!!WARNING!!
ここから先は、ウルトラモード並のヤンデレ展開です。
それでも読みますか?
はい 上等 【正に恐悦至極】
この選択肢を即答できるヤンデレ好きの方は進んでください。
この一振りが、この一振りが、この一振りが、この一振りが。
この一振りが、この一振りが、この一振りが、この一振りが。
すべてあなたと繋がっている。
良也は呻き声をあげて、動かなくなった。・・・また死んだのだろうか?
しばらく、愛おしくて頭を撫でていると、息を吹きかえした。・・・よかった。まだまだできる。
蘇生と同時に緋色の液体が勢い良く飛び出てて、私の顔にかかった。
「あぁ、雨が降っているみたい」
この雨が、ずっと、ずっと、ずっと、永遠に、やまなければいいのに。だから、私は・・・・・
気がついたらすべてが終わっていた。
目の前には、全身を真っ赤に染めて放心している妹紅がいる。
それはまるで雨にぬれて、泣いている子供のように見えた。
だから僕は、つい声をかけてしまった。また、同じことをされるかもしれないのに。
「妹紅」
我に返るという表現がぴったりだった。妹紅は消えてしまいそうなか細い声で謝る。
「すまない、良也。時々、あるんだ。暗い気持ちでわけがわからなくなってしまう時が。すまない。本当にすまない」
さっきとは違って落ち着いているみたいだ。話が通じればなんとかなる。
「とりあえず、どいてくれると助かる」
「ああ」
それで、僕に馬乗りになっていた妹紅はどいてくれた。
どう声をかけたらいいか悩む。ここまで激しく殺されたのは初めてだったし・・・。いや、殺されるに激しいも優しいもないような気がするが。とりあえず、今まで死んだ分を足しても、足りないくらい殺された。
「・・・」
「・・・」
目の前の血まみれの妹紅を見ていると、さっきのことを鮮明に思い出しそうだ。
気を紛らわせるために、部屋に視線を漂わせる。台所、小さな棚、隅に乱雑に置かれた衣類・・・
「・・・・・・」
「・・・・・・」
紫煙がなくなって吸殻だけが残っている、灰皿が目に入った。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
さっきから沈黙が痛い。間がもたない。僕は漂わせた視線の最後に目についた、煙草に慌てて手を伸ばした。
「煙草もらっていいか?」
「・・・ああ。私も吸うよ」
箱から一本とりだして煙草を咥えて、指で火をつける。ジッと草が焼ける音がして、煙を肺に入れたところで・・・
「ぶっ、げほっ!がはっ!!ごほ!?」
おもいっきりむせた。おもっ、ナニコレ?
外の世界の煙草と、比べ物にならないくらい重いんですけど!!涙目になりながら、妹紅を見ると平然と吸っている。え?これ普通なの!?僕はたまらず、妹紅に聞いた。
「けほっ・・・。おい、妹紅。なんなんだ、このキツイ煙草」
「花の妖怪と暇つぶしに殺し合いしたら、この煙草を調合してくれた。匂いもいいし、味も悪くない」
輝夜以外にも、そういうことするのかよ!と、つっこみを入れたかったが、やぶ蛇になりそうだったので、スルーする。それよりも花の妖怪?・・・ああ、花の異変で会った妖怪か。幽香だったっけ?あんまり話さなかったから、性格がわからないけど、殺し合うってのを除けば気軽に煙草をくれるような、気前のいい妖怪なのかもしれない。それにこの煙草は、けっこう癖になりそうな感じだ。むせながら、会話を続ける。
「こほっ、妖怪用の煙草だったのか。通りでキツイはずだ」
よし、煙草のおかげで、さっきの気まずい感じがすこし和らいだ。妹紅と普通に会話が成り立っている。このままいつもどおりに・・・
「良也が気に入ったんなら持ってるの全部やるよ。・・・もう、ここにはこないんだろ?生憎と家にあるので一番価値がありそうなのはそれだけだ」
その願いは煙草の煙のように消えていった。妹紅の言葉でさっきのことがフラッシュバックする。
飛び散る赤、淀んだ黒い眼、乾いたわらい。昏い怨嗟。それが頭の中が、ぐるぐるぐるぐるぐるぐる、とまわりだす。僕は妹紅を見れず、咥えた煙草を灰皿において、そのままうつむいた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・数秒か、数十秒。また痛い沈黙が流れる。
その静かな沈黙を破るように、床になにか柔らかいものが落ちる音がした。頬に優しくふれられる。ゆっくりと顔を持ち上げられて、目の前に悲しそうな顔をしている妹紅がいた。
「それだけだと足りないか?帰りがけの駄賃だ。男ってのはたいてい、これで元気がでる」
そして壊れ物に触るように口づけされた。背中に手が回される。
僕はぐるぐると混乱した頭のままでそれを甘受する。そのまま抱きとめられながら床に押し倒された。
後は流されるままに・・・・・・・・・。
全身が溶けてしまいそうなくらい熱かった。僕は途中でその熱に侵されて、力が入らなくなり、溶けるように意識を失った。
・・・眩しい。
陽の光で目が覚めて、しばらく、ぼぅっと天井をみていると煙草の匂いがする。どうやら妹紅は先に起きて煙草を吸っているみたいだ。僕は体を起こして、部屋を見渡すと、妹紅は壁に背中を預けて座っていた。服装は、いつものもんぺじゃなくて赤色の着物を着ている。あと、血まみれじゃなかった。僕の目が覚めたことに、気づいたのか煙草を消して、妹紅は、なんでもないように挨拶をした。
「おはよう、良也」
「・・・おはよう、妹紅」
僕が挨拶を返すと、妹紅は隣に畳んで置いてある同じ赤色の着物に、煙草の入っている木箱を乗せた。ゆっくりと立ち上がり、僕のところまで足早に持ってきて、矢継ぎ早に言葉を紡いだ。
