第三話「空も飛べるはず」 〜side 各務原雪夜〜 「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああ」 『あ』がゲシュタルト崩壊するほど絶叫している僕は各務原雪夜十八歳引き篭もり。 ただ今、絶賛自由落下中。 「死ぬ! 掛け値なしに死亡する! I will die!」 そんな事を言っても助かる訳は無い。 なので、どうすれば助かるかを考えてみる事にした。 魔理沙の助けを期待して祈るのは当然として、他に僕に出来る事はないか。 ふと、頭の中に魔理沙が言った言葉がリフレインする。 「飛べ!」 そうだ、空を飛ぼう!(※生命の危機に瀕した事で、発想が少々ユニークになっております) 魔理沙だって言っていたじゃないか! 僕だって飛べるって! 「飛べる飛べる僕は飛べる大丈夫だよ飛ぶのなんてただの動作だ走るのと同じさだから諦めちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だどうしてそこで諦めるんだよ大丈夫僕なら飛べるだから諦めないでもう少しだからあともうちょっとの所だから僕ならできるだから諦めないでネバーギブアップ!」 自己暗示もとい自己啓発で自分が飛べると信じる。 ……うん、大丈夫! 今なら飛べる気がする! 「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……お?」 数センチ先には地面。 そんなギリギリのラインで、僕の体は静止していた。 「お? お? おおお!?」 試しに体勢を整え、自由に動いてみる。 僕……飛んでる!? 「ひゃははははははは! 飛んだ! 僕は飛んだぞ!」 全人類の夢が今! 見ろ、人がゴミのようだ!(※人なんて居ません) 「おーい、無事かー……って、生きてる?」 「魔理沙! 見てよ! 僕飛んでるよ!」 「みたいだな。いやー、一時はどうなる事かと思ったけど、生きてて何よりだ」 何か魔理沙の反応が淡泊な気もするが、そんな事はどうでも良い。 最高に「ハイ」ってやつだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ 「……何か気持ち悪いな。少し落ち着け。深呼吸深呼吸」 「ヒッツ・ヒッツ・フー、ヒッツ・ヒッツ・フー」 「何か違う気がするぞ」 「コォォォォォォォォ」 「それは波紋法だ」 何故知ってる!? 「落ち着いたか?」 「うん。今の突っ込みのおかげで落ち着いた」 まさか通じるとは思わなかった。 JOJOの偉大さを思い知ったよ。 「じゃあ、博麗神社にいくぞ。ええと……名前何だっけ?」 「ああ、僕の名前は各務原雪夜だよ」 「カカミガハラユキヤ? 長い名前だな」 「略してKY」 「だから何だ……」 兎にも角にも。 僕達は、博麗神社とかいう所(神社というからには、神の社なのだろう)に向かうことになった。 |
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