「……だるい、首痛い」
 やっぱりなれないところで寝るとだめだなぁ、みょーに体がだるい
 
 えーと昨日エヴァに血を吸われて……、茶々丸が作った飯を食べて、いろいろ話をしてたら、
 なんかちっさいのがワインを持って出てきて、エヴァとそいつと一緒になって酒盛りしたんだっけ



「失礼します……、おはようございます、良也さん」
 そういって現れたのはエヴァの従者のロボメイド、茶々丸だ

「おー、おはよう茶々丸」

「お水を」
「おお、あんがと」
 差し出されたコップを受け取る。

「ご気分はいかがでしょうか」
「多少だるいけど、まずまずかな」
「では朝食ができておりますが、いかがでしょうか?」
「うん、もらうもらう」
「それでは、リビングのほうに」
 そういって茶々丸はキッチンに戻っていく

「酒の力は偉大だな」
 昨日は絡繰さん、土樹様とか呼び合ってたのに今は名前で呼んでるし
 まー、僕が無理やり変えさせたんだけどね







「ケケケ、ヤット起キタカ」
 リビングで最初に声をかけてきたのは、昨日途中からやってきて酒を飲んでいた魔法人形チャチャゼロだ

「おっす、チャチャゼロ」
「ヨウ、目覚メハドウダ最悪カ?」
「多少は酒が残っているかな、けどこの程度なら慣れてるよ」
「ケケケ、ナラ今度ハ潰シテヤルヨ」
「残念だけど。こちとら四六時中酒飲んでる奴に付き合わされることもあるからな、そう簡単にはつぶれないよ」
「ケケ、言ッテロ」
 そんなやりとりをしていると、朝食を持った茶々丸がやってくる。

「朝食は和食になりますが」
「オッケー、和食は好きだよ」
 テーブルに乗せられた朝食を見ながら僕は答える。

「それはよかったです。どうぞお召し上がりください」
「それじゃ、いただきます」
 手を合わせて箸を取る。茶々丸が言ったように、朝食はごく一般的な和食だった。

 ズズー…。あ、味噌汁うま。

「それにしてもあれだな、エヴァ家的に朝はパン食かと思ってたよ」
 酒もワイン類が多かったし、昨日のディナーも洋食だったしな。
「アー見エテモ御主人ハ日本マニヤダカラナ」
「そうなの?」
「はい、マスターのご趣味は日本名所を巡ることですから」
「渋いな」
「ケケケ、婆ダカラナ」
 婆って…、昨日から思ったけど口が悪いなこの人形、茶々丸とは大違いだ。


「ん、そういえばエヴァの奴はどうした?」
 さっきから姿が見えないな。

「マスターはまだお休み中です」
「ケケ、昨日シコタマ飲ンデタカラナヨホド気分ガ良カッタンダロ」
 確かに浴びるように飲んでたなエヴァの奴。

「マーソノ内起キテ来ルダロ」
「そっか、帰る前に挨拶しようかと思ったんだけど」
 そういって箸を進めていく、…それにしてもうまいね。 

「ナンダモウ帰ルノカ、セッカク一緒ニ飲モウト思ッタノニ」
「朝から飲ませんな」
 お前はどこの酔いどれ鬼だよ

「あの、良也さんそのことなのですが」
「ん、なに」
「昨日マスターが、自分が起きるまで帰すなと」
「えぇ〜」
 またいやな予感がするな
「そこを何とか、帰っちゃだめ?」
「すみません。マスターの命令ですので」
「ケケ、マア帰ッテモイイガ後々面倒ダゾ」
「だよねぇ〜」








「ご馳走様、うまかったよ」
「はい、ありがとうございます」
 そういって、食べ終えた食器をさげていく茶々丸

「ヨシ、ジャア飲ムカ」
「飲まないよ」
「ケ、ツマンネーナ」

「では、食後のお茶はいかがでしょうか?」
「それなら貰う」
「緑茶でよろしいですか?」
「うん」
「ご用意してきます」
 ペコリと、一礼してキッチンへと下がっていく茶々丸を見ながら

