〜現想を跨ぐ蓬莱人〜
土樹良也 Ryoya Tuchiki 

職業:お菓子売り(※1)

能力:自らの世界に引き篭る程度の能力

住んでいる所:博麗神社



幻想郷と外界を行き来し、人里に来ては珍しい菓子を売り歩く里の子供の人気者。不老不死の蓬莱人であり、100年以上生きている。

彼が幻想郷に現れたのは、前、阿礼乙女である阿求の子供時代で、最初は生霊として冥界に居たそうだが、その時に後述の能力を獲得したことで、蘇生して外界に帰った後も幻想郷へ出入り出来るようになったと言う。

スペルカードルールを作成し、その類い稀なる才と人望で数多の妖怪をまとめ上げ、幻想郷に安定期を築いた希代の巫女。故・博麗霊夢の伴侶でもある(※2)。その能力と不死性から異変の時には容赦無く盾として使われていたようだ。

代々、怠惰で金銭関係に疎い博麗の巫女に代わって、伴侶の没後も生活面の世話をしている。



【性格】
非常に暢気で、危機感に欠ける。伴侶と似た書き方になったが、彼女が飄々として掴み所がなかったのに対して、こちらは単にゆるいだけである。

百年以上生きているはずだが、永く生きている者特有の雰囲気などはなく、至って普通の若者に見える。

基本的に誰とでも友好的で、苦手な相手から逃げ回ったりはしても、誘いを断る事は滅多にない。

伴侶の事もあってか、強力な妖怪に知り合いが多く、暇を見つけては色々な所へ顔を出している。

からかいがいのある性格なので、意外と気に入られているようだ。



【能力】
広く浅く様々な分野に手を出しており、魔法、武術、気弾、陰陽術など、節操がない(※3)。

属性もほぼ全て網羅しているので弱点を突くには良いが、地力が高い訳でもないので、高位の妖怪にはほとんど意味が無い。

ただ、彼の持つ“自分の世界に引き篭る程度の能力”については特筆すべき点が多々ある。

名前だけ聞くとかなりショボく感じるかも知れないが(※4)、実際は一定範囲に自らの世界を創ることができる能力であり、その領域内において、本人が出来ると思う事であれば、たいていの事象は起こすことが出来る。

現在、物理干渉、概念干渉、空間操作、時間加速、温度調節、概念能力の無効化、感知、透明化などが確認されているが、どこまで可能なのか本人も分かっていないようだ。

人間の持つ能力の中では最上級で、概念的見地で言えば、時間系能力を遥かに上回る。

ただ、本人の常識を超えることや、霊力的に無理なことは出来ないので、言う程、万能な能力ではない。

概念攻撃をほぼ完全に無効化するので、彼の能力を知らない者はパニックを起こしたりするそうだ(※5)。

ちなみに、あまり強くないと思われがちだが、中位の妖怪と張り合える程度の実力はある。

特に、自分の領域である博麗神社周辺では能力の範囲がえらいことになるので、博麗の巫女とタッグを組めば敵無しと言っていい(※6)。



【人物評証言】

・ウチだけじゃなくて外界にも家があるみたい。(素敵な巫女姫)
実家らしい。今は借家として外界の資金源にしているようだ。
幻想郷に持ち込めないものを置いておく倉庫としても必要らしい(※7)。
あと、名前が図々しい。


・あいつ程、変わらない奴も珍しいぜ。(最っ高に鮮やかなモノクロ)
本人も同じ事を言っていた。


・奥さんが死んでしばらくした頃かな? 良く似た若い人が菓子を売ってると思ったら本人だってんで驚いた。(カフェーの御隠居)
八意印の年齢詐称薬の効果である。外界では死活問題らしい。


・あれだけ誘惑したのに一度も夜這いに来ない。
ちょっとプライドが傷付いたわ。(月のお姫様)
行ったらどうなるか分かっているからだと思うが。そもそも既婚者である。


・でも、うどんげには夜這いをかけてたわね。(月の従者)
本人は誤解だと言っていた。


・あれだけ破廉恥で無神経な人間も珍しいわ!(月の兎)
はいはい、ラブコメラブコメ。


・5秒ぐらい考えてあげたわ。(100年後も動かない大図書館)
何を?


