注意と前書き
閑話二十一話のIf話です。あと前作と全く関係ありません。
あの後、スキマと一緒に酒場を何軒かはしごしたら・・・・・です。
公序良俗的にだけ自重しまいましたが、本当にいろいろヒドイです。










目が覚めたら知らない部屋にいた。少し周りを見ると高そうな家具がいくつかあった。
どこかのホテルか?まぁ、ホテルなら問題ないな。あとホテルの窓か、見える外の町並みは、夕焼けに染まっていた。夕焼け?昨日、そんなに疲れることを した のか?
それで昨日は、なに、してたんだっけ?あぁ、誰かと一緒に酒を飲んでいたのは思い出した。
それは、だれ、だっけ?もう、どうでもいいや。それよりもかなり体がだるい。
なにか生命力が足りてない感じだ。変わった二日酔いだな・・・。
あと少し肌寒いな。でも能力使うのもダルいし、エアコンのリモコンが見当たらない。
だけど隣に人肌くらいの暖かい何かがある。もう少し近くに抱き寄せよう。

その時他人の身じろぐ音が聞こえたけど、どうでもよかった。

うん暖かくて気持ちいい。それに落ち着く音も聞こえるし、甘くていい匂いもする。
それがとても心地よく思えて、このまま二度寝しようかな?と思った。

そんな胡乱な思考と寝ぼけ眼で、抱きしめているものを見た。
目に映ったのは太陽を髣髴させるような、とても綺麗な金色。
触ってみるとまるで極上の絹のようにさらさらと手から流れて、ばらけていった。これは髪?
あと、今気づいたけど僕は裸だ。それに隣にある人肌くらいの暖かい何かは・・・・・・人だった。

・・・!?そこで僕は、慌てて飛び起きた。
毛布も一緒に引っ張ったので、隣に寝ていた人がよく見えるようになった。

枝毛なんて無いだろう綺麗な金色の腰にまで届く長髪。
全く日に焼けておらず、魔的なくらい白くて肌理の細かい肌。
豊満とは言えないけど、バランスが黄金比だと断言できるプロポーション。
天衣無縫という言葉が、そのまま人の形になった人型がそこにはあった。

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スキマ!?

とりあえず、この悪夢から目覚めるために、僕は霊弾で頭を吹っ飛ばして、一回死んでみた。








そのショックで昨日のことを思い出した。
教育実習を終えて、大学へのレポート等も提出し、やっと時間が出来た週末。
僕は疲れやストレスを吹っ飛ばすため、チェーンの居酒屋へ呑みに繰り出していた。
そこで、偶然?スキマと会って一緒に呑んだんだ。なぜか僕のおごりで。
まぁ、高宮さんから栞ちゃん救出の謝礼金として、結構な額をもらってから良かったけど。

その後、僕とスキマは一緒に酒場を何軒かはしごした。
スキマがいい酒を出す店を知っていたから普通に楽しかった。全部、僕のおごりだったけど。
それで、僕は飲みすぎて立って歩くことが難しいぐらい酔った。腕を組みながら一緒に歩いているスキマがいなかったらたぶん倒れている。スキマと腕を組んでることに関しては、最初はどきまぎしたが途中でどうでもよくなった。最近、いろいろ立て込んでたし、もう疲れたからそろそろ帰って寝よう。

「夜もふけたし、かなり酔ったから適当にタクシー拾って家に帰るよ。今日は、本当に楽しかったよ。
ありがとう、スキマ。また、一緒に飲みに行きたいくらいだ。だけど、今度はワリカンで頼むよ」

なにか言動がおっさん臭くなってるが酔ってるからだろう。
だけど酒が飲み足りないのか、スキマはいたずらっぽい声で

「今夜は帰りたくないの・・・」

なんて一世代くらい昔の、メロドラマのセリフみたいなことを言った。
いい年して、ゴスロリ服で、そのセリフは普通に頭の痛い人だったので、僕はその言葉に対して、

「年齢を考えろよ、この年増」

と、暴言を吐き捨てた。
酔ってるときでも、絶対、スキマ送りになるような、命知らずな発現だった。
そしたらスキマがかなり禍々しい雰囲気を纏って、静かな声で、だがしっかりと通る声で、

