亀仙人が幻想入り 第弐話 ※注意!この物語の作者、ブレイドが勢いで書いたものです。所々原作崩壊してるかもしれないのですがよろしいですか?よろしければこのままお進み下さい。 ルーミアをかめはめ波で撃退し、どこか人のいるところを探し求めて森の中を一人の亀の甲羅を背負った老人が彷徨っていた。その見かけからは想像だにできないが、その体は鍛え込まれ、その足腰はしっかりとし、その足運びを見る者が見たら揃ってこう言うであろう。 「あの人物とは戦いたくない。勝てる気がしない」 と。 そこまでの実力を持ち、長く生きながらえて来た彼にとってこの程度の森、抜けることなんぞ…… 「……わし、完全に迷子になっちゃった。テヘ☆」 抜けることなんぞ……容易いは……ず? 「テヘ☆」 テヘ☆とか言っている耄碌助平じじいこそ、かつて武術の神とまで崇められた武天老師などと一体誰が信じるものだろうか?その見た目を見た誰もが見てもこう言うだろう。 「なんだあの爺さん? 子供でも勝てそうじゃないか?」 と 亀仙人が幻想入り 了 (BAD END2 森の養分となりました) ご愛読ありがとうございました。 亀仙人が幻想入り 第弐話 「亀仙人と迷惑妖精」 「全く人のいそうな所に出ないのう、何かに化かされてるのかのう?」 そう言うと亀仙人が急にとある一点に目を向けた。其処にはただ大きな木が立っているだけである。他には特に何も見当たらないのだが亀仙人は何の淀みも無くその木の所に一直線に足を進め始めた。 (な、なんでこっちに来るの!?) (ちょ、ちょっと!? ちゃんと姿消してるんでしょうね!?) (そっちこそ! 音消し忘れてるんじゃないの!?) (二人とも、前、前) ((え?)) 「さて、何のつもりじゃ?わしを迷わせたりして」 亀仙人は誰もいない筈木の上へと話しかけている。その様子には一片のためらいなんぞなく、其処に誰かがいると確信しての行動である。 (な、何で!? 何でこっち見てるの!?) (知らないわよ!! ど、どうする!?) (見えてはいないし聞こえてもいないみたいよ? だから……逃げちゃえば良いんじゃない?) ((それだ!)) 「これ、何処に行くんじゃ、其処に三人おるのはわかってるんじゃぞ?」 ポカポカポカ 「痛!?」 「痛いわね」 「痛い……」 亀仙人が虚空を持っていた杖で叩いたかと思えばその叩いたところから三人の女の子が落ちて来た。それぞれ橙色の髪で髪の両端をくくった子、黄色の髪で縦ロールの子、黒髪でおでこの上に大きなリボンをしている子。 ――しかし三人とも人間ではない。なぜならば、人間に羽は生えたりしていないからである。そのことに普通ならば驚愕に値するのだろうが亀仙人にとっては特に驚きに値しなかったらしくいたく冷静に三人を見下ろしているばかりで何やら考え込んで…… 「やはり十年後じゃな」 だから何を考えてるんだエロ爺! 「さぁてのう?」 「ね、ねぇ、このおじいさん誰と話してるのかな?」 「さ、さぁ?」 「ボケてるのかもしれないわよ?」 羽付き三人娘はそんな亀仙人を不審者を見る目で離れ始めている。ちゃっかり逃げる用意をしているあたりこういった事態にかなり慣れてる節が見える。だが三人の前にいるのはかつて武術の神とまで言われた人物、そのことに気付かないわけがない。 「で、お嬢ちゃん達は何者なんじゃ?」 「「「ひゃあ!?」」」 亀仙人の声は三人の“後ろ”から掛けられた。しかし三人が振り返った先にいたのは亀仙人、再び前を見てみても亀仙人、突如亀仙人が二人に増えたことで三人の内二人は大いに混乱をし始めた。 「な、ななななんで!?」 「ど、どどどどうなっているの!?」 目の前でいきなり老人が二人に増えるという事態に二人は半泣き状態でおろおろとしているがただ一人、動揺を内に隠しつつ、沈黙を保っていた黒髪リボンの子一人だけがじーっと“目の前の方”の亀仙人を見つめている。 