穏やかな陽光が明るく降り注ぎ、縁側の木目で拡散反射した日光が、人工的な光源の無い室内を涼やかに照らしている。 落ち着いた空気を醸し出す部屋の中で、僕こと土樹良也は少し黄昏ていた。 「暗いわねぇ、良也さん。人の噂なんて放っておけばその内消えるわよ」 縁側で、熱いお茶を啜りながら呆れた声色の霊夢。 分かってはいる、分かってはいるけど心にずーんと来てるんだ、ずーんと。いや、そんな深刻なわけじゃないけど。 あの日、射命丸としたデートを元にした記事は、いつもより好評だった。(何せあの霊夢まで一通り読んだくらいだ) しかし記事の中身は、デート中開き直ってはっちゃけた僕の行動の数々が、面白おかしく脚色されて書かれていたり、最後に撮った写真(突然頬にキスされて間の抜けた顔になってた)が載っていたりと、知り合いには見られたくない出来だった。 僕にときめくだけときめかせて、射命丸はあっさりいつも通りに戻ってるし。 やっぱり、あのときめきは僕の勘違いだったんだな。くそぅ射命丸め、僕の純情を返せ。 記事を見たノリの軽い知り合いには散々からかわれ、真面目な人には呆れた目を向けられて僕の硝子製のハートは粉々だ。 唯一霊夢だけは「大変そうね」と苦笑するだけだったが。 「霊夢、なんてニュートラルな奴なんだ。結婚してくれ」 「相手が必要になった時に売れ残ってたら、貰ってあげなくもないわ」 こっちに見向きもせずに、煎餅齧りながら適当に返事する霊夢。 相変わらず異変や損得関係の事以外では実にマイペースだ。 あぁ、ドライだ。実にドライだなぁ。 でも今はそれが心地良かったり。 煎餅齧って茶を啜る霊夢をぼんやり眺めていると、何となく誰かが近づいてくる気配を感じた。 「あら、早苗じゃない。一人でここまで来るなんて珍しいわね」 「こんにちは霊夢。先生はお見えかしら?」 どうやら来客は東風谷らしい。しかも僕に用事だ。 東風谷もわざわざ神社まで冷たい視線を浴びせに来たのか? なんて教師不幸者な生徒なんだ。 「良也さんなら中で暗くなってるわよ」 ずずーっとお茶を一啜り。 10代(多分)の癖になんでそんなに老成してるんだ。 「先生?」 こちらに顔を出して覗き込んで来た東風谷の目は、特に冷たくも呆れても無かった。 あの時の反応からすると怒っているかと思っていたんだけど。意外だ。 「あー、こんにちは東風谷。何か僕に用事って話が聞こえてきたんだけど」 「あ、はい。先日は失礼しました。往来であんな……文さんと仲良くしているとは思っていなくて……」 東風谷、なんだかその言い方だと嫉妬していたように聞こえるぞ。 いや、多分公序良俗にに反するからとかそんな理由なんだろうけど。 「確かにアレは、僕も少し悪ノリしすぎてちょっと反省してる。用事っていうのはその件の事だったのか?」 「いえ、それとはまた別にあるんですが」 少し困った顔をして、言い辛そうにしている東風谷。 なんだ、言い辛いお願いって。嫌な予感がするんだが。 「実はあの記事の事で、最初は私も先生は女性に見境が無いのかと思って憤慨してたんですが、神奈子様に「早苗は少し潔癖すぎる。多少は男女の仲の事も理解するんだね」と諭されまして」 流石神様、言うことが大きい。お守りも御利益あるし、神奈子さんを信仰しようかな。 「それで、私にも一度デートをしてくるように仰られました……」 前言撤回。 神奈子さんを信仰してると御利益はあっても、神様直々にトラブルが舞い込んで来るに違いない。 というか、「男とデートしてこい」なんて神託をする神って…… もう一柱も諏訪子だし。やっぱりお守り買うだけにしておこう。 「で、相手が居ないから僕を誘おうと?」 「はい……。