「燃やしてしまった服のかわりだ。私の紬だから少し小さいかもしれないが、なんとかなろだろう。紬は返さなくてもいい。それと煙草はやるよ。・・・昨日のことは悪かった。出来ればなかったことにしてくれ」
妹紅は有無を言わせない雰囲気だったので、僕は言葉に従って紬を着る。着替える間、ふたりとも一言もしゃべらなかった。着替えが終わって、小屋を出ようとして戸に手をかけたところで、後ろから抱きとめられた。耳元で寂しそうな、切なそうな声がささやかれた。
「ちょっとだけでいいから、もう少しこのままでいさせてくれ・・・」
不意打ちだったのでかなり動揺する。しばらくして、妹紅の少し高めの体温が、布地を通して伝わってきた。それがきっかけで動揺が少し落ちく。僕の動揺が完全に落ち着く頃には、妹紅は離れていた。
名残り惜しいような、後ろ髪をひかれる感じだったけど、もう、行かないと。僕はなんとか声を絞り出して、別れの挨拶をする。
「えっと、その、僕は、もう、いくよ」
「・・・・・・」
妹紅から返事はなく、僕は小屋を出て行った。
昨夜の出来事が頭の中で整理しきれずに、ぐるぐると頭の中で回り続けていて、飛んで帰る気にもなれず、だらだらと竹林を歩いている。こっちにきて、二桁は死んでいるから、慣れていたつもりだったけど、昨日のアレはひどかった。しばらく夢にでてきそうだ。
・・・思い出したら、気持ちが悪くなってきた。煙草でも吸って気を紛らわそう。
近くにあった大きめの石に腰掛けて、妹紅からもらった煙草を咥えて火をつける。大きく息を吸って、肺に染み渡るように紫煙を入れる。その煙をため息と共に吐き出すと、気持ち悪さが少し軽くなる。何度か繰り返すと、気持ち悪さが紫煙のように消えていった。ただ、代わりに残ったのは、いいようもない虚脱感。それは、まるで溶けるように熱かった昨日の情事を連想させた。
・・・・・・・思考がぐるぐるしてきた。新しい取り出して煙草に火をつける。
ふと、咥えている煙草に目が入った。紫煙はゆらゆらと、空に向かって流れていく。その先を見ると、竹林から見える空は、まるで煙草の煙を集めたような重苦しく暗い曇だった。気が滅入る。
・・・・・・・・・・視界がぐるぐるぐるぐるしてきた。気が滅入ったから、もっと煙草を吸おう。
煙草を持っている腕を見る。赤い着物。赤い。朱い。紅い。それはまるで血の色みたいだった。飛び散る赤。その度に鼻につく鉄の匂い。昏く沈んだ赤い眼。
・・・・・・・・・・・・・意識がぐるぐるぐるぐるぐるぐるしてきた。煙草を吸う。煙がやけに白く長く見える。白い髪。煙草を吸う。煙草を吸う。耳鳴りがする。いや、違う。これは、声だ。昏い怨嗟の声。煙草を吸う。煙草を吸う。煙草を吸う。煙草を吸う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるくるくるクるくルクル。時計のように意識が回る。そういえば、今は何時だろう?周りが結構明るいから、早朝、というわけではないだろう。携帯で時間を確認しようとして、持っていないことに気がついた。あ、重箱と一緒にを妹紅の家に置きっぱなしにしてきた。まずいな、携帯だけならいいけど、財布も一緒に置いてある。
早くとりに戻らないと。早く早く。僕は急いで走る。早く早く早く早く。小屋へむかう。早く早く早く早く早く。目の前に戸がある。早く早く早く早く早く早く早く。
「おーい、妹紅?忘れ物を取りに来たんだけど・・・」
返事を待たず戸を開けて、小屋に入った。妹紅は壁にもたれかかりながら、目を閉じて座っている。
早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く早く、戸を閉めないと。
だけど、立て付けが悪くてなかなか閉まらない。振り向いてしっかりと、戸を閉める。小屋にあがろうとして、再び振り向くと、目の前に穏やかな顔の妹紅がいた。そうだ、挨拶を忘れていたから言わないと。
「けほ、けほ」
ただいま。
と、声に出すことがでなかった。代わりにせきと、腹に苦く熱い感覚がある。
「おかえり、良也」
それでも、伝わったのか妹紅の穏やかな声が頭に響く。
同時に、腹の熱さが全身に回ってきた。僕はその熱さに耐えきれず、前のめりに妹紅にもたれ掛かる。妹紅は倒れそうになる僕をしっかり抱き止めて、温かい赤色の付いた手で頭のなでながら、いとおしい声が聴こえる。
「ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、永遠に一緒だ。良也」
そこで、僕の意識は溶けてなくなった。
・・・どうやら、完全に呪が効いたみたいだ。良也は私の中で、安らかに寝ている。
良也が家を出ていったときは、うまくいかなかったのか心配したけど、杞憂で良かった。あとは時間をかけて、良也が私を愛してくれるようになればいい。難しいかもしれないけど、できないことではないだろう。
だって、良也と私には時間が永遠にあるのだから。
あとがき
やっちゃった。てへっ☆☆☆
体調が悪く、SAN値がぎゅんぎゅん削られている今日この頃。
気がついたら、コレができてしまっていた。
最近、クスリがとてもおいしいです。
・・・ただの栄養剤と整腸剤ですよ。ホントだよ?
皆様も体調に気をつけてお過ごしください。
それでは、また。
ネコのへそ
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