2060年、NEO HACHIOJI
都心から少し離れた市街地を一台の車が走ってきた。

JPI(JapanPoliceInternational、ジャパンポリスインターナショナル)の巡回用装甲トラックだ。
トラックには2人の男が乗っていた。
「なあ、何時間走った?」

「さあ、5時間は走ってっかな?」
「疲れただろ?運転変わるよメガネ。」
メガネと呼ばれたレンズ一枚型のメガネをかけている運転席の警官はタバコに火をつけながら答える。
「そうだな、俺も雪○のコーヒーがなけりゃ、どの位で運転やめてたかw」
「待ってろ、今ベルト外すからノッポ。」
メガネがそう言って動き、ノッポと呼ばれた警官も缶コーヒーを飲みながら席を入れ替わった。
「メガネ、音楽止めるぞ?」
「おう。」
ノッポが音楽を止め、TVをつけた時だった。

『速報です??今日午後2時25分頃、指定暴力団「云々組」がNEO HACHIOJI 第5地区のコンビニエンスストアで毒ガスを撒き散らすという事件が発生しました。』
云々組、組長を神と崇めるカルト集団と暴力団が混じったような組織だ。
「マジかよ??」
「カルト集団の事件っていうと、地下鉄サリン事件思い出すな...」
ビーッ ビーッ ビーッ ビーッ...
『上官より、帰還命令が出されています。直ちに本部へ急行してください。』
「ちっ、あの野郎自分で呼び出す事もできねーのかよ。」
メガネが愚痴をこぼし、ノッポはトラックをuターンさせる。

JPI本部前

『暗証番号ヲ入力シテクダサイ。』
ノッポが暗証番号を入力した。

ガガガガガガ...

『前ヘオ進ミクダサイ。』
ノッポがトラックを建物の奥へ走らせた。

上官室

「巡回ご苦労、報告を求む。」

「登録地区打第175区、T-18エリア、T-19エリア、異常はありません。」
ノッポがハキハキと伝える。
「ふむ。了解した。」
「早速ですまないが、君たちに新たな任務を与える。もうTVなどで見たかもしれんが、今日午後2時25分頃、暴力団「云々組」が毒ガステロを起こした。そして本日21時15分に、云々組撲滅作戦を決行する事とした。君たちはパトヘリの第3号機に乗機してもらう。」
「了解しました!」

? ? ? ? ?

「ハァ、今日もまたドンパチか。」
「まあ、終わったら酒でも飲みに行こーぜ?」
メガネが誘う。

作戦決行5分前
「そろそろ作戦を決行する。各員、自分の機体で待機せよ。」

「おっとこんな時間か。行こうかメガネ。」
「おう。」


キイイイイイイイインッ
キイイイイイイイインッ
キイイイイイイイインッ
キイイイイイイイインッ...
この時代のプロペラではなく、ジェットエンジンで飛ぶパトヘリが夜の高層ビル郡の間を縫って飛ぶ。 20分程飛んで、見えてきたのがあの云々組の本拠ビル。 でかでかと「云々組」と書かれた看板の下には不気味な色のネオンで「MASTER is GOD!(主人は神だ)」と書かれている。

「云々組のビルに突入する!各員、衝撃に備えよ!」

ガシャアアアーーンッ

云々組のビルに窓から突入した。しかし、この時代のパトヘリはこの程度では壊れない。
「うわあああ!」
逃げ惑う組員達。
「出動!」
ズダダダダダダダッ ズダダダダダダダッ
組員達が、ほとんど武器を持っていない、持っていてもナイフか拳銃位しか持っていないのに対し、警察はアサルトライフルを乱射し、部屋に手榴弾を投げ込んでいく。

約10分後、組織は壊滅した。
「ひぇー、すごい数の死体だなぁ。」
「でももう慣れてんだろ?」
「まあな、でなけりゃ死体を前に呑気に雑談なんてできないよ。」
そう言ってノッポが生存者確認のため、部屋のドアを開けた時だった。
ここにも、また死体が転がっていた。
撃たれて死んだ者。
殺戮の恐怖に耐え切れず、自決した者。
様々な様子の死体があった。
そしてノッポとメガネが部屋の奥へ進むと...
「??」
彼らの見た先には1人の少女が倒れていた。
「おい、大丈夫か??」
そう言ってノッポが駆け寄った。
少女は緑色のロングヘアで、頭にはカエルの飾りをつけていた。どう見ても組員ではなかった。
「気を失ってるだけだ、メガネ、念のため救急ヘリを呼んでくれ!」
「了解!」
約5分後、救急ヘリが到着した。

「さあこちらへ。」
「お願いします。」
一応、メガネとノッポもヘリに乗った。
そしてヘリは轟音をたてながら病院へと向かっていった。


続く



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