま輝夜を引き寄せてくれ。頼むから。
 





 抜き足差し足忍び足っと…まぁ逃げれたかな?これぐらいは能力使えばいけるな。だてに紅魔館でやってるわけじゃないからね。

 
「ふぅ…助かったぁ…」
「あら逃げてたの」


 さてどうしようかと考えているときに背後から声をかけられた。


「げ!見つかった」


 ヤバイ見つかった!
 けどこの声は…と後ろを見ると青赤の服が特徴的な永琳が立っていた。


「ほっ…なんだ永琳さんか」
「ずいぶんなご挨拶ね」
「人が襲われているところを平気で見捨てて助けなかった人にはこれで十分だと思う」
「あなたに薬を処方して助けたのは誰だったかしら?」
「ぐっ…」


 うぐぅ…それを言われると何もいえない。永琳さんは僕が何もいえなくなっている様子を見てニヤニヤと笑っている…いつか覚えとけ!とりあえず今は話題転換して逃げの一手だ。


「と、ところで永琳さん、何故輝夜はあんなに壊れちゃったの?何か薬でもあげた?」


 さっきまでいた部屋からは「これだからニートは!」「だまれ、新参ほいほい!」などの言い争いが聞こえてくるが全力で無視だ…弾幕ごっこにまで発展しなければいいのだけれど… 
 
「輝夜のアレは貴方のせいよ」
「僕のせい?何故?」


 特に何かをした覚えはないし、何かをあげたりしてもいない。フラグ?…ハッ、立つはずがないだろう。


「正確には使った薬の副作用のせいなのだけれどね」
「副作用って…こわっ!?危ないものか何かですか!?」


 さっきまでの感謝の気持ちは吹っ飛んでしまった。恐っ!他にも何かされてないよね。


「危ないものではないわよ、むしろ男の人にはいい効果かもね」


 男にはいいもの…だって?なんだろう。


「それは…」
「それは…?」


 ゴクッ…


「惚れ薬の効果よ!それもかなり強力な!!!」
「な、なんだってー!それは本当か永琳!」


 とてもじゃないが信じられない…この僕がこんなラブコメみたいな目にあうなんて…


「嘘だ!」
「本当よ。それにそれ以外にアレになった原因があるの?」


 くッ…確かにあんな扇情的な格好はそれぐらいしか思いつかない、発情薬って可能性も在るけど、輝夜に効くとは思えない…それを言うなら惚れ薬の効果もだけど。


「貴方に使った薬はね、服用と同時に通常の効果を発揮するわ。その後1時間ぐらいで副作用の効果を発揮するから、その間に服用した人を殺すのよ」


 こ、殺すって…物騒なことを平気で言うなぁ…って待てよ?


「殺すってことはまさか…」
「ええ、貴方が寝ている間に、貴方を一回殺しているわ」


 永琳さんは怪しい笑みを浮かべながら答えてくれた…勘弁してください。
 その顔を見ていたら逃げたくなります。ってなことでじゃーねー!


「逃がさないわよ」


 ガシっと肩を掴まれた。


「ほら、こっちを向きなさい」


 耳元でささやかないでください、ゾクゾクしますから。


「ほ・ら、はやく向きなさい…早くしないとこのまま耳に息を吐くわよ」


 ダメだ、そんなことされたら何かが壊れちゃうような気がする。


「分かったから耳元でs!?」


 永琳さんの方へ向くとそこには永琳さんの顔があった。し、しまった!このままじゃあたっちゃう。
 

――チュ――


 く、唇と唇がぁ!当たっちゃたよ!


「ふふ、美味しいわね…」
「い、い、いきなり何をするんですか!」


 僕のはじm…何回目かのキスを奪って!


「いきなりじゃなかったらいいのね?」


 え、永琳さんが本格的に壊れた!どうしよう…こうゆう時は素数をかぞえt…って、また唇がっ!


――ドン!――


 僕はとっさに永琳さんを突き放して距離を置いた。


「痛いじゃないの〜。これは責任を取ってもらわなきゃね」
「今何しようとしたんですか!」


 永琳さんが危ない事いっているような気もするが気にしない!


「キスよ、接吻とも言うわね。…もしかして初めてだった?」
「初めてじゃない!」


 多分…


「まぁ初めてだろうとそうでないだろうと、突き飛ばした責任は取ってもらわないとね♪…具体的には嫁にとってもらうとか」


 嫁っ!なんだそれは!いきなり話が飛んだぞ!


「ちょちょっと待ってください!殺したなら薬の効果が切れるはずでしょう!?」


 殺されたはずなのに惚れ薬の効果が出ているみたいだし、どうなっているんだ。


「もう、いい時に…仕方ないわね教えてあげるわ」


 すねた顔になりながら永琳は答えてくれた


「…それはね、貴方の能力のせいみたいなのよ」
「僕の能力のせい?」


 自分だけの世界に引き篭もる程度の能力がどうしたのか。


「あなたの能力は基本的に世界の中に自分だけの領域を作って外界と隔離されているでしょう?」
「ま…まぁ」


 良く分かってないから、あいまいな答えでごまかすしかない…今度しっかり調べなければなぁ…


「その能力が原因なのよ」
「?」


 さっぱり分からないから首を傾げるしかない。


「はぁ…分からないのね…」
「うぅ…」


 恥ずかしいなぁ…


「分かり易く言うと、貴方の自分の領域を作るってところが原因ね。体内で発生している惚れ薬ウィルスが外に出るときに、貴方の能力―領域―が邪魔をして貴方の能力の範囲以内に止まってしまうのよ。それに範囲に惚れ薬のウィルスがたまるわけだから通常の倍以上の効果になってしまったのよ」
「本当にそうなんですか?」


 永琳さんが言っていることだからあまり間違いは無いと思うけど…僕の能力がウィルスを止めれないと話にならない。そんなに便利だったけこの能力?


