亀仙人が幻想入り 第零話

かつて、孫悟空という者がいた。その者は様々な戦いを潜り抜け、多くの仲間と共にいくつもの強敵から地球を守った。そして、孫悟空は最後の強敵から地球を守った後、神の龍と共に地球を去った。これはその後数百年後の悟空のお師匠様のお話・・・・・




とある海に囲まれた島、そこに1人の老人と1匹の亀が住んでいた。

「ふんふふ〜ふん♪」

「ばかに機嫌が良いですね?亀仙人様。」

「おお、ウミガメか!むふふふふ、実はのう今日は都のほうに出かけてこようと思ってな。」

「はぁ、ま〜た女の子をナンパするおつもりですか?いい加減自分の年を考えてくださいよ。」

今此処に亀に呆れられる老人がいた。信じられないことだがこの老人こそがかつてその名を轟かした武術の神様、亀仙人こと武天老師である。

「黙らっしゃい、老後短い年寄りの楽しみを奪う気か?それにそれだけじゃないわい。」

「ああ、エッチな本を買うんですね?それともビデオ?懲りませんねぇ〜此処じゃあ潮風ですぐに見れなくなるのに。」

「近頃はDVDやブルーレイとかいうディスクタイプもあるらしいぞい。」

「否定しないんですね。」

「ふぉ〜ふぉっふぉっふぉ。」

この老人笑って誤魔化す気である。

「ま、そういうわけじゃからちと行ってくるわい。ちゃんとお土産は買って帰るからの。んじゃ。」

亀仙人は言うだけ言うとすぐさま懐からカプセルのような物と取り出し、海に向かって投げた。

Booon

爆発の後にあったものは何とボートであった。

「あ!亀仙人様、まだ話しは終わってませんよ!」

「バ〜イビ〜♪」ぴゅぅ〜〜〜〜〜〜ん

亀仙人は亀の制止も聞かず行ってしまった。

「・・・・・・行ってしまった。はぁ情けない、あれがかつて武術の神様とまで言われた武天老師のお姿とは到底思えないですねぇ。まったく亀仙人様ときたら・・・・」

ここからしばらく亀の愚痴が続きます。

数時間後、

「・・・・まったくもう、もうすぐ1000歳になろかというのに、これじゃあ悟空さんやクリリンさんも・・・ああ、悟空さんにクリリンさん、ずいぶんお懐かしいお名前が出てきましたねぇ、もうあれから数百年も経つんですねぇ。」

ウミガメはかつてこの島で亀仙人の修行を受けていた二人組を思い出した。

「ああ、そうでした。他にもブルマさん、ランチさん、ヤムチャさん、天心飯さん、餃子さん、色々な方々がこの島にいらっしゃってました・・。」

ウミガメはかつてこの島によく遊びに来た人物達を思い出していた。

「確か、大人になった悟空さんが子供を連れて来た時は皆さんで驚きましたねぇ・・・。悟飯君という名前でしたかねぇ・・・。悟飯君がさらわれて悟空さんとピッコロさんが協力して・・・。ああ、そうそうべジータさんがその後地球に来たんでしたね、あの時はべジータさんが地球に住むようになるとは思ってもみませんでしたね・・・。」

ウミガメは苦笑しながらサイヤ人が来襲した時のことを思い出していた。

「たしか、その次は・・・・死んだ人達を生き返らすためにナメック星へドラゴンボールを探しに行ったんでしたね・・・・。そして悟空さんがフリーザと闘って超サイヤ人になってフリーザを倒した・・・・。」

ウミガメはナメック星での戦いを思い出していた。

「そして、そして・・・・・なんでしたっけ?・・・・・・・・ああ、そうでした人造人間との戦いでしたね・・・・・。未来から来たトランクスさんから人造人間について話があって皆さん凄い修行をしてたんでしたねぇ・・・・・。そしてセルが現れて、完全体になったセルを悟飯さんが倒したんでしたねぇ・・・・・。」

ウミガメは人造人間達との戦いを思い出していた。

「・・・・・・・・、あれ?どうしたんでしょう、ボーっとしていました。えっと次は・・・・・・・魔人ブゥとの戦いでしたね・・・・・・・・。思えばあの時地球に住む人全員お亡くなりになったんでしたね・・・・・・・ミスターサタン以外・・・・・・・・。あの人だけでしょうね。一度も生き返らずにいた人は。あの人は本当に立派でした。亀仙人様も見習ってほしいですね・・・・・・・・・・。」

ウミガメは魔人ブゥとの戦いを思い出していた。

「・・・・・・・・・そして、そして最後に悟空さんが邪悪龍から地球を守って・・・・・・・・神龍とどこかに行ってしまわれたんでしたねぇ。・・・・・・・・・その途中で・・・・・・・確かちょうどここで・・・・・・・クリリンさんと組み手をなされてましたねぇ、クリリンさんが勝ったんでした・・・・・・・・・・・・・・・。」