先生も記事にされたばかりで大変だとは思うんですけど、私……他に頼れる人も居なくて」 申し訳なさそうに頭を下げる東風谷を見ていると、確かにデートはもうコリゴリなんだけど、教え子に頼られたら先生としては答えてやりたい気分になる。 「確かに東風谷はこっちに来てから日が浅いからなぁ。里の人だと萎縮しちゃうだろうし」 「難しい事をお願いしてるのは分かるんですけど、何とかお願いします」 それに付け加えこの顔。何か目からキラキラした懇願ビームとか、そんなような物が出てる気がする。どうする、○イフル〜。みたいな。 「そこまでお願いされたら断れないな。教え子たっての頼みだし。僕で良ければ付き合おう」 「先生……ありがとうございます! これで断られたらどうしようかと……」 ほっとした様子の東風谷。安心したようで何よりだけど、東風谷の頼みとはいえ、なんて流されやすいんだ僕は。 しかし、どうせデートするなら開きなおっ……ちゃダメだよな。うん。 前回はそれで酷い目にあったし、自重しないと。 それより何だ霊夢、その懲りないなと言いたげ視線と嘆息は。 「懲りないわねぇ」 言われた。 「懲りたさ。懲りたから今回は目立つ事はしないぞ。地上をこっそり歩いていく」 「はいはい。また記事にされないようにね」 こぽこぽと急須からお茶をもう一杯入れて煎餅を齧る霊夢。 どうでもいいけど、いつもながら掃除とかする気皆無だな。 ひらひらと適当に手を振る霊夢に送り出された僕と東風谷は、薄暗いながらも明るい木漏れ日に照らされた参道を、人里へ向かって歩き出した。 「そういえば参道って端っこを歩くのが作法なんだっけ?」 「普通はそうですね。鳥居から社殿までの参道の中央は正中と言って、神の通り道なんです」 「さっき思いっきり通ってたけど、巫女的にはいいのか?」 霊夢と違って東風谷はそういうこと気にしそうだと思ったんだが。 「私は人ですけど、神でもあるんです。こう見えても現人神ですから」 「あぁ、そうか。人の姿で現れた神だもんな」 とすると、僕は神が教え子に居たことになるのか。おぉ、箔がついたな。 見栄を張る相手がいないけど。 東風谷と二人、肩を並べてのんびり歩く。 射命丸の時と違って、極端に距離が縮まる事もない。しかしふとした拍子に手が触れ合いそうな所に居る。 普段とは違う東風谷との距離感を新鮮な感じだな。 なんだかんだ言っても東風谷は美少女だし、悪い気はしない。 っと、いけない……自重するんだった。自重、自重、僕自重しろ。 夜になれば妖怪が出没する危険な参道も、昼間は鳥の囀りと静かな木漏れ日が神秘的な空気を作っている。 今まであまり歩いて移動した事が無かったけど、偶には歩くのも良いかも知れないなぁ。 「そういえば先生。本当にお付き合いしている女性は居ないんですか?」 「僕の交友関係を見ればわかるだろうに。いつも宴会に来てるメンバーで、僕とどうこうなりそうな女の子なんて居るようには見えないだろ?」 まだ猜疑的な目を向けてくる東風谷。なんで僕はそんなに疑われてるんだ。 一部を除いて色恋とはまったく無縁そうな連中ばかりじゃないか。 「先生を見かけるときって、大概女の子と一緒に居るような気がするんですけど……」 「霊夢の所で世話になってるからな。女の子の知り合いは大抵女の子何だからしょうがない。ちゃんと男の知り合いも居るんだぞ」 最近は萌えを理解しようと努力してるから、東風谷には会わせられないけど。僕の威厳的な意味で。 「そういう東風谷はどうなんだ? 東風谷なら彼氏の一人や二人作ろうと思えば簡単にできそうな気がするんだけど」 「私は風祝としての勤めや修行で忙しかったですし、特に誰かを好きになった事も無いですから」 うーん、東風谷は真面目すぎるところもあるし、同年代の男子生徒じゃ荷が重かったのかもしれないな。 事情も複雑だし、尚更か。 