「喰い殺すわよ、人間。」

と言って、マジ切れしていた。だけど、僕はかなり酔っていて気が大きくなっていたのだろう。

「喰べても減らないから好きにしたら?」

と、売り言葉に買い言葉を返してしまった。そしたらスキマが、邪神の笑みを浮かべてさらに禍々しい
ふいんき(←なぜか変換できない)になり、

僕   を     無理矢理     ホテル   に   連れ込んだ。


その後は、謝って、泣いて、必死に抵抗したけど、絶対、スキマにかなうわけはなく、貞操は守れなかった。途中から、僕もノリノリ(死語)でシテしまったのことも思い出したから、もう10回ほど死にたい。











生き返って全部思い出した。よし、燃やして灰にして、なかったことにしよう。
なぜか、机の上に無造作において僕のスペルカードを一枚とって、全力で気合と霊力を込めて火符を使った。だけど、全部、発生した空間の亀裂に飲み込まれた。
くそ、ダメか!?ならば、土符で埋める!!そう思って、別のスペルカードに手を伸ばしたところで、

「毛布を無理やり剥ぎ取って、私を視姦したのを反省して、暖めようしたのは感心なことだけどスペルカードを使うのはやりすぎよ。」

ゆっくり体を起こして、その悪夢は気だるそうに言った。
人違いであることを切実に祈ったけど、さっきのスキマとその発言で間違いなく八雲紫とわかった。

「ははっ、なんて悪夢だ。しゃべるし、動くぞ、コレ。本当、夢であって下さい、お願いします。
あと、なにか羽織れ、目のやり場に困る」
「なにを今更・・・。昨日、盛りのついた犬のように、散々、×××○○○に。
あなた、足の指まで使って数えても足りないくらい×××わよ。あと、胸が好きなのね? □□□が××○○○○に××△△○○○に××に○○たし。あら?勝手にビープ音が入ったわ。便利な能力ね」
「もう、お願いですから、黙ってください、年増」

無意識に使ってる僕も驚きだよ。あと、殺気立つな、事実だろ、年増。

「だまりなさい、駄犬。私に口答えするの?××するわよこの○○。」

僕の生涯三度目の年増発言に、またキレたスキマは、僕に残虐な折檻をしてからバスルームへ行った。
どのような折檻されたか詳しくは語りたくない。でも、一連の流れはこうだ。

スキマが能力をフルに使って、僕を去勢しようとする    →
男として終わるから決死の懇願して、いろいろなやりとりを経る     →
最終的に何故か僕が、橙の鳴き声を真似することになる      →
ヤバっ、選択肢、間違え・・・・・・・・・・・・・・・・。

そうして、僕はこの世の終わりを体感しながら思った。今後、スキマに年増とは死んでもいわない、と。
その後、ちゃんと再生したので、僕を蓬莱人にしてくれた輝夜と永琳さんにきちんとしたお礼をしよう。

バスルームから出てきたスキマはあいかわらずのゴスロリ服だ。
でも、初めて純粋に心の底から、ゴスロリ服が似合ってると思った。まぁ、露出狂よりましなだけ、だけど。
出てきたスキマは、普段どおり扇子で口元を隠しいて、いつも通りの胡散臭い雰囲気だ。
でもさっきの僕の発言を怒っているのか無言である。沈黙しているスキマが怖いので、僕は逃げるようにバスルームへ行った。・・・そこ、ヘタレすぎる、とか言わない。

僕は体を洗ってシャワーを浴びたら、いろいろテンパってた思考が冷静になった。
冷静になって考えてみると、酔った勢いでスキマとシテしてしまったわけだ。
・・・最悪だ。忘れるために、あと100回ぐらい死にたい。
体を洗い終わって脱衣所に行くと、自分の服が着れないことに気がついた。
昨日、必死に抵抗したから服を破られて、無理矢理、脱がされたことを思い出した。
・・・・・・鬱だ。記憶を消し去るために、1000回、死のう。
でも、たぶんこの後、僕はスキマ送りにされて存在を消されるからどうでもいいか・・・。

どうせ逃げれないから諦めて、バスローブを羽織って寝室へ行くとスキマがいなくなっていた。
存在を消されると思っていたから、ほっとしてベットに腰掛けると、さっきまであった温もりがなくなっていて、少し寂しい気持ちになった。そして、机の上に達筆な字の書き置きがあるのことに気がついた。
いちいちやってることが一世代昔だが、気になってので見てみると、そこには、

