メイドロボが欲しい。

 普通ならただの妄想でしかない戯言だった。しかしどうだ、知り合いに二人もメイドロボ所持者が居るではないか。

 なら僕にも……と、考えてもバチはあたらないだろう。

 そんなことを考えながら僕は、目の前に居る人物?を見つめる。

「……なんですか?」

 なんともかわいらしい声が僕の耳に届く。

 今、僕の目の前にはメイドさんが居る。長い黒髪に赤い瞳、着ているのはスタンダードなロングスカートのメイド服
 頭部には咲夜さんがしているものとは違い、メカニカルなヘッドギアを身につけて耳にはそれとセットになっている
 パーツが付いている。

 見た目で言えばかわいいって思う……が!?
 少しばかり僕の欲しかったメイドさんと違うな〜。

「小さい……」
「ご不満ですか」
 
 表情はまったく変化していないが、少しムッとしているように聞こえる、気のせいか?

「いや、なんていうか。…ちょっと想像したのと違うな〜って」

「そんなこと知りません」
「そうですか」

 見た目、良くて中学生位の容姿をした女の子がメイド服着てるって、傍から見たら僕が無理に着せてるように見えないかこれ。

「まあ…、とりあえず自己紹介しよう。僕は土樹 良也、魔法使いで来年教師になる予定よろしく」
「YES、わたしは絡繰 てんてんと申します」
「てんてん…、ちゃちゃなんとかじゃないのか?」
「YES、わたしは茶々シリーズとはコンセプトが違いますから、これでも一点ものです」
「さいですか」

 見た目あんまし変わんないのに、一点ものっていったいなに。

「特技は?」

「索敵とか」













 
「お茶」
「YES、いただきます」

 二人して、ずずーとお茶を飲みつつ、一息つく。

 ん、なんで僕がお茶入れてるんだ?


「あ、そうだ。お前ここに住むんだよな?」
「YES、そうなりますね」
「その辺は大丈夫だけで、寝る場所どうするよ?」
「YES、わたしが入っていた鞄があります。何よりわたしロボットですから」
「……まあそれでいいならいいけど」

「ちなみに、メンテナンスは月1です」
「つまり月1で麻帆良に通えと……メンドクサイ」

 う〜む、交通費がかさむなこれは、電車嫌いなんだけど。

「別段メンテなら私一人でいけますが」

「いや……一人で行かせるのはなんかな」
「そうですか」

「まあ、よく考えれば僕、来年には麻帆良に行くんだし、通うのは何回もない」
「YES、そうですね」

 麻帆良のどこに住むのか知らないけどな。


「なんにしても、腹が減ったしご飯にしよう。折角だしメイドロボの腕前を見せてくれ」

「すみません。料理のデータがないので無理です」

「メイド…ロボ…だよな?」

「ガイノイドです」












 

 あとがき

〜個人世界を観測する人形〜

   絡繰 てんてん

 能力 不明

 危険度 低

 人間友好度 低

 主な活動場所 良也の能力範囲内


 超博士が生み出したガイノイド。
 外見は茶々丸に似ているが、中身の構造はかなり違っている。
 動力源も他とは違い、茶々丸のようなゼンマイも必要ない。

 戦闘に関しては茶々丸と同じように格闘技から銃器まで使いこなす事ができる。
 ただし戦闘用に作られたのではない為、性能的には茶々丸に劣る。
 その代わりハッキングや索敵などの電子戦用の兵器を内蔵し茶々丸以上の性能を発揮する。
 戦闘以外の能力もデータさえあれば一通りこなせる。


 基本的には光学迷彩で姿を消し、良也を観察していることが多い。
 良也に呼ばれるか自分から用があるとき以外は声も出さずに居るため、周りに居る人にはほぼきずかれない。
 (気配に敏感な人や同じガイノイドにはきずかれることがある)

 
 ロボットだが能力をもっている、詳細は不明。
  

 

 

 







 
























 







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