幻想魔法連盟、それは幻想郷における魔法使い達の所属する会である。 活動内容は魔法の研究、魔導書の解読、新しいスペルの開発etc… だが、それは殆どが個人で行っており、主な活動は毎月に紅魔館で行われる茶会での雑談である。 会長は紅魔館の動かない大図書館、パチュリー・ノーレッジ。 副会長に魔法の森に住む七色の人形遣い、アリス・マーガトロイド。 書記には同じく魔法の森に住む普通の魔法使い、霧雨魔理沙。 そして外来人であり、不老不死。自分の世界に引きこもる能力を持つ連盟唯一の男。そしてこの連盟の創立者でもある。 理由は「魔法使い皆で親交を深めよう。」らしいが。 実際は「ちょっと(比較的)常識的な人達に優しくされたい…」だかららしい。 それほどに体は治るが心がボロボロの男。 雑用係、土樹良也。 これはその日常のヒトコマである。 「遅いぜ良也、早くしないと日が暮れちまうぞ。」 いつものメンバーが集まった茶会、そこに居るのはどれも美しい少女達だ。 優雅に紅茶を飲む姿は絵になる。 だが、一人だけ様子が違った。いや、格好がおかしいのだ。 まわりの少女達も一般的に見れば格好は派手だが、そうではない。 少女達は先程まで最近の話題や魔法の話で盛り上がり、笑顔を浮かべている。 だが、土樹良也は体に傷こそついてはいないが服は血と弾幕の焦げたで赤黒く染まり、焦燥した表情を浮かべている。 「なぁ、なんで茶会に来たのに「おーい、雑用係。この草と茸取ってきてくれ。」って言われるのか?しかも妖怪の山の最深部にしか生えてなかったんだぞ!?」 だが、何故妖怪の山へ向かったのか それは僕には透明化の魔法があったからだ。近づかれたら不自然さに気づくが、僕にはもう1つの能力【自分の世界に引きこもる程度の能力】を持っている。 これなら椛のような千里眼で見つかる事もない!勝ったな、茸と薬草取ってくる。 …と思う時期が僕にもあった。 最初は良かったんだ、順調に茸も薬草も取れた。片道五時間っていう険しい道のりも少し歩くのに疲れたけど、そこはいつもの異変でボコボコにされるのに比べたら対したことは無い。 ただ、白狼天狗の見張りの場所の近くでヒヤヒヤしながら採取をするのは怖かったけど。まぁ…ここが運命の分岐点か。 真っ直ぐ帰ろうとすると、丁度椛が他の白狼天狗との交代のようだった。 そして懲戒の役職を行うのに、岩山の上等、高いところから侵入者を探す。 そう、重要なのは高いところからだ。 こんな所に罠があるとは思わなかった。 高いところは遮る物がない、風が良く通る。風で服がなびく、ちょっと椛の足が見えてしまう、その先が気になってしまう。 …そこからは、第六感かな?椛が僕の方をバッと見る。そこで遠吠えされる。 白狼天狗に追い回される、射命丸に「良也さん!今日はどういった経緯で山への不法侵入を?これはついにモテない自分の為に惚れ薬でも調合するための材料を取りに来たと言うことでしょうか!」と取材をされる。(逃走中) 一回死んだが、なんとかフラフラと空飛びながら紅魔館に向かった。 しかし、極めつけにはボロボロの僕にルーミアが襲いかかって来たのだ。 腕一本を犠牲になんとか逃げてきたが、恐らく明日の朝にも失う物が出そうだ。主に僕のSan値や評判が。 「おうお疲れ、どれどれ…」 と言いつつもしっかりと倉庫からしっかりと約束の品を渡す。 僕は文字通り命をかけた、少し位は良い評価が「42点だな、これは色が悪いし、こっちは虫食いだな。」…知ってたよコノヤロー! 虫食いは内部に巣くっており、色はそうだな、朱色と薔薇色のような違いだ。 「まぁ他のは使えなくはないな、今度は頼んだぜ。」 でも多少は…うん、ミスはあった。次回がもしあったら…そうか、あるのか…なんか今の僕なら悟れそうだ。 だけど皆、いつものことだからって少しは労ってくれてもいいんだよ? 「透明化の魔法とあなたの能力が組み合わされば注意深く見なければわからないものよ、まだまだ見習い魔法使いね。」 「はい…精進します。」 僕が反省しながらボロボロの服を着替えていると、何故か魔理沙がパチュリーに話しかけた。いや、話しかけるのは普通だが、訂正を申し出た。 「違うだろ、永遠に魔法使いだ。」 グハッ!? 「そうね、永遠に魔法使いだものね。」 ガハッ!? 「ちょっ…と待ってくれよ。誰が言いふらした?スキマだな、そうだな!?」 前に言われた言葉だ、「あなた、まだ童貞よね?永遠に童貞なったら永遠の魔法使いよね?」と笑いながら言われたのを思い出す。 酒飲みながらのジョークの類いとスルーしてたが… 「なぁ、アリス。二人が苛めるんだ…」 既に心も体もボロボロ、そんな僕にアリスは一言。 「永遠に魔法使い、死ぬことも卒業することもないなら当てはまるわね。」 僕は泣きながら紅魔館を飛び出した。 本来の目的を達成できてない気がするよ… オマケ 【危ない薬の材料集め!?人里のお菓子売り、妖怪の山へ不法侵入!!】 この見出しを見た瞬間に僕は新聞を殴り捨てた。 買い物で少し人里に降りてみれば既にヒソヒソと…まぁ、だけど指を指すのはやめようよ。僕の鉄の心もヒビがはいりそうだ。 …しばらく、人里に行くのは控えよう。 あとがき 暇なので思いつき書いてみました。 次回作の予定は不明ですが、面白いと思っていただければ幸いです。 |
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