太陽が眩しい昼下がり、僕は空を飛ぶ。この間の墓参りの席での宴会で、僕は『今』を楽しく生きようと思った。別に今までを詰まらなそうに生きていた訳じゃないけど……コレからはモット、楽しく、面白く生きようと思った。
酒を片手に空を飛ぶ。最近、一緒に酒を飲んでいない人と飲もうと思ったから空を飛ぶ。
輝く太陽に、綺麗な花畑。良いじゃないか!!

「似合わないわね」

「偶にはカッコ付けたいんだよ…」

幽香と酒を飲む。余り飲んだ事が無いんだよね。

「まぁ…付き合ってあげるわ。」

「やった…正直、断られたらどうし様かと…」

本当に良かった。無理に誘うのは気が引けるしね。僕がそう思っていると、幽香は思わずドキっとしてしまうほどの笑顔で…

「あら…だったら断った方が良かったかしら?」

違う意味でドキっとしたよ…こいつ、ドSだ…

「?ぐわよ?」

「ごめんなさい…取り合えず一杯」

頭を下げて、酒を注ぐ。飲み始めれば大丈夫さ、此処の連中(僕も含めて)は酒が大好きだからね。

そう、思っていた時が僕にも在りました。

「本当に…どうしようも無い位に才能が無いのね」

「うぅぅぅ…」

チクチクと言葉で虐めないでよ。意外と気にしてるんだから…

「いや、でも、不死身だからソコまで強くなくても大丈夫かなぁ…何て」

「死にたくなる様な攻め方もあるわよ?」

実演してあげましょうか? とか笑顔で聞かないでよ!! 僕は嫌だからな!!

「冗談よ…ソレで? 少しはマシに成ったみたいだけど?」

「…うん。少しはね…でも、偶に無性に寂しくなるから…」

そんな理由で、酒を飲みに、騒ぎに来たんだ。失礼だったかな? 僕としては、花のお礼も予ねて来たんだけど

「ありがとう、幽香。」

「何よ突然…礼を言われるような事をしたつもりは無いのだけど?」

「幽香はそうかも知れないけど…僕に取っては違うよ。幽香に貰った花を見て…思い出したんだ。霊夢の渾名とかね。」

「ああ…紅白ね。」

「うん。安直だけど、似合ってたと思うよ。僕は…」

酒を注ぐ。本当に忘れていた。普段から着ていた服の特徴なのに…蓬莱人にも痴呆って有るのだろうか? 今度、永琳に聞いてみよう。
トクトクと酒が注がれる音が聞こえる。互いに二杯目。ツマミを持って来なかったのは失敗だったかも知れない。
特に、会話も無く。時間だけが過ぎる。酒の匂いに紛れて花の香りがする。

結構贅沢な時間の使い方かも知れない。

「花…ありがとう。幽香」

「別に…もう良いわよ。今度はチョコケーキを持ってきなさい。」

「そうするよ」

花の香りを運んでくる風は、酒の入った体には気持ち良くて…少し、眠くなってきた。この辺りは、幽香以外の妖怪は余り姿を現さないし…ちょっとだけ、眠ろう











「静かに成ったと思ったら…私が妖怪だって事を覚えていないのかしら?」

気持ち良さそうに眠りこける、蓬莱人を見ながら言う。その抜けてる所、馬鹿なのかという所がらしいといえばらしいのだけど…
こうやって、無防備な所を見せられると虐めたくなる

「フフフ…ソレも面白そうね…だけど…」

殺しても死なない人間。ただ、それだけの男。単体ならば脅威にもならない程度の力しかない男だけど…

「ダメね……私も、丸くなったのかしら?」

こいつの寝顔を、酒の肴にするのも良いか…










「花言葉ぐらい、知っておきなさい。良也」

気が付かない振りをする。ちゃんと認識すれば狂ってしまいそうだから。

そう、思って酒を飲む幽香は花の様な笑顔で良也の頭を撫でた




遥か上空で、その姿を見ていた鴉天狗が残念そうにカメラから手を離した

「殺されちゃいそうですからね〜…ハァ、勿体無いなぁ」


太陽の花の様だったのに




あとがき

幽香でやってみた!! うん、文句は聞こう。反論も受け付ける。でも…個人的には有りだと思うんだ!!



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