「……お爺さんがいない?」 「「……は?」」 「おお、そっちの黒い子は気づいたようじゃの」 そう、二人の亀仙人の正体はルーミア戦で見せた“残像拳”で三人の後ろに回り込んでいたのだ。そのことに黒髪リボンの子が気づいたことに亀仙人が感心している。 「二人とも、前にいるお爺さんはただの幻よ」 「ま、幻?」 「そう言えば……さっきから動いてないわね」 「まぁ、残像じゃからな。……で? お嬢ちゃん達は何者なんじゃ? 人間ではないみたいじゃが」 亀仙人の質問に答えたのは橙色の子であった。どうやらこの子が三人のリーダー的存在のようである。二人を守るように前に出て立っている。 「わ、私達は妖精よ。光の三妖精が一、サニーミルク。光の三妖精と言えばこのあたりじゃ結構有名なんだから。痛い目に会う前に早く逃げることをお勧めするけど?」 「ほう? そうじゃったかそうじゃったか」 橙色の髪の妖精、サニーミルク(以下サニー)が名乗りを上げた後に縦ロールがルナチャイルド(以下ルナ)、黒髪リボンがスターサファイア(以下スター)とそれぞれ名乗りを上げた。 「(ほっ何とか逃げられそうね)だったら早く行きなさい、今なら見逃してあげるから」 サニーは内心亀仙人が自分たちに恐れをなしたと思ったのか途端に余裕な表情をしだした。他の二人もどこか安心しているようである。 だがそれは間違っていた。 「妖精っていたんじゃのう、わしゃ生まれて初めて見たわい」 「……へ?」 「初めて? 妖精を?」 「何処にでもいるのに?」 三妖精は亀仙人の初めて妖精を見たという言葉に驚いているような呆れているような表情を浮かべている。しかし、実際に亀仙人は長い人生の中でしゃべる亀やくしゃみで性格が変わる女性、満月で人間になる男狼、はたまた宇宙人にすら出会ってはいるが妖精という存在にはお目にかかったことがないのである。故に目の前の三人の発言に首を傾げるばかりでいまいち要領を得ない。 「何処にでも? 少なくともわしは見たことないがのう?」 「そんなことないわよ、妖精って人里とかにも結構行ってるんだから」 「そうね、全く見たことないってのはおかしいわよ」 サニーとルナが不審な目で亀仙人を見ながら否定をしているが亀仙人はそう言われてものうと言って物珍しく三人を観察している。其処でただただ黙っているのは先程残像拳を見破ったスターであった。 「スター? どうしたのよさっきから黙ってるけど」 サニーがずっと黙っているスターに疑問を抱いたらしく声をかけた。声を掛けられたスターはようやくその口を開き、自らの予想、しかし間違っていないであろうという確信を二人と亀仙人に話し始めた。 「多分だけど……お爺さんは“外来人”なんじゃないかな?」 「「外来人!?」」 「……なんじゃそれは?」 亀仙人は聞きなれない単語に首を傾げていたがサニーとルナはハッとした顔で亀仙人を見やっている。そして今まで亀仙人のように背中に亀の甲羅を背負った老人なんていたらとっくに自分たちが見に行ってるであろうことに気づくと…… 「「えええええええええええ!?」」 とりあえず全力で驚愕した。 あとがき 超久しぶりの投稿になります、ブレイドです。待っていてくださった方がおられたれならば今ここで謝罪の言葉を述べさせていただきます、もうしわけありませんでした。 弐話では光の三妖精の登場としました。ぶっちゃけコミックを3冊とも買ったのが影響なんですよね^^というわけでようやく暇ができたので書き始めました。三妖精可愛いですねぇ……ロリコンと言った人はスキマ送りです。それではこのあたりで、ここまで読んでいただき、ありがとうございます。m(-_-)m |
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