”ホテル代は払っておいてください、早漏”

と、書いてあった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少し寂しいのは、気の迷いになった。
ホテル代を払ったらお金がなくたったので、帰りはバスローブ姿のまま、能力を全開で使って人目をそらし、空を飛んで家に帰った。








この後、僕は一週間、能力を使わずに引き篭もった。









それから三ヵ月くらい後。
女妖不振になっていた心の傷が癒え、やっと普段どおりに振舞えるようになった。
傷が癒えるまで、フランドールとか萃香とか、挙句、諏訪子にまで会うたびに身構えてしまっていたのは、自分でも末期だと思った。ん?諏訪子は神様だったな。

・・・ともかく、僕は時間に任せる方法でなんとか克服した。それは決して現実逃避をしていたわけではない。過去は、過ぎ去ったことだからもういい。それよりも今を楽しむべきだ。
それを実行するためにに幻想郷へ、なんとなく遊びに行った。そしたら、ちょうど博麗神社で小さな宴会が開かれていた。現実逃避は役に立つことが多い、と真剣に思った。

宴会はやけに豪華だったからが理由を聞くと、どうやらスキマが主催らしい。面子もスキマが揃えた。
本人は、『用事があるかあら、先にはじめておいていい』と言い残して、その後、どこかへ行ったらしい。
いろいろ胡散臭いが、スキマが胡散臭いのはいつものことだ。
だけど、食材と酒は胡散臭くないので、ありがたくいただくことにした。ちなみに宴会の雑用は、僕が全て一人でしている。理由は、僕が宴会の準備を手伝わなかったから、だそうだ。
たまたまきて、宴会があったのに準備を手伝えというのはちょっと理不尽だ。お前らもなにも準備してないじゃん、と言いたかったが、こっちに来たときにはすでに宴会が始まっていて、それなりに盛り上がっていた。宴会の雰囲気を盛り下げるわけにもいかなかったし、完全に乗り遅れたから後から参加するのも微妙だった。なんだかんだ言って、僕は自ら進んで家事をしていることに、気づかないことにした。

そうして、つまみを作って酒を燗にしたり、魔法を使って冷にしたりして、甲斐甲斐しく世話をしていると、隣の空間に亀裂ができた。できた亀裂から現れたのはやっぱりスキマだ。

「スキマを使って神社に上がるな、行儀悪いぞ」

僕はいつかのホテルでのことを思い出して、恥ずかしくなったのをごまかすようにスキマに言った。
現れたスキマは普段どおり扇子で口元を隠し、いつも通り胡散臭かった。

「遅かったな、スキマ。もうちょっと早く来ると思ってたよ。宴会は始まってから、けっこう時間がたってるけど気にせず参加してこればいい。もうすぐつまみが出来るから持っていくよ。酒は足りなかったら、そのとき、言ってくれまた後で持っていくから。」

そう言って、左手をひらひらとさせてスキマを居間へと促した。
なにかもう普通の主婦と同じ言動をしている事実に疑問を持たなくなった。
何故か、スキマは居間へ行かずニヤリと笑って、僕の左手首を掴んだ。
そして、そうするのが当たり前のような自然な動作で、手のひらを柔らかいお腹へ添えた。
久しぶりに触れたスキマの感触に少しどぎまぎしたけど、料理が大変だったので、その奇行はスルーすることにした。

「実は・・・」
「んー?」

よし、追加のつまみはほとんど完成した。あとは、明日の酔い覚ましのために作ってる味噌汁の仕上げだな。余った右手で味噌汁をお玉ですくって味見をした。

「妊娠したわ」
「ぶふぅ!?」
「あ、汚いわよ。味噌汁を吹かないで頂戴」

い、いきなりとんでもないことを言い始めるからだろうが!?