そうこう話している内に道は平坦になって木々の終わりが見えてきた。 木々の間から抜け出ると、雲一つ無い快晴の日差しに出迎えられる。 木陰の薄暗さに慣れた目には少々眩しいけど、日の光に包まれる独特な暖かさに、少し気分が良くなる。 空高く飛ぶ鳶の鳴き声を聞くと、周囲の風景も相俟って時代劇の舞台に迷い込んだ様な気がするな。 「今日はいい天気ですね〜」 「そうだな。もう少し薄着でも良かったかもしれない」 ぽかぽか陽気に影響されてか、なんとなく東風谷の声が間延びしている気がする。 「しかし、デートと言っても何するんだ? まさか外に連れ出す訳にもいかないし」 「とりあえずはこうやって話しながら歩くだけでも十分だと思いますよ。その、いきなり文さんと同じようにされるても困りますし」 先日の射命丸と僕の様子を思い出したのか、若干赤くなる東風谷。それは忘れてくれー。 「だからあの日は少し悪ノリしてしまっただけだって。後で思い出して悶えてしまう位の忘れたい過去だ」 「あれで『少し』なんですか……」 何故かジト目になる東風谷。 「少しって言うのは言葉の綾だ」 寧ろ全力全開でノリノリになってたかもしれない。 久しぶりのデートの相手が、中身はパパラッチとはいえあれだけ可愛ければ仕方が無いよな。 うん。仕方が無い。 とりあえず歩きながら、人里へ向かった僕達は前回の失敗を踏まえて、人目に付く場所に近づく前にいつもの距離まで離れる。 付き合い始めたのを隠す中高生カップルの様で、これはこれで何となく恥ずかしいモノがあるけど。 「前人里を案内した時は、生活優先にしたから案内しなかったけど、パティシエの勉強をしていた人が開いた喫茶店があったりする」 「ということは、こちらでもパフェとかケーキを食べられるんですか!?」 おぉ、凄い喰いつきだ。 やっぱり東風谷も女の子らしく、甘い物が好きなのか。 和風な里の中の洋風な喫茶店。 僕と同じように外の世界から迷い込んだ元パティシエの卵、成美さんが働く店だ。 娯楽にかける余裕が少ない幻想郷では、外の世界ほどの繁盛は見込めないが、やっぱり甘いものが好きなのはどこの世界でも共通なのか、疎らだが女性客が居て、パフェやショートケーキに舌鼓をうっていた。 「成美さん、コーヒーと紅茶一つずつ。それと苺パフェもお願いします」 成美さんに注文を伝えて、東風谷の方に向き直ると、彼女は他の客のパフェをガン見していた。 「ホントに好きなんだな、甘いもの」 「……あっ」 僕の視線に気付いた東風谷が頬を染めて俯く。 はっと真っ赤な顔を上げてわたわた慌てながら、人の食べ物を見つめていたことの言い訳を並べ立てる東風谷。すごくなごむ。 「良也くんも隅に置けないわねぇ」 いつの間にか近寄ってきていた成美さんが、注文の品をテーブルの上に並べていく。 仕草は綺麗だが、顔が接客業にあるまじきニヤニヤ顔になってる。顔の作りがAAそっくりになってますよ。 とは言えない僕。 「ついこの前に天狗さんと食べさせあってたと思ったら、今度はこんな可愛らしい巫女さんを連れてくるなんて、痴情の縺れで刺されないようにね?」 だったら縺れさせるような事を言わないでください。 「た、食べさせっ!? 先生っそんな事までしてたんですか!?」 「ま、待て東風谷! 人は話せば分かり合える!」 ただし、聞く耳持ってもらえればなんだけどな。 先生不潔ですっとか言ってぷりぷり怒ってる東風谷を、宥めすかしてケーキを食わせ、なんとかご機嫌を取ることができた。 「ありがとうございました! またのご来店お待ちしておりますー」 勘定を済ませて、実にイイ笑顔の成美さんに見送られながら喫茶店を後にした。 もう女の子と二人だけで来るのは止めようと思う。 