「いいな〜、メイドさん」
「ウラヤマシイダロ」
「ああ、ロボっていうのがまたな」
 やっぱり欲しいなメイドロボ、でもアリスに頼んでも作ってくれないしな〜

「なあ」
「ナンダ」
「チャチャゼロってエヴァが作ったんだよな?」
「アア、正確ニ言エバ魂ヲ吹キ込マレタ、ダナ」
「なら、人形があればチャチャゼロみたいにしてくれるのか?」
「ソリャ御主人ニ聞カナキャワカランゼ」
「だよな……」
 うーむ、茶々丸は無理でもチャチャゼロなら何とかならないかな。そんなことを考えていると。

 ガシ!、だれかに頭を抑えられる

「ふぁ〜……、朝っぱらから何の話だお前ら」
 やや眠たげな目をしたエヴァが後ろに立っている。
 
 いつの間に。

「ヨウ、起キタカ御主人」
「おはよー、エヴァ。…ってかなにしてんだよ」

「ああ。おはよう… なに、寝起きのジュースを飲もうとな」
「なら、茶々丸にいって……」
「かぷ」
「ぎゃっ!?」
 



「んく、んく、んく…、ぷふぁ!?」
 ひとしきり血を飲んで息をつくエヴァ、…つーか、朝から飲み過ぎだっての

「ケケケ、ヨク飲ムナ御主人、ソンナニ旨イノカ?」
「まあな。魔力量はそこそこだが、味はいい」
「……うれしくねーよ」
 まったく、レミリアといいこいつといい、僕の血をがぶがぶ飲みやがって。
 朝から貧血になるよまったく

「マスター、おはようございます。……良也さんお茶をどうぞ」
 お茶をトレイに乗せた茶々丸がやってくる

「お、サンキュ」
「茶々丸、私には紅茶をくれ」
「かしこまりました」

「朝は紅茶なのか?。……ってまさか僕の血を入れるとか言わないよな?」
「……してほいか?」
「ノー!」
 僕は全力で拒否した。









「……なに?、チャチャゼロが欲しい」
 エヴァが紅茶を飲みながら僕に聞き返してくる。

「いや。チャチャゼロっていうか、さすがに茶々丸を作ってもらうのはあれかなって、でもチャチャゼロなら何とかなるかなと」

 さすがにほんまもんのメイドロボはそう簡単にはくれんだろうし。

「ふむ。……まあ、素体となる人形があれば魂を込めることはできるが……、作ってどうするつもりだ?」
「まー、家事とかしてくれたらうれしいなーって」
 そんな僕の答えに対してあきれたような目で見てくる、二人もとい一人と一体。

「あほかお前は、魂を込めた人形は、知性はあるが何も知らん赤ん坊のようなもんだ、そういうことさせたいなら一から覚え込ませる
 しかない」
「あ、そうなんだ」
「当たり前だ、茶々丸のようなデータを入れれば何でもできる科学の子とは根本が違う」

「そっか……、やっぱり自力で何とかするしかないのか」
 アリスの言うとおり人形操作の勉強するしかないのか、でも才能ないしな。
 

「……まあ、あいつらなら」
「あいつら?」
「茶々丸を作った奴らだ、奴らならもう一体同型の物を作ることは可能だ」
「マジで!!」

 茶々丸を作った人物、奴らってことは複数いるのか、うーむ、メイドロボを作るとは、一体どんな人なのか
 エヴァの知り合いというのがいささか不安だが、男のロマンがわかるんだ、きっと大丈夫なはずだ!

「その人を是非紹介してくれ!!」

「ん〜…、まあいいか、どのみち、今日お前に合わせるつもりだったからな」

 そう言って、残った紅茶を飲み干したエヴァは立ち上がり

「茶々丸」
「昨日のうちに連絡は済ませてあります」

「よし! すぐ行こう、早く行こう!」

「落ち着け、着替えるからお前は先に外に出てろ」

「わかった!」
 テンションのあがった僕は一目散に外に出た。
 
 


 今日はいい日になりそうだ。





















「単純ナ奴ダナ」
「ああ、久しく見んほどのバカだ」
「ケケケ、昨日何サレタカモ分カッテネーシ」
 怪しく笑う二人もとい一人と一体。


「まあ、魔術で解析できない以上、科学の力お借りるしかあるまい」
「ケケケ……」
「ふふふ……」

 
「…………」
 怪しく笑う主人と姉をただじっと見ている茶々丸だった

 


 あとがき
 チャチャゼロのしゃべり方が難しいです。
 良也のロボゲットフラグ






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