「な、なにを言うんだ、お前は!?」
「なにを今更・・・あれだけ×××しておいて、妊娠しないと思ったのかしら、この○○。
また、ビープ音が入ったわね。やっぱり便利だわ、その能力。それで、ついさっき、良也の家族に挨拶してきたの。みんなとても驚いていたけど、喜んでいてくれたわ。灯也なんて感涙していたわよ。今日は幻想郷の親しい人妖にその事を報告をしようと思ってこの宴会を開いたの。」

マジで!?てか、用事ってそれかよ!!まずいな、帰ったら妹にボコられる。
それに、絶対、爺ちゃんの涙は感涙じゃない。それとうちの家族になんて説明した。
スキマ主催の宴会だから妖しいと思ったけど、さすがにコレは想定外だ。
だが、今回の面子でこの事実を知って、僕を殺そうとするとする連中(東風谷とか、鈴仙とか、橙とか、
東風谷とか、最近、完全に幻想郷に染まってしまった、東風谷とか)来てないからいいけど、一人だけ別の意味で致命的にマズイのがいる。今から度数の高い酒を大量に飲まして潰しておくか?
たしか天狗殺しがあったはず・・・。だが、その考えは実行できなかった。

「あややややや、それは本当ですか?紫さん。もしそうなら大スクープですね。是非、詳しいお話を聞きたいですね。立ち話もなんですし、居間の方へ行きませんか?あと、良也さん。追加のつまみをお願いしますね」

ちょうどつまみを頼みに来るなんで、なんて間の悪さだ最速馬鹿。
明日の、文々。新聞の号外の発行が確定したよ。くそっ、僕のプライバシー返せ、射命丸。

「ええ、元からそのつもりよ。幽々子と萃香はまだいる?あと、霊夢と魔理沙に頼みたいことがあるのだけど、酔いつぶれていない?」
「私が席をはずした時、幽々子さんと萃香さんは、妖夢さんで遊んでいましたからいますよ。
霊夢さんと魔理沙さんはちょっと酔ってましたけど、まだしっかりしてましたよ」
「そう。教えてくれてありがとう。あと、良也、つまみを新しく作るのはもういいわ。
だから、残ってる材料でいいから、腕によりをかけて、私のために食事を作りなさい。私は、身重な体だからお酒が飲めないの。おいしい料理を期待してるわ。あと、居間でこれからのことも話をして決めたいから、料理を持ってきたらそのまま居間にいなさい」

妊娠して結婚する前の人間の女性と同じようなことを言うスキマが、僕をからかって遊んでいる可能性をほぼゼロにした。二人が居間へ向かって行き姿が見えなくなって、一人になるとようやく頭が混乱してきた。

妊娠?僕が父親?できちゃった婚?しかもスキマと?
いや、なんか、いろいろおかしいだろ?それ?
籍とかどうする?式は挙げるのか?家族になんて説明する?大学は?
住居はどっちにする?新婚旅行は幻想郷か?養育費はどうやって稼ぐ?子供の名前はどうしよう?
男の子かな?それとも、女の子かな?でも、性格はスキマに似てほしくないな・・・?

頭の中に疑問文しか浮かばなくなりながらも、頼まれた料理を作り続けているあたり、僕はまだ冷静なのだろうか?あと、後半の思考が墓場行きっぽくなっているのは無視した。それに、コレは悪夢に決まっている。そうだ、こんなことあるはずが絶対にあるわけない。
きっと、この料理を完成させてみんながいる居間へ持っていけば、この悪夢から目覚めるはずだ。







いろんな都合の悪いことは忘れて、料理を完成させて居間へ持って言った。
そしたら、みんなから盛大に祝福された。祝福された意味がわからなかったから、面子の中で、比較的、常識人の魔理沙に理由を聞いたら、「なにいってんのコイツ?とぼけるならマスパだぜ」みたいな顔で説明された。僕とスキマが結婚するそうだ。



アレ?夢オチじゃないのか?ここはなんて地獄だ?












あとがき
妄想は、自重しません。
結果、大暴走。朝チュン描写が難易度Extra.
書いている途中数え切れないくらい、ピチュりました。

あの後、良也は、現実を受け入れ、仲良く三人で末永く幸せに暮らしましたとさ。
めでたくなし、めでたくなし。

こんなひどい妄想に最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

補足という名の蛇足
途中のネタがわかりにくいと思うので、蛇足です。
橙の鳴き声の真似・・・・のくだりの折檻内容は、
つよ○すの唯一のDead Endです。
ヒロイン?が同じ金髪なので参考にしました。。
アレを初めて見たときは、いろいろ縮み上がりました。
あと、つ○きすのヒロインの中で一番、よっぴーが好きです。

それでは、また。



ネコのへそ

初稿2009/11/20
改訂2010/8/26




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