「はぁ、なんか休憩するだけのつもりだったのに、余計に疲れた気がする……」 「……もう、先生がお店で恥ずかしい事をしてるからです」 東風谷も先ほどの慌てっぷりと狼狽っぷりを思い出してるのか、少し赤面している。 僕たちはまた肩を並べて、今度は守矢神社までの参道を歩き始める。 もうそろそろ陽が傾き始めようとしていた。 外の世界の話題や、こちらへ来てからの会話をしながら、僕と東風谷は守矢神社への参道上空をふわふわと移動していた。 なるべく天狗の活動範囲で目立ちたくないけど、日が暮れてしまうと流石に危ないからな。 「流石に神奈子さんの神社の周辺だけあって気持ちいい風が吹くんだな」 「神社の周りの風は神奈子様の神気を含んでますから、神奈子様の御加護を受けている人間には特にそう感じられると思いますよ」 「あれ? なんで僕に神奈子さんの加護があるんだ?」 特に信仰してたりはしないんだけどな。霊夢みたいに適当に扱ってる訳でもないけど。 東風谷の方を見ると、彼女は何故かクスクスと笑っていた。 何かおかしな事言ったっけ? 「もう……先生は守矢のお守りを持っているじゃないですか」 「あぁ、そういえば。そういえば加護と言えば加護なんだよな、これも」 一目で力があると判るようなお守りだ。確かに加護と言っても差し支えないかもしれない。 「それにしても大きな湖だよな。これは元々あったのか?」 巨大な湖に、それに突き立つ巨大な御柱。 湖面は夕日を乱反射して輝いていた。 確かにこの光景なら、昔の人が信仰するのも頷ける。 しかし、霊夢とあれだけ派手に戦って、よく御柱が倒れずに残ってるもんだ。神様パワーか? 「いえ、湖も社殿も向こうから越してきた物ですよ。外の世界の時とは形は違いますけど」 「はぁー、すごいもんだなぁ」 そこら辺の理屈はよくわからないんだけど、とりあえず神様は凄いなという事で納得しておく。 そういえば妖怪の山自体も外にあった時と形が違うとか。射命丸に聞いた気がする。 今度、外の世界の妖怪の山へ行ってみようかな。……名前がわかったらだけど。 守矢神社の境内へ降り立つと、帰って来るのを待っていたのか、すぐに神奈子さんと諏訪子が出てきた。 「お帰り、早苗。デートはどうだった?」 「お帰りー、早苗。思ったより早かったね。てっきり帰りは明日の朝になるかと思ってたんだけど」 諏訪子。一体お前は僕をなんだと思ってるんだ。 「ただいま返りました、神奈子様、諏訪子様。デートは意外と楽しかったです」 お世辞じゃなさそうな笑顔で二柱に答える東風谷。 疲れさせただけかと思ってたんだけど、東風谷が楽しめたなら、まぁ成功と言っていいのか。 これでこういう事に東風谷が寛大になってくれれば良いんだが。 「良也もすまなかったね。急に付き合せて」 「いえいえ、あの記事のフォローをしてくれて助かりました。ありがとうございます。それに教え子の頼みは無碍にできないですから」 こちらを向いた神奈子さんと挨拶を交わす。 神奈子さんのフォローが無ければ、東風谷からの信頼は地に落ちっぱなしだっただろうし、感謝している。 「またまたー。教え子と言いつつ、早苗の魅力にメロメロになったんでしょ? 私の目が黒い内は許さないからね」 「諏訪子の目が黒い内って……先に東風谷の寿命が来るだろ」 それとも死んだら普通に神になったりするのか? 「先生、今日はありがとうございました。お陰で助かりました」 「こちらこそ楽しかった。ありがとうな」 今日は綺麗に纏まったな。 最終的には特に不幸な目には合わなかったぞ。 「ほら早苗、お別れの挨拶を忘れてるよ」 「はい、神奈子様」 東風谷がこちらへ一歩踏み出した時、背後から突風が吹いて東風谷がバランスを崩す。 「あっ」 「っと、危なッ……」 支えようとした僕の背後からも突風が吹いた。 ……結果。 