ウミガメは悟空が最後に訪れた時のことを思い出していた。

「どれも懐かしいですねぇ・・・・・・・・。はて?何でまた急に思い出したんでしょう?・・・・・・・・・・・・・・・・ああ、そうか・・・・・・・・・・・・・・。」

ウミガメは・・・・・・・・

「私も皆さんのところへ行く時が来たんですね?・・・・・・・・・・亀仙人様、申し訳ありません。・・・・・・・・・・・・・・・先に逝かせて頂きます。・・・・・・・・・・・・・・・・・・願わくば、貴方が参られた時に再び・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お供に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

その長い長い、とても長い一生を・・・・・・・終えた。

「ひょっほ〜い♪」

そのすぐ後、亀仙人が帰宅した。

「いや〜大量じゃ大量じゃ♪ナンパは失敗したが実に良い物が買えたわい。しかし、さすがに疲れたのう。お〜いウミガメや!冷たいビールを持って来てくれんか?」

「お〜いウミガメや〜?はて?どうしたんじゃろ?」

ウミガメが来ないことに疑問を感じた亀仙人はウミガメを探しに行った。

「ウミガメや〜?まったくあいつ何処に行ったんじゃ。・・・・まさか愛想尽かして出て行ったか?それならそれでわしも色々出来てうれしいがの、ふぉ〜っふぉっふぉっふぉ。」

数分後

「ん?なんじゃ、おるではないか。これウミガメ、わしが帰って来たのじゃから迎えくらいこんかい。これ、ウミガメ、聞いておるのか?・・・・・・ウミガメ?」

亀仙人はようやくウミガメの異変に気が付いた。

「おい、ウミガメ、ウミ・・・・・・、ウミガメ・・・・そうか・・・・・お主も逝ったのか・・・・・今まで世話になったのう本当に世話になったのう・・・・・・天国では自分のやりたいように、好きにするがいい。・・・・・・さようならじゃ。」

その後亀仙人はウミガメの故郷である海にウミガメをそっと流した。亀仙人なりの最後の思いやりであった。

その夜、

「・・・・・・・・。」

亀仙人は買ってきた本もビデオもほっときっぱなしで1人ソファーに腰を下ろしていた。

「・・・・・・・急にこの家が広くなった気がするわい。これからはわし1人で住むことになるんじゃのう・・・・・・。」

「・・・・・・ええい!何をクヨクヨとしておるか!!それでも武天老師と呼ばれた男か!!なぁにウミガメがいなくともわしに出来ないことなんぞないわい!」

亀仙人は自らを奮い立たせた。そうしないと悲しみに潰れてしまいそうだったからである。

「ふぉ〜っふぉっふぉっふぉ。明日からまたいつも通りのわしじゃ。今日はもう寝るとしよう。すべては明日からじゃ!ただ今日だけは・・・・・・今日だけはただのじじいじゃ。」

亀仙人はしょぼくれながら自室に籠り床にはいった。

(明日には元の亀仙人じゃ。明日には・・・・・・きっと元の亀仙人に・・・・・・)

そして亀仙人は眠りについた。そして深夜遅く・・・・

ブゥーン

「こ〜んば〜んわ〜。」

空間が開き、そこから女性が顔を出した。

「zzzzzzz。」

「うふふ、ぐっすり寝てるわね。意識の境界を操ったから当たり前なんだけど、念のためにね。」

「むにゃむにゃ。」

「さて、貴方には私たちの所に来てもらうわ。幻想と化した人の器を超えし者よ。」

「ぐ〜ぐ〜。」

「さて、幻想郷に行きましょうか。返事は聞いてないけれど。」

「ぴちぴちギャルはおるのかのう?」

「な!?」

「・・・・・・・・・・。」

「ね、寝言?いや、まさか・・・・・・。急ぐ必要がありそうね。」

そういうと女性は亀仙人を持ち上げ、空間の中に放り込んだ。

「・・・・・あの老人、まさか気付いてた?いえ、そんな筈は・・・・・・・面白いわね。うふふ、あの老人、幻想郷にどんな風を呼ぶのかしら・・・・・・・・楽しみだわ。」





かくして亀仙人は幻想郷に連れて行かれた。これは武術の神と呼ばれた男が巻き起こす数々神秘を語る物語。



壱話へ続く。


あとがき
初めての方は初めまして。ご存じの方、こんにちは。この度初投稿いたしました、ブレイドと申す者です。この度の主人公はドラゴンボールの亀仙人です。ドラゴンボールは神マンガです。亀仙人最高です。話はドラゴンボール終了後(アニメのGT)から数百年が経過した世界から亀仙人がやってきます。最初こそシリアスでしたが次からはギャグが多いです。それではまた次話でお会いできたら嬉しいです。それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。m(_ _)m



戻る?