・霊夢のことは赦してないけど、おかげで血は最高ね。(迸しるカリスマ)
何年前の話だ。あと、名前が図々しい。


・ようやく、ちょっとは遊べるようになったから嬉しい。(フランドール・スカーレット)
訪問回数が減っていることに気付け。紅魔館は彼にとって鬼門である。それでも行く彼の気が知れない。


・宴会の時に一回だけ割と本気で怒らせちゃった事があるんだけど、その時の飲み比べで負けた。(呑んだくれの鬼)
鬼に飲み比べに勝ったとは恐ろしい話しだが、本人は少なくとも二桁は死んだと言っている。
その根性を別の所に使えと言いたい。


・霊夢と結婚してからは彼が料金を払いに来てくれるようになった。(香霖堂店主)
もはや、何に突っ込んでいいのかわからない。


・彼がいないと手に入らない材料があります。
代々、お世話になっています。(パティシエのお姉さん)
直接頼めば、注文も聞いてくれる。特に根を下ろした外来人が良く利用しているようだ。


・不死とは言え、フラフラしていて心配です。(半殺しの庭師)
子供扱いしあってる辺り、どちらも未熟者だと思う。あと、名前を書き直した形跡があるが?


・このまええんまにぼこされてるのをみた。(さるの)
死なないので定期的に罰しているそうだ。
永く生きるという事は、それだけで業を背負うに等しい行為なのである。





※1 巫女の使いっぱしりとも言う。

※2 博麗霊夢の項、及び【婚姻異変】参照。

※3 どれも半人前を卒業するかしないかぐらいで頭打ちする上に、そこで諦める為。

※4 強すぎる能力を危惧したスキマ妖怪がショボい名を付ける事で抑制したのかもしれない。

※5 切り札が通用しないのは恐怖だろう。通用しないのは切り札だけだが。

※6 ただし、強いのは博麗の巫女。

※7 スキマ妖怪との約定があるらしい。














こんにちは。これって本当に大丈夫かなぁ……、なんて思っているマイマイです。

幻想郷縁起的なものを書いてみたいけど、普通に考えて久櫛縁さんが書くもんだよなと諦めたのですが、現在じゃなくて百年以上後の時代ならいいんじゃね? と今考えれば筋の通っているのか微妙な持論を持ち出して、テンション赴くままに書き上げてしまいました。

まぁ、駄目なら久櫛縁さんがストップかけるだろうなんて他人まかせな事を思っております。閑話休題。


はい、この幻想郷縁起ですが、タイトルにもある通り本編から百数十年後、十代目阿礼乙女 稗田阿都が編纂したものという設定にしております。

人物評証言の中に妖怪とか妖精が入っているのは、阿求の時代よりも妖怪と人間の仲が良くなっているからです。目撃報告例でないのは妖怪ではないから。

中で散々言われている通り、あれから良也は霊夢と結婚して、現在もその子孫が博麗として幻想郷を守っている訳です。人物評証言にある素敵な巫女姫の事ですね。

名前は決めていませんが、とりあえず“姫”とか呼ばれるような奴じゃないと思います。美少女なんでしょうけどね。

ちなみに、百数十年後ということで、良也もちょっと強めに書いてみました。

3面ボスと張り合えるぜー! と言うよりは、3面なら何とか……。と言った感じですが。

たぶん、十年程度で頭打ちでしょうから、そこから節操無い方向に行くんじゃないかな〜と思ってそれぐらいにしました。

勉強は嫌いじゃなさそうなので、魔法知識の研鑽ぐらいは続けるとは思いますけど、実験とかはしなさそうなので、せいぜい中位の術が増えるだけみたいな。

自分の中の土樹良也はそんな感じです。

とりあえず、(この設定では)良也は変わりなく、巫女のワガママに付き合いながらまったり暮らしている訳です。たぶん、これからもずっと。

PS
暇があれば婚姻異変も書いてみようかななんて思っていますけど、それは反応を見てからにしようと思います。
















―――番外―――



【婚姻異変】
博麗霊夢と土樹良也が婚約した時に起きた一連の騒動の事。

レミリア・スカーレット、伊吹萃香ら主導で妖怪たちが博麗霊夢を攫い、土樹良也に宣戦布告した。

内輪の阿呆話と言えばそうなのだが、幻想郷のパワーバランスを担う妖怪たちが協力しあった数少ない事件である。

実際は半分デキレースだったようだが、土樹良也が即行で逃げ出したので事態がややこしくなった。

最終的には珍しく焦り、そして怒った八雲紫が土樹良也を退治(※1)して花婿側に寝返り、他の異変時のようにサポート役として協力した(※2)。

ちなみに博麗霊夢の所では、逃げ出した土樹良也に切れる妖怪と、本当は祝福していて、縁談の破局を怖れた妖怪とで乱闘騒ぎとなっており、大変だったらしい(※3)。

そして、その真っ最中に土樹良也が現れたので、さらに話がややこしくなったという。

ちなみに花嫁は攫われた状態のまま、事件が終わるまで寝ていた(※4)。






※1 妖怪が人間を退治した数少ない事件でもある。

※2 曰く「敵は前だけではありませんわ」

※3 妖怪同士の協力なんてこんなものである。

※4 つまり、この異変は彼女の昼寝の間に始まり、そして終わった訳だ。



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