ズキュゥゥゥゥゥン。……どさっ。 「さすが良也! わたしたちにはできない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる! あこがれるー!」 押し倒す形になって固まってしまった僕と東風谷、唖然としてる神奈子さんの横で一人はしゃいでいる諏訪子。 さっきの許さない発言はどこに行った。一体どこで知ったんだそのセリフ。めちゃめちゃ楽しそうなんだけど。 そんなに言いたかったのかそれ。 一番最初に膠着が解けたのは東風谷だった。 「……神奈子様?」 「い、いや早苗。良也を押したのは断じて私の風じゃないよ!?」 じゃあ東風谷を押したのは神奈子さんの風なんですね? 「……先生?」 「あー、東風谷? これは不幸な事故だからノーカンという事にしたら……」 あ、なんかぷるぷるしてる。これは……ダメだ。 しかし妙に冷静だな、僕。これが諦観って奴なのか、悟りが開けるかも。 あ、東風谷を中心に凄い力が……。 「反省……してくださいっ!!!」 火の無い爆風に吹き飛ばされて、空高く舞い上がった僕の目が最期に映したのは、キラキラと輝く一番星だった……。 ……その後、土下座しつつ必死に謝って、ようやく許してもらえた頃には、既に陽は完璧に沈んでいた。 まぁ、許してもらえたから良しとしておくか。東風谷には言えないけどちょっとラッキーだったし。 今日は疲れたから早めに寝よう。 〜数日後〜 霊夢に代わって、何故か僕が境内の掃除をしていた時、射命丸が相変わらずの猛スピードで目の前までやってきた。 「おはようございます良也さん! はいどうぞ! 毎度の文々。新聞です!」 「おはよう射命丸、朝から元気だなあ」 何気なく射命丸に手渡された新聞に目を落として、僕は箒を取り落とした。 『外の世界の菓子売り、今度は妖怪の山にある守矢神社の巫女に手を出す!』 先日、デート特集の折に新聞記者の私こと射命丸 文の相手を務めた…… 新聞には、先日の東風谷との行動が最初から最後までと言って良いほど詳しく記されていた。 しかも写真付きだ。 「あの、射命丸? これは一体……」 「あら、良也さんが悪いのよ? 私にあれだけ可愛いとか見ていて飽きないとか、散々言っておいて。舌の根も乾かない内にもう他の女の子とデートするなんて、言わばこれは優柔不断な良也さんへのお仕置きね」 言うだけ言って目にも留まらぬスピードで飛んでいった射命丸。後には抜け落ちた数枚の羽がひらひらと舞うだけだった……。 文々。新聞は− 幻想郷中に配られてしまって二度と回収できなかった……。 脚色と現実の狭間の情報となり 人々の記憶から消えるまで幻想郷を彷徨い続けるのだ。 そして死にたいと思っても死ねないので −その内良也は考えるのをやめた。 ……そのやり取りを眺めていた霊夢は、ポツリと一言呟いた。 「だから、"記事にされないようにね"って忠告したのに……」 ……ずずーっと、霊夢が一人啜る茶の音が、思考停止している良也の耳を、右から左へ流れていった。 〜終〜 あとがき 前回、次を仄めかすような終わり方をしてしまったので、三番煎じぐらいですがネタは無くとも書いてしまいました。 あまりにもネタが無くて終盤JOJOネタに走ってしまいましたが。 ちなみに、東風谷に吹き飛ばされた良也は諏訪湖の端っこに落下してリアル犬神家になりました。 ここまで読んで頂ければ判ると思いますが、題名の+αというのは二人をストーキングする射命丸の事でした。 ※作中の東風谷の甘味趣向や、神社の風云々は完全に捏造です。 またご感想やアドバイス、誤字脱字の指摘などして頂けると嬉しいです。 |
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