「これにはね、ある程度の裏づけがあってね」


 なんだろう?どうやってわかった?


「惚れ薬の効果が出たのが貴方に近付いてから発動したのよ。つまり、貴方の領域に入った瞬間ね」
「なるほど…」


 確かに効果が出たときの条件にそれがあったならうなずける。
 全部をまとめると。僕の世界のせいで惚れ薬ウィルスが外に出れなくなってしまって通常の倍以上の効果になり、その効果が溜まっているウィルスの領域に輝夜たちが入って、この事件になってしまった訳か。


「けど、惚れ薬って分かっているなら、態々こんなことしなくたって…」


 そこが疑問だ。好きでもないやつに惚れ無きゃいけなんて、普通は嫌だろうに。


「この薬はね。強力な変わりにある条件があるのよ」
「条件?」


 永琳は楽しそうに笑いながら言った。


「服用者に好意を持っていないとダメなのよ」
「はい…?」


 なんだって?


「だから、服用者に好意、つまり服用者にすこしでも好意を持っていないと効果は発揮しないのよ。好意をもたれていない相手だったら薬の効果が強くてもダメなの」
「つまりそう言う事は…」


 ありえない…そんなことは…ありえない僕が…


「私たちはみな、貴方に好意を少なからず持っているってことかしら。それに私は恋ってものに興味もあったことだしね」
「ありえないですよ!鈴仙には好意をもたれていないはずですし」


 嫌われるような行動ばっかしで、好意をもたれるような行動はしていないはずだ!…バカらしいことに。それと永琳さんの理由って…


「さぁ?それはうどんげしか分からないことじゃない?」
「何をしたんだ僕!」


 いや、さっきの鈴仙はただ患者に変なことをしようとした輝夜に怒っただけなんだ。そうだよきt―「何抜け駆けしようとしてるんですかこの自宅警備員が!」―…聞かなかったことにしよう。


「他に質問は無いわね?」
「あ、うん。ありがとございました、永琳さん。じゃあ、また会いましょう?」


 この自然な流れに乗って逃げる!

――ガシッ!――


 肩を行き成り掴まれた。後ろを振り向くと満悦な笑みを浮かべた永琳さんが立っている。あれ?なんかデジャビュ?


「さぁ、今度こそ何も無いわよね?」
「クッ」


 ヤバイまた永琳さんが迫ってきた…このままではっ!


「ふふっ…そんなに怯えないの。私悲しくなってきちゃうわ…」


 すっごい寂しそうに、悲しそうに顔をゆがませた永琳を見ているとこっちが悪いきがしてくる…はっ!騙されちゃいけないんだ!


「だまされませんよ!」
「そんなこと言って…責任…とってもらうわよ?」


 そういって永琳さんは僕に顔を近づけた。不味い…今度こそキスされる。だれか…誰か助けて!


「あと一センチ♪」


 あ、ああ、顔が永琳さんの息がかかるまで近付いてきている。もうダメだ…!


「今よー!全軍突撃ー!!!」
「「「ウサッ!!!」」」


 行き成り現れたてゐの掛け声を元に、どこからともなく現れたウサギたちがこっちに突っ込んできた。


「!?」


 吃驚して永琳さんが僕を放した隙に僕は逃げ出した!


「あっ!待ちなさい!」
「ウサッ!!」
「じゃまよ!」


 僕が放れたとたんに、永琳と僕の間には何十羽のも兎が間に入り込んでくれた!


「ありがと!!」


 礼を言い。その場から離脱する


「クッ!やってくれたわねてゐ!!」


 永琳さんの口からいつもらしくない慌てた声が聞こえる。今のうちに逃げる!
 






 ん?あのピンクの服にウサ耳は、てゐかな?逃亡中にてゐに出会った。てゐにもお礼をいっとかないといけないな。


「てゐありがと!」
「ん。この間の事変の私からのお礼とで思っておいて」
「サンキュー!」


 こんどあったら、賽銭箱にお金を入れてあげよう!


「じゃ、逃げるからまたな!」
「ここまで逃がしてあげたんだから、見つからないでね?」
「分かってるよ」


 不安そうな顔をしているから、さっきのお礼も兼ねて頭をなでてやった。てゐは恥ずかしそうに顔をうつむかせた。


「僕は大丈夫さ!じゃあな!」
「…あっ」


 撫でていた手を放したら何か名残惜しそうなてゐの声が聞こえて来た様な気がするけど、気にしない!!



青年永遠亭脱出中......




 ふぅ…外までくれば大丈夫だろう。まだ中では争いの音が聞こえるし…大丈夫かなてゐは…
 さぁてと、面倒なことになったなぁ…よりによって惚れ薬かぁ、まぁあまり好意をもたれるような者じゃないけど…どこならもんだいないかなぁ…

@.人里
A.迷いの竹林
B.白玉楼
C.紅魔館
D.妖怪の山
E.魔法の森
F.博麗神社
G.太陽の畑
H.霧の湖
I.香霖堂
J.ほかにどこかあったかなぁ…
 とりあえずざっとこんなものだけど、どこに